呼吸で筋肉の硬さをゆるめて柔軟に|「力み」を手放す魔法の呼吸法

 呼吸で筋肉の硬さをゆるめて柔軟に|「力み」を手放す魔法の呼吸法
Shoko Matsuhashi

体がこわばったまま無理にポーズをとると、余計な力が入り可動域を狭めます。浅くなりがちな呼吸を見直し、体本来の可動域を取り戻す方法を、呼吸法に精 通するシュミッツ千栄子先生に教えていただきました!

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呼吸で筋肉を活性化し、硬さをゆるめて柔軟に

「体の力みを取り、可動域を広げるには、呼吸を深めることが大切です」とシュミッツ千栄子先生。深い呼吸で、体に新鮮な酸素を取り込むと細胞や組織が活性化。日常の動作や体のクセで硬くなった筋肉にスイッチが入り、本来の可動域を取り戻すことができるそう。
「そのためには、体にしっかり呼吸が入るスペースをつくることも大切。また、呼吸はイメージとともに行うと効果的です。憧れポーズを思い描きながら呼吸を意識すると、ポーズがより深まりやすくなります」

覚えておきたい!ヨガ+呼吸のお約束

「この動きでは息を吸うの?吐くの?」とわからなくなったら思い出したい、ヨガ時の基本の呼吸法。口の形や呼吸の長さも確認しておきましょう。

ポーズをとるときは体の動きより呼吸を優先

呼吸が変われば体が変わる!「力み」を手放す魔法の呼吸法①
吸って上げる/photo by Shoko Matsuhashi 

体を開くときは息を吸う。柔軟性を高めたいときは息を吐く

呼吸が変われば体が変わる!「力み」を手放す魔法の呼吸法①
吐く・吸う/photo by Shoko Matsuhashi 

体を縮めるときは息を吐く

呼吸が変われば体が変わる!「力み」を手放す魔法の呼吸法①
吐く/photo by Shoko Matsuhashi 

呼吸時の口の形は物を飲み込んだ後の口。空洞はつくらない

呼吸が変われば体が変わる!「力み」を手放す魔法の呼吸法①
舌は上あごにつける/photo by Shoko Matsuhashi 

リラックスしたいときは吐く息を長く強く。副交感神経を優位に

呼吸が変われば体が変わる!「力み」を手放す魔法の呼吸法①
吐く/photo by Shoko Matsuhashi 

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呼吸を行いやすくするためのワーク

WORK:肺の動きを司る横隔膜と肋間筋を鍛える

腹式呼吸では主に横隔膜が、胸式呼吸とそれに連動する鎖骨呼吸では肋間筋が使われます。呼吸が入るスペースを広げるため、それぞれの筋肉を動かします。

完全呼吸法

横隔膜と肋間筋を同時に使う完全呼吸法。まずは腹式・胸式・鎖骨呼吸で、お腹・胸・鎖骨を動かせているかを確認。1人で行う場合も、同じ場所に手を当てて行いましょう。

1. 腹式呼吸

下腹部に当てた手を押し返すように、お腹全体を膨らませながら息を吸い、ゆっくり吐き切る。

呼吸が変われば体が変わる!「力み」を手放す魔法の呼吸法①
photo by Shoko Matsuhashi 

背中にも呼吸を入れるイメージで

呼吸が変われば体が変わる!「力み」を手放す魔法の呼吸法①
photo by Shoko Matsuhashi 

2. 胸式呼吸

胸の両脇に当てた手を押し広げるように胸を大きく広げて息を吸い、ゆっくり吐き切る。

呼吸が変われば体が変わる!「力み」を手放す魔法の呼吸法①
photo by Shoko Matsuhashi 

3. 鎖骨呼吸

鎖骨裏まである肺を感じながら、手を押し返すように呼吸を入れて、ゆっくり吐き切る。

呼吸が変われば体が変わる!「力み」を手放す魔法の呼吸法①
photo by Shoko Matsuhashi 

4. 完全呼吸

息を吸ってお腹 →胸→鎖骨の順に膨らませ、吐いてお腹→胸→鎖骨と凹ませる。

ポイント:当てている手を押し出すように呼吸する

呼吸が変われば体が変わる!「力み」を手放す魔法の呼吸法①
photo by Shoko Matsuhashi 

カパラバティ

肋骨下部にドーム型に位置する横隔膜。強く息を吐くカパラバティは、吐く息で横隔膜を持ち上げ、肺を浄化して呼吸を深めます。行いやすいよう、上半身は傾けて。

正座でつま先を立て、かかとにお尻をのせる。両手は膝の上におき、お腹を膨らませて息を吸う。

呼吸が変われば体が変わる!「力み」を手放す魔法の呼吸法①
photo by Shoko Matsuhashi 

鼻息でロウソクの火を消すように勢いよく「フッ!」と吐くと同時に、お腹を引き込む。1秒2回を目安に繰り返す。(30秒)

呼吸が変われば体が変わる!「力み」を手放す魔法の呼吸法①
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ポイント:吐くことに集中しテンポよく行う

WORK:呼吸を補助する筋肉をゆるめてスペースを広げる

呼吸に連動して動く、首、肩、肩甲骨まわりの筋肉をゆるめるワーク。胸郭が広がりやすくなり、さらに呼吸が深まります。前かがみの姿勢が多い人は必須です。

肩の上げ下げ

呼吸と共に肩を思い切り上下に動かすことで、首の後ろから肩、背中に広がる僧帽筋や、頸部にある胸鎖乳突筋など、首〜肩まわりの筋肉の緊張 がほぐれます。緊張すると肩が上がりやすい人におすすめのストレッチ。

鼻からゆっくり息を吸い、肩を思い切り耳に近づけて吸い切ったら息を止める。

呼吸が変われば体が変わる!「力み」を手放す魔法の呼吸法①
photo by Shoko Matsuhashi 

口から「ハーッ」と息を吐き、肩の力を一気に抜いてストンと下げ、首を長く伸ばす。(3回)

ポイント:肩先を耳に入れるつもりで肩を上げる

呼吸が変われば体が変わる!「力み」を手放す魔法の呼吸法①
photo by Shoko Matsuhashi 

肩甲骨はがし

左右の肩甲骨の間を縮めて開き、背筋にはりついた肩甲骨下部の筋肉をほぐしましょう。肩甲骨まわりが柔らかくなると胸が開きやすくなり、呼吸が深く入るようになります。

肘を曲げて体の横に。鼻からゆっくり息を吸い、肘を後ろに引きながら肩甲骨を寄せる。

呼吸が変われば体が変わる!「力み」を手放す魔法の呼吸法①
photo by Shoko Matsuhashi 

胸の前で腕をクロスし両手で肩甲骨をできるだけ掴む。口から息を吐き、肩甲骨を広げる。(3回)

ポイント:肩甲骨をできるだけ大きく動かす

呼吸が変われば体が変わる!「力み」を手放す魔法の呼吸法①
photo by Shoko Matsuhashi 

前から見ると

呼吸が変われば体が変わる!「力み」を手放す魔法の呼吸法①
photo by Shoko Matsuhashi 

教えてくれたのは...シュミッツ千栄子先生
ヨガ・呼吸法・瞑想インストラクター。シュミッツの森代表。呼吸法の第一人者として、全国のイベントやワークショップに招かれ、初心者にもわかりやすく呼吸法や瞑想を伝授。一流アスリートにも、呼吸法や瞑想の指導を行っている。

モデルを務めてくれたのは...シュミッツ恵利香さん
ヨガインストラクター、モデル。幼少期からモデル、新体操、ヨガを始める。新体操では、全日本ジュニア大会優勝を経験し、その後、ダンサーに転向。現在、双子の妹・シュミッツ茂仁香さんとのペアヨガも話題に。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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photos by Shoko Matsuhashi
hair&make-up by Kyoko Suzuki
illustrations by Misako Nanayo Suzuki
text by Minako Noguchi
yoga journal vol.71



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