感情の乗り移り?それとも思いやり? 疲れない「共感力」を身に付けるための3つのヒント
健康的な共感と不健康な共感の違いとは?
健康的な共感は、「コンパッション」(思いやり・慈悲)と表現することができます。
『コンパッションとは、他者の経験に気遣いながら、最善を願い何が一番その人に本当に役立つかを配慮することである』と禅僧であり医学人類学博士でもあるジョアン・ハリファックス氏は言います。「コンパッション」とは、常に相手の苦しみに向き合っている状態と言えます。
それに対して不健康な共感は、共感疲労といえ、感情の乗り移りのような状態です。「コンパッション」とは違い、常に自分の苦しみに向き合っている状態と言えます。
相手の話を聞きながら常に、相手の苦しみに寄り添えた上でどうにかしてあげたいとしているのか(健康的な共感)、それともその苦しみが自分に移ってそれが辛いからどうにかしてあげたいと思っているのか(不健康な共感)を感じ分ける必要があるわけです。
神経科学的には、自己認識を司る脳の部位(島皮質)が、共感という感覚も生み出していることが発見されています。ということは、まずは自分自身への理解がないと、人を思いやることは出来ないということです。
自分に対する思いやり「セルフコンパッション」を学ぼう
そこで大切になるのが自分に対する思いやり「セルフコンパッション」です。「コンパッション」は「セルフコンパッション」の上に成り立つものと考えられています。
それではこの「セルフコンパッション」を高めるためには、どのようなことに気を付けて過ごしたらよいのでしょうか?
「セルフコンパッション」を高める3つのヒント
①自分への思いやりを持とう
大切な友人や家族へするように、自分自身のことも思いやることです。
自分には失敗もあるが、上手く出来た部分にも目を向けてあげる。たまには、まるで最愛の人に送るかのような言葉を自分自身に対して手紙にして書いてあげることもおすすめします。苦しんでいる自分・もがいている自分を批判ばかりせずに自分でハグしてあげることも必要です。
②他者も「自分と同じ」であることを思い出そう
人はみんなそれぞれの人生において苦労も悲しいも喜びも経験するものであるということを認識する。「自分ばかり」という孤独な思い込みを和らげることが必要です。
他者へのストレスが生まれた時も、彼/彼女も私と同じ、誰かの大切な子供であるということを思い出してみましょう。
③「今、この瞬間に気付く」という意識を大切にしよう
今、この瞬間に自分が何を感じどう思っているのかを静かに観察し、色付けせずにありのままを理解することが大切です。自分の中で不安やストレスが発生したときに、発生したこと自体にまず気付ける自分であること。そしてその自分に思いやりと優しさを向けてみることを忘れないでください。
人の気持ちに寄り添う為にも、ぜひ自分自身を大切にする習慣を探してみて下さいね。
ライター/乃万由芙子
2011年インドへの旅をきっかけにヨガ哲学に興味を抱く。ヨガの持つ考えを知り、自身の価値観を根本から見直す機会となり、この考え方がより心地よく生きるための糸口になると確信する。ポーズだけでなく日常がより生きやすくなるための、講座や指導を日頃より行っている。webサイト:yuukonoma、Instagram:@yuukonoma
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