今日も明日もスパイスの香りと共に|アーユルヴェーダで人に寄り添う小林静香さんの思い
―――小林さんから見て、お客さんたちがアーユルヴェーダと出会って変わったなと感じることはありますか?
私がここでお出しする料理や飲み物は、ちょっと亜流ではあるんですがすべてアーユルヴェーダに基づいたものなので、知らないうちに「食養生」されているはずだと思っています。だからか、みなさんお店を後にする頃にはほっとした笑顔になっているのが印象的です。「あれ?最近なんだか調子がいいぞ」なんて思っているお客さまも多いんじゃないかな。何度か足を運んでくださっている方だと、顔色を見ただけでその日の調子がわかるので、その体調に合わせてそっとスパイスを足したりして。そうすると、みるみるうちに顔色が変わってくるので、それを見ると感動するし、なにより嬉しいですね。
―――コロナ禍により、コミュニケーションや働き方、生き方への価値観が大きく変わろうとしていますね。そんな変化の時代にあって「eatreat.CHAYA」がこれまでと変わらず大事にしたいと考えていることは?
人と人の対話です。それだけは、どんな時代になっても変わらない、大切なものだと思います。eatreat.としては、オンラインイベントも充実させていきたいですが、できるだけ対面し、直接食べていただくことで、自然と身体が癒される場でありたい。不安な顔が笑顔に変わる場所でいたいと思っています。アーユルヴェーダに興味がある人もない人も、地元のおじいちゃんやおばあちゃん、ひとり暮らしで栄養が偏っている人、疲れている人、どなたでもウエルカムです。ほっとしたいときに、ふらりと立ち寄ってもらえたらいいですね。
―――最後になりますが、小林さんにとってアーユルヴェーダとは何でしょうか?
そうですね…あることで人生が歩きやすくなる、杖のようなものですね。杖は、人が歩くのに"支え"になってはくれるけど、先導したり引っ張っていってくれるわけじゃないですよね。それと同じで、アーユルヴェーダを暮らしに取り入れることで、支えにはなってくれると思うんです。だけど、常に正しい方向を示してくれるわけではないので、間違った方向に行ってしまうこともあるのだけど、それも一つの体験だし、間違いに気づいたら方向転換すればいい。それを選択するのは、あくまでも"自分"なのです。だから、アーユルヴェーダは"杖"だなって。
誰だって昨日と同じ自分はいなくて、日々変化していくものです。まだ見ぬ未来に不安になるより、今日の幸せを感じて、あるがままの自分を受け入れることから始まるのだと思います。アーユルヴェーダは完璧な健康を目指しているように思われる方が多いですが、けっしてそうではないんです。例えるならば、海のようなもの。山と違って「ここからが入り口ですよ」という明確な入り口があるというよりは広く開かれていて、そしてどこまでも深く、すべてを受け入れてくれるような存在だとも思っています。
プロフィール:小林静香さん
アーユルヴェーダカウンセラー/「eatreat.CHAYA」オーナー。
東京生まれ。自身の体調の変化をきっかけに食養生に興味を持つ。その後、飲食店、食の企画コンサルの仕事などを経て、インド国立グジャラートアーユルヴェーダ大学提携「日本アーユルヴェーダスクール」にて、インドの伝承医学であるアーユルヴェーダを学び、アーユルヴェーダライフスタイルカウンセラー資格を取得。食生活に焦点を当てた個人のヘルスケアを行うeatreat.として2018年に独立。2019年、東京・三軒茶屋にあるコワーキングスペース「三茶WORK」に「eatreat.CHAYA」をオープン。
eatreat.CHAYA
住所:東京都世田谷区太子堂2-17-5 佐藤ビル3F 三茶WORK内
アクセス:田園都市線「三軒茶屋駅」徒歩1分
営業時間:9:00〜18:00(ランチは12:00より ※売切次第終了)
休日:土日(祝日は営業)
instagramアカウント:@eatreat._
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