瞑想アプリ「Calm」が大坂なおみへの罰金を肩代わり。メンタルヘルス財団に寄付も
さらに瞑想アプリを運営する「Calm」は、グランドスラム(4大大会)の期間中、メンタルヘルスを理由にメディア出演をしなかった選手の罰金を肩代わりすることを約束した。
大坂なおみ選手はメンタルヘルスの懸念があることを理由に、今週初めに全仏オープンの棄権を発表。さらに記者会見を拒否したことで主催者にとどめの一撃を放ち、1万5000ドル(約165万円)の罰金を課せられた。「私が受けたかなりの額の罰金が、メンタルヘルスのチャリティーに使われるといいなと思います」とTwitterに綴っている。
国際テニス連盟(ITF)が声明を出すと間も無く、瞑想アプリを運営する企業「Calm」が大坂選手に手を差し伸べることを表明。同社は、グランドスラムに参加しているテニス選手が、メンタルヘルスの懸念により、記者会見を拒否した場合に課せられる罰金も肩代わりすると発表した。
「Calm」はさらに一歩先まで踏み込み、大坂なおみ選手名義でローレウス・スポーツ・フォー・グッド財団(Laureus Sport for Good)に1万5000ドル(約165万円)の寄付を行った。同団体は、スポーツ開発プログラム、メンタルヘルスとウェルビーイングの提唱、社会的平等、あらゆる人が参加できるスペース、開発を目的としたスポーツの研究などを支援する慈善団体だ。
But this is bigger than any individual player.
— Calm (@calm) June 2, 2021
Calm will also pay the fine for players opting out of 2021 Grand Slam media appearances for mental health reasons, and we will match the fine with a $15,000 donation to @LaureusSport.#MentalHealthIsHealth 🧠
今回の件はプロスポーツ選手にとって何を意味するのか?
大坂選手は自身のメンタルヘルスの問題について言及し、2018年の全米オープン以来、長い間うつ病に苦しみ、試合後の記者会見前に不安を感じていたことを告白した。
プロのアスリートは多くのプレッシャーを抱えており、NBA(米プロバスケットボールリーグ)のケビン・ラブや NFL(米プロアメリカンフットボールリーグ)の DJ タウンセルなどのスポーツ選手たちは、ヨガがメンタルヘルスと、心と体のストレスに効果があることを公の場で主張してきた。
スポーツ選手たちは、過剰なマスコミ報道や周りから寄せられる最高のパフォーマンスに対する期待に屈するのではなく、自分自身のために最善を尽くすことが重要であり、状況が良い方向へとシフトすることを切に願う。しかし、今週のパリの一件で明らかになったように、まだその道のりは長いようだ。
本来、「Calm」が自分自身のスペースを守ろうとする人々の罰金を肩代わりする必要があるべきではない。しかし、今回の動きによって、より多くのアスリートたち、そして彼らの活躍から利益を得る機関が、メンタルヘルスの問題に真摯に取り組むようになることを願う。
教えてくれたのは…カイル・ハウスワースさん
コロラド州ボルダー在住。コロラド大学ボルダー校を卒業後、ヨガジャーナル編集部のインターンとして勤務している。
ヨガジャーナルアメリカ版/「Calm Steps Up to Support Naomi Osaka With $15,000 Donation to Mental Health Charity」
AUTHOR
ヨガジャーナルアメリカ版
全米で発行部数35万部を超える世界No.1のヨガ&ライフスタイル誌。「ヨガの歴史と伝統に敬意を払い、最新の科学的知識に基づいた上質な記事を提供する」という理念のもと、1975年にサンフランシスコで創刊。以来一貫してヨガによる心身の健康と幸せな生き方を提案し続けている。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く