仕事、友人、恋人、夫婦…あらゆる人間関係をスムーズにする【共感的理解】とは?

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仕事、友人、恋人、夫婦…あらゆる人間関係をスムーズにする【共感的理解】とは?

南 舞
南 舞
2019-03-26

「自分の周りの人たちと良い関係でいたい!」というのは、誰もが思うこと。なるべくなら衝突は少なく、ストレスのない人間関係を築きたいですよね。でもどうやって?と思ったそこのあなたへ。実はちょっとしたコツがあるのです! 臨床心理士である筆者が、普段カウンセリングの中で意識しているクライエントとの関係づくりから日常に役立つ心構えをお伝えします。

大事なのは信頼関係!

もうすぐ4月。新年度が始まり、入学、入社、異動、引っ越しなどによって新しい環境に飛び込む人、特に自分の環境は変わらないけれど、新しい仲間を迎える側の人など、それぞれにいろんな状況が待っていることでしょう。どんな状況でも、関係作りにおいて大切なのは「相手からの信頼を得ること」なのです。そのためには、普段の会話の中にも気を付けると良いことがあります。それは、【共感的理解】に重点を置いて、相手の立場になって話を聞くことです。

共感的理解とは?

【共感的理解】とは、臨床心理学者であるカール・ロジャーズが提唱したカウンセリングの手法の一つです。「カウンセラーがクライエントの気持ちを自分のことのように受け止めること」を意味します。この【共感的理解】はカウンセラーとクライエントが関係を築いていく上でとても大切なことで、これができているかによって、その後のカウンセリングの可能性が大きく変化すると言っても過言ではない!それくらい大切なことなのです。主にカウンセリングの技法として使われるので「難しそう」とか「私にできるかな…」と思われがちですが、ちょっとしたコツを知っていれば、日常生活にも生かせる知識なのです!

共感的理解をコミュニケーションに生かす3つのポイント

とはいえ、ただやみくもに「うんうん」とうなずいたり、相手の気持ちをわかったフリをすればいいわけでもありません。【共感的理解】をしていくには、相手の気持ちを想像する/相手の気持ちに寄り添う/抱えている悩みや問題について理解を示すといった、相手のことを深く知りたいという気持ちをもっていることが前提になります。それを踏まえた上で、私たちが日常生活でできるのは以下のようなことです。

① 相手の話は“聴く”姿勢で!

「相手と距離を縮めたい」とか「出会ったばかりで何を話せばいいのか気まずい…」というような思いから、気づけば相手の話はそっちのけで自分のことばかり話しているなんてことありますよね。ですが、自分ばかり話していたら、相手の話を聴くこと、あるいは相手の立場や状況を想像することも難しくなってしまいます。

仲良くなるきっかけづくりとして自分からアプローチするのは素晴らしいことですが、話しすぎは禁物。少しずつ打ち解けてきたら、相手の話を聴く姿勢にシフトチェンジしていきましょう。思わず自分のことばかり話しそうになった時は、話す前に一呼吸おいて、クールダウンするのがオススメ。ヨガの呼吸法を普段から練習しておくと、相手の話に耳を傾ける余裕ができると思いますよ。

② 相手の話に対して反応を返す

相手の話を聴く際に、“うんうん”とうなづいて聞いているだけでは、「私の話を理解してもらえているのかな?」とか「私の話に興味がないのかな」と相手を不安にさせてしまう原因にもなりかねません。相づちを打つことも大切ですが、時々でいいので相手の感情(悲しかった、嬉しかったなど)を伝え返すことで、「ちゃんと聞いているよ、理解しているよ」というサインにもなります。

③ 相手の話を自分の話に置き換えない

意外とやりがちなこととして、相手の話がいつのまにか自分の話にすり替えられているということがあります。また、「どう思う?」と聞かれたので良かれと思ってアドバイスをしたら「それは違う!」と否定されてしまったという経験も誰にでもあるはず。一見アドバイスを求めているように思えても、実は心の中では「私の話を聴いてほしい」「私の考えを認めてほしい」という気持ちの方が強かったりするものです。基本的には相手の話に対して、アドバイスをしようとか、何とかしてあげようなど思わなくて大丈夫。相手の話に耳を傾けましょう。そして「自分だったら…」と返すのは控えたほうがベター。

デリケートな話や過去のつらい話など、センシティブな話題であればあるほど、「相手にどう思われるんだろう」という不安を抱えながらも、相手は勇気を振り絞って話してくれているわけです。ヨガ哲学の中に【アヒンサー(非暴力)】という教えがありますが、せっかく勇気を持って打ち明けたのに、それに対して相手の気持ちを流すような言葉を発したら、相手を傷つけることになってしまいますよね。「話してくれたんだから、解決方法を見つけなきゃ!」と背負い込むことはないです。相手が話してくれたことに対して労いの気持ちを持ち、そっと耳を傾けてあげましょう。

【共感的理解】と言葉で聞くと難しいかもしれませんが、一番大切なのは「相手に興味を持ち、相手を受け入れたいと思うこと」なのかもしれませんね。今年は【共感的理解】を意識して、スムーズなコミュニケーションを目指してみませんか?

文/南 舞
岩手県出身。多感な思春期時代に臨床心理学の存在を知り、カウンセラーになることを決意。大学と大学院にて臨床心理学を専攻し、卒業後「臨床心理士」資格を取得。学生時代に趣味で始めたヨガだったが、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングの考え方と近いものを感じ、ヨガ講師になることを決意。現在は臨床心理士としてカウンセリングをする傍ら、ヨガ講師としても活動している。

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