【栄養コンシェルジュが解説】白砂糖は食べると体に悪い? 体が酸化する?のウワサを検証

 【栄養コンシェルジュが解説】白砂糖は食べると体に悪い? 体が酸化する?のウワサを検証
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ヨギの中にも白砂糖は健康に悪い、身体に害があると信じて避けている人は多いのでは。果たして白砂糖は本当に危険なのでしょうか。白砂糖にまつわる数あるウワサの真相を、ミス・ユニバースジャパンのファイナリストに輝き、2ッ星栄養コンシェルジュの資格を持つ西村紗也香さんが解明します。

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麻薬と同じ?「白砂糖には中毒性がある」は本当か

白砂糖でよく語られているのは「白砂糖は中毒性がある」という説。習慣的に砂糖がたっぷり入ったスイーツやドリンクを摂っているとやめられなくなり、麻薬のような依存性があると危険視されています。
「人の脳には欲求が満たされたときに刺激され、快楽や幸福感を与える報酬系という神経回路があります。高濃度の糖質を含む食品を摂取すると、この報酬系が刺激されるのです。一時的には満足するのですが、脳ではその快楽が短期記憶として残るため、すぐにまた甘い物を食べたい!という欲求が押し寄せます。その欲求を上手くコントロールできなくなるため白砂糖には中毒性があると言われているのです。」(西村紗也香さん)

中毒
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一度、中毒状態になっても抜け出す方法があるので大丈夫。報酬系は短期記憶なので1~2週間経てば欲求が薄れていきます。甘い物を習慣的に食べてしまう人は、2週間食べないようにすれば食べたい欲求をコントロールできるようになります。

「しかし、毎朝コーヒーショップに寄って甘いカフェオレを買ってしまう、ランチ後にチョコレートをつまんでしまうなどの行動は依存度が高まっているサインなので、いきなり甘い物断ちをするのはつらいと思います。その場合、一度にゼロにしないで少しずつ量を減らす段階的な方法で試してみましょう。ストレス下で節制するとせっかく2週間かけて記憶をリセットしても、抑えていた欲求が爆発してすぐに逆戻りしてしまいます。甘い物への欲求が高まる生理前などには、甘味を感じられるソイプロティンを飲むのがおすすめ。ただしダイエット中の人が間食としてソイプロティン を摂り入れるのは、太りもせず痩せもせずな状態を作ってしまうので、飲む場合は食事の中にたん ぱく質の1品として組み込んで、カロリー過多にならないようにしてください」(西村紗也香さん) 

「体が酸化する」「漂白している」......まだまだあった白砂糖にまつわるウワサ

白砂糖は酸性だから血液のpHが酸性に傾く。という説も浸透しています。これは真っ赤なウソ!そもそも酸性のものを身体に取り入れただけで血液のpHが変わることはありません。

「人の身体には恒常性機能が備わっていて、食べ物の影響で血液が酸性やアルカリ性に傾くことはあっても、調整されて常に弱アルカリ性に保たれます。(疾患がある場合は別)また食べ物のpHは、その食品を燃やした灰を水に溶かし、酸性かアルカリ性かどちらに傾くかという方法で調べることができます。白砂糖は燃やしてもほとんど灰が出ず、わずかに出た灰を調べても酸性のときもあれば、アルカリ性、中性になるときもあり、一概に砂糖は酸性とは言い切れません。どうして酸性食品は身体に悪く、アルカリ性食品は身体に良いイメージが定着したと思いますか? これはアルカリ性食品は野菜や果物、海藻類など低カロリーなものが多く、酸性のものにはお肉やお魚、卵など高カロリーになりやすい食品が多いためと考えられます。食品はバランスよく摂ることが身体にとっては大切であり、酸性の食品を必要以上に避ける必要はありません。」(西村紗也香さん)

白砂糖は化学薬品で漂白しているから危険、と信じている人も多いですがこれも誤解です!

「白砂糖は漂白によって白くしているのではなく、砂糖の結晶の表面が光に反射して白く見えるのです。結晶そのものは無色透明で、化学薬品による健康被害を心配する必要はありません。もちろんダイエット中に砂糖が入ったスイーツや飲み物などをたくさん食べることはおすすめできませんが、お料理の調味料として適量使うことは毎日の食事を楽しくしてくれるので神経質になって控えることはしなくて大丈夫。それでも砂糖のカロリーが気になるときは羅漢果糖がおすすめです!値 段は白砂糖より高めですが、羅漢果を使った甘味料は血糖値に影響しないため安心して食べられます。ダイエットをがんばりたいときの選択肢のひとつとして覚えておくていいでしょう」(西村紗也香さん)

白い砂糖は身体に悪くて、茶色い砂糖は身体に良い?

健康に気をつかって料理に白砂糖は使わず、三温糖やきび糖、てんさい糖など茶色い砂糖を選ぶ人も多いです。しかし、茶色い砂糖を選ぶ理由を明確に説明できるでしょうか。白砂糖は精製する過程でミネラルなどの栄養素が失われ、対する茶色い砂糖はミネラルなどの栄養素が残っているので体に良いと言われているのですが、本当にそうでしょうか。「三温糖に含まれるミネラルは約0.25%です。上白糖の糖液を煮詰めて作るので成分はほぼ上白糖 と変わりません。きび糖とてんさい糖は、白砂糖に比べてカリウム、マグネシウなどのミネラルは多く残っています。しかし、しかし、1日に必要なミネラルをこれらの糖から摂ろうとすれば糖質の過剰摂取になるため、ミネラルのことを考えた時他の食品から摂取するのがベターですよね。ミネラルのあるなしで砂糖を選ぶのではなく、白砂糖より香ばしい三温糖は魚の照り焼きに使うなど、お料理によって砂糖の特徴を活かして使い分けます。また砂糖は白と茶色に関わらずブドウ糖と果糖が結合してできたショ糖という糖質です。ブドウ糖は摂り過ぎると体脂肪として蓄えられますが、果糖はブドウ糖の3倍のスピードでお腹周りの内臓脂肪になるため、ダイエットの面では白砂糖と茶色い砂糖に優劣の差はありません。腸内環境のことまで考えれば、白砂糖は腸内環境を悪化させてしまう要因にはなるので、そういった意味では白砂糖より茶色い砂糖を選ぶことは良いかもしれません」(西村紗 也香さん)

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ダイエット中に砂糖を摂るなら気をつけたいこと

ダイエット中だからと言って、砂糖を完全オフにすると味気ない食事になってしまい、食べる楽しみが失われてストレスが溜まり過食に走ることがあります。ただし甘い物を食べる順番やタイミングを理解し、摂り過ぎに注意すればあまり神経質になる必要はありません。

「砂糖に含まれるブドウ糖には血糖値を上げる作用があり、上がった血糖値を下げるために膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは栄養を細胞に送る役割があるため、急激な血糖の上昇はインスリンの過剰な分泌を招き脂肪を溜め込みやすくするので注意。また、急上昇すると急降下もしてしまうため、空腹感に襲われやすくもなってしまいます。砂糖が多く含まれるスイーツや飲み物はこういった心配もあるので、せめて食べる場合は血糖値の急上昇を防ぐ努力をしてみましょう。スイーツや甘い飲み物は、間食で摂るよりも食後のデザートにした方がマシです。また、野菜や海藻類を先に食べるベジタブルファーストも重要。ブドウ糖は肝グリコーゲンとして肝臓でも蓄えられ、貯蔵には約2時間かかります。蓄えられた肝グリコーゲンは少しずつエネルギーとして消費され、食後4時間ほど経つと蓄えている体脂肪の燃焼も始まります。つまり、食べてから約4時間以上経たないと脂肪燃焼モードにはなれません。それなのに間食をしてブドウ糖を含む食品を身体に入れてしまうと、体脂肪の燃焼は一旦ストップしてしまい十分に燃焼できなくなってしまうのです。また肝臓からも貯められる肝グリコーゲンのキャパから溢れてしまうことが考えられるので、太る原因に。ダイエット中は甘い物を控えることが理想ではありますが、これらの身体の仕組みを考えると食べるタイミングは、間食よりも食事の最後にデザートとして食べるのがベターです」(西村紗也香さん)

教えてくれたのは…西村紗也香さん 
2ッ星栄養コンシェルジュ。2016年ミス・ユニバースジャパン第4位。ミス・ユニバースジャパン出場経験から得たことを多くの人に伝えたいという思いから2ッ星コンシェルジュの資格を取得。栄養セミナーやパーソナル栄養コンサルティングを行う。YouTubeチャンネル「さやかの美活LIFE」を開設予定。リバウンドしにくい痩せやすい食事法を自身の体験談や科学的観点からまとめた新刊『ミス・ユニバースジャパンファイナリストが教える 究極のやせる食事術』(税込1,595 円/産業編集センター)好評発売中。

西村さん
西村紗也香さん
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『ミス・ユニバース ジャパン ファイナリストが教える 究極のやせる食事術』(税込1,595 円/産業編集センター)

 

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text by Ai Kitabayashi

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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