デスクワーク中の姿勢が大きな血管を圧迫する?しなやかな血管を維持するためにできること
全身の細胞ひとつひとつの代謝に必要な栄養素を送り届け、細胞内へ酸素を供給し、発生した二酸化炭素や老廃物を回収するのが血液の役割。血管が狭くなったり閉塞したりして血流が滞ればもちろん美容や健康にも悪影響です。必要な栄養素が届かなければ細胞の代謝は低下し、お肌のくすみや内臓を含む筋肉の働きも低下し、肌の弾力も失われてしまいます。2回にわたって血管をかためずしなやかに内側から美しくなる身体作りのヒントをシェアしていきます。1回目はデスクワーク中の姿勢の正し方や呼吸から血管や心臓をゆるめる等、生活の中で少し気を付けることで、血管をいたわりしなやかにするヒントをお伝えします。
血管の病気だけではない!血管が固まることで起こる不調
血管が細くなり、血流が低下することで引き起こされる病気の代表は、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などが代表的ですが、これらは一部にすぎません。
血管の病気以外にも基本的にはどの臓器も血流が阻害されれば老化し、様々な病気の原因になります。そしてもちろん病気だけでなく血流の悪さは肌や筋肉などもかためてしまいます。
血管には様々な太さや働きが違うものがあり、身体の中心部には大きな血管が走り、手先や足先など末端に向かうほど細い毛細血管が走っています。この毛細血管の長さは血管全体の約95%を占めており、全身に張り巡らされていて身体の隅々まで栄養を届けています。
末端といえば皮膚にも毛細血管が栄養を届けていますが、加齢とともに血管自体も硬くなり、硬くなるだけでなく、毛細血管自体がどんどん減ってしまうためお肌にツヤや潤いがなくなっていきます。
誰でも加齢とともに老化していきますが生活習慣や運動の仕方などによって血管の老化スピードは変わっていきます。健康に美しく年を重ねていくためにも血管に厳しいライフスタイルから血管にやさしいライフスタイルに変えていきましょう。
デスクワーク中に腰が丸まると腹部に圧迫が。大きな血管を阻害しない姿勢作りを
骨盤内には大きな血管(大動脈や大静脈)が走っています。デスクワークの際に腰が丸まった状態で長時間動かないなど腹部に圧迫のかかる姿勢は、股関節周辺の筋肉や臓器を圧迫するだけでなく、血流にも大きく影響を与えます。
デスクワーク中に時間を決めて立ち上がって肩や股関節を動かしたり、お尻を左右にゆすって座面に座骨を立てるなどは最低限、意識的に行ってほしいです。
腰が丸まっているとついつい背筋で胸をぐっと張るように姿勢を正しがちですが、それだと疲れてすぐに前の姿勢に逆戻りしてしまいます。
座骨を立てるように意識することで骨盤の後傾しすぎ(稀に前傾しすぎている場合も)をリセットし、百会(耳と鼻から頭のてっぺんに向かっていったところの交点)を天井に吊られるように意識すると、肩や背中を過剰にりきませずに背骨の近くやお腹の内側の筋肉で身体を支えやすくなります。姿勢が悪くなったときや姿勢を正したいと感じたときは思い出してみてくださいね。
血管をゆるめる8分目の呼吸
ストレスが血管や心臓を緊張状態にしてしまいます。まず自分でできることとしては、イライラしたときなどは意識的にゆったり呼吸をしてみましょう。
いつもよりもゆっくり吐いて、ゆっくり吸く。そして吐き切ろう、吸い切ろうとするとりきみやすいので8分目くらいの力で行うように意識してみましょう。それだけでもストレスによる興奮状態が少し緩和できます。
先ほど紹介した座位の姿勢の作り方は横隔膜(胸とお腹を隔てている呼吸をするときに一番多く働く呼吸筋)の働きもよくなるので、呼吸の質を高めることにもつながります。
良質な睡眠が良質な血管をつくる
続いて睡眠の質を見直してみましょう。
脳と身体を休めることで蓄積されたダメージをリセットし、自律神経やホルモンのバランスを整えるために行われる重要な生命活動が睡眠です。睡眠不足や睡眠の質の低下は血管や心臓に負担が大きく動悸などにもつながります。
わたしも実は一時夜型の生活になったことがありますが、その時は睡眠時間が足りているはずなのに眠くなることが多く、疲れがとれないと感じる日もありました。生活の中で睡眠の質を高めていく工夫を実践していくことで、しっかり疲れをとることができるようになりました。
睡眠の質を高めるために特に気を付けていることとしては「寝る前3時間は食べない」「入浴は夜、洗髪は朝行う」「寝室にスマホやパソコンを持ち込まない」「起きたらまず朝日を浴びる」「軽く汗ばむ程度のヨガやウォーキング」というシンプルなものばかり。
睡眠の質が低下していると感じている方はぜひ実践してみてください。
来月はテレワーク中に実践してほしい、血管をしなやかに血流を改善するためのおすすめのセルフケアや呼吸法、ヨガポーズなどを紹介していきます。
AUTHOR
仁平美香
WAY-TOKYOヨガ&ボディケアサロン主宰 パーソナルヨガおよびグループレッスンの他、オイルマッサージ、指圧整体等を様々な年代のクライアントに提供。ヨガ講師(WomensAwarenessYoga、月経血コントロールヨガ、産後、マタニティヨガ等、講師養成スクールにて講師育成を行うほか、イベントやレギュラークラスで指導中)、栄養士。女性のためのヨガ協会代表。「カラダをゆるめてこころを整えるはじめての月経血コントロールヨガ」「医師もすすめる血管美人ヨガ」等8冊の著書がある。雑誌・WEB等コラム連載&監修多数。
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