「いつ始まり、いつ終わるのか」不安が多い更年期をどう過ごす?アーユルヴェーダに学ぶ

 「いつ始まり、いつ終わるのか」不安が多い更年期をどう過ごす?アーユルヴェーダに学ぶ
Getty Images
HIKARU
HIKARU
2020-05-10

ヨガ講師でアーユルヴェーダカウンセラーとしても活動するHIKARU先生に、アーユルヴェーダの知恵を借りて、日々を心地よく過ごすヒントを教えていただきます。今回のテーマは「更年期の過ごし方」について。

広告

不安定な時期だと受け入れることから始めよう

更年期の症状を調べてみると、ありとあらゆる不調が並べられています。

その不調は、個人の差がありますし、自分の中でも一定ではなく、いくつかの不調がランダムに現れたり消えたりと予想がつきません。いつが始まりでいつが終わりなのか、というハッキリとした境い目がないことも、さらなる不安の要因になることでしょう。

近年では、閉経をはさんだ前後5年〜10年を更年期と呼んでいますが、アーユルヴェーダの世界には、“更年期”という言葉はなく、年を重ねていく中で現れる一つの老化現象と考えています。それと同時に、初潮に始まり、人によっては妊娠、出産を経験し、閉経を迎えるという女性特有のリズムが関わる時期でもあります。

物事の始まりや終わりには、一定の状態になるまでにある程度の時間がかかります。初潮を迎えてから毎月の周期に落ち着くまで、そして月経を閉じる時にもある程度時間が必要です。

しかし初潮の時と比べてみると、知性は十分備わっているわけですから、この時期をどうにか有意義に過ごすために、その時々の自分自身の体調を見極めて、工夫をしていきましょう。

まずは、バタバタする不安定な時期なんだな、と受け入れることから始めてみましょう。

30代〜40代前半のような体力や気力、忍耐力はそう長く続かないかもしれませんし、一度体調を崩してしまったら、回復するまでに以前より時間がかかるかもしれません。少し寂しい気分にもなるかもしれませんが、逆に今まで走り続けて来た自分を、いよいよ労ってあげる時が来たと思って、優しくしてあげましょう。

まずは、早寝早起きを心がけてみてください。この時期、自律神経にも不調が現れやすく、寝つきが悪くなったり、浅い睡眠になる可能性もあります。夜が更けるほど感情のアップダウンは激しくなり、老化も進んでしまいます。入眠出来なくてもいいので、早めにベッドに入って、リラックスする時間を設けてみましょう。そして、夜あまり寝られなかったから、その分朝遅くまで寝ていたり、昼寝をしてしまうと、生活全体のリズムが崩れてしまいますので、まずは起きる時間を毎日同じにしましょう。起きる時間をそろえることによって、食事の時間が決まり、その先の排泄のスムーズさにもつながります。

いつもの時間に朝起きたら、そのままシャワールームへ直行してください。なんとも言えない絶望感と共に起きる朝を迎えることもあるかもしれません。なかなかやる気が出ない日も、朝シャン、朝シャワーをすることで、体が温まり、気分もスッキリして来ます。

そして一番オススメしたいのが、午前中の運動です。朝食前や、ランチ前でもOKです。太陽礼拝のようなジワっと発汗ができるヨガのポーズにより全身を大きく動かしましょう。経血の無い日には、サーランバサルヴァーンガーサナ、シールシャーサナなどの逆転のポーズも効果的です。コリや緊張がほぐれて、血行が良くなり、気分も明るくなって来ます。日中のホットフラッシュの軽減も期待できます。ポーズの練習の後に、ナーディ・ショーダナ・プラーナヤーマ(片鼻調気法)は、心を穏やかにしてくれることでしょう。

また、もし身近に相談できる女性の先輩方がいらしたら、一人で抱え込まずに、そっと体験談を聞いてみるのもいいと思います。月経の付き合い方を女性同士サポートして来たように、この孤独を感じやすい不安定な時期も経験をシェアすることで、お互いにとても温かい気持ちになれるかもしれません。

ライター/HIKARU
アンダーザライト ヨガスクール リードトレーナー、全米ヨガアライアンスE-RYT500、YACEP認定講師、シヴァナンダヨガ正式指導者。アーユルヴェーダ・ヒーリングコンサルタント(日本アーユルヴェーダスクール認定)、Ayurvedic Medicine Practitioner(米国補完医療大学発行)など各資格を取得。AyuSya(アーユシュヤ)にて、ヨガとアーユルヴェーダの叡智を統合させたセルフケアの方法を提供する。著書に「やさしいヨガ」「HIKARUの楽しいヨガ」「はじめての楽しいヨガ」「はじめてのアーユルヴェーダ」(主婦の友社) www.ayusya.jp

 

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

広告

RELATED関連記事