ヨガと瞑想が「助けが必要な学生」のメンタルヘルス危機を救う?

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ヨガと瞑想が「助けが必要な学生」のメンタルヘルス危機を救う?

大学のカウンセリングセンターは、助けが必要な学生たちの支援に日々追われている。ヨガと瞑想の新たなプログラムがその負担を軽減できるかもしれない。

アメリカ心理学会が実施した調査によると、Z世代は他のどの世代よりもストレス度が高いという。いま大学生たちは、オンライン講義や圧倒的な量のコース履修だけでなく、新型コロナウィルスのパンデミック下で将来や健康への不安に直面しながらも、”これまでどおりに”良い成績を取り、維持するプレッシャーを強いられている。そこで、ヨガの登場だ。

ヨガと瞑想が大学のメンタルヘルス危機を救う?
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イェール大学のこども研究センターとEI(感情知性)センターの共同調査において、研究者たちは「スカイ・キャンパス・ハピネス・プログラム(瞑想、呼吸法、ヨガ練習、社会的つながりを学生や教員に教える一連のクラス)」が、学生が問題を抱えがちな6つの領域(うつ、ストレス、メンタルヘルス、マインドフルネス、ポジティブ感情、社会的つながり)を改善し、一方で他のプログラム群はそれらの領域の1つにのみ有効、あるいは効果がないことを発見した。スカイ・プログラムは、現在58の異なる大学で実施され、瞑想や呼吸法、さらに大学生用に特にアレンジされたコミュニティに根差した実践を採用している。

学生たちにとっても、このプログラムは役立っている。メンタルヘルス不調の大学生の数は増加の一途をたどっている。若者向けのメンタルヘルスに関する知識推進と教育を支援する非営利団体「アクティブ・マインズ(Active Minds)」によると、大学生の39%が深刻なメンタルヘルス不調を経験している。 2017年にPsychiatric Servicesが発表した研究では、生涯にわたるメンタルヘルス診断を受けた大学生が2007年から2017年までに14%増加したことがわかった。さらにアメリカ心理学会の調査では、キャンパスでカウンセリングを受けた学生の61%が不安を感じており、49%が落ち込みの症状を訴えている。 スカイ・プログラムは、学生がそれらの問題に対処する力を培ってくれる。

スカイ・キャンパス・ハピネス・プログラムに関する調査結果

135名の大学生の協力のもと、スカイ・キャンパス・ハピネス・プログラムを含むメンタルヘルス改善のための3つの異なるプログラムの比較調査が実施された。被験者たちは8週間にわたり、メンタルヘルスに影響する6つの要因についての検査を受けた。その結果、スカイ・キャンパス・ハピネス・プログラムでは6つの要因すべてに改善がみられたのに対し、他の2つのプログラムについては「Foundations of Emotional intelligence」はマインドフルネスのみに効果があり、「コルマインドフルネス」では何も変化がみられなかった。

スカイ・キャンパス・ハピネス・プログラムの土台となるのは、スダルシャンクリヤと呼ばれる数種のヨガ式呼吸法を取り入れたスカイ・ブレスメディテーションです、とナショナル・ディレクターのアナリス・リッチモンドは説明する。リッチモンドによると、プログラムのすべてはシュリ・シュリ・ラビ・シャンカール師が考案したアートオブリビングのプログラムに基づいている。調査を実施した研究者たちは、これらの回復トレーニングプログラムは、大学キャンパスでのメンタルヘルス危機に対処する貴重なツールになり得る、と述べている。

ノースカロライナ大学シャーロット校を最近卒業したカメイラ・クリフトンは、大学3年の時に初めてこのプログラムを紹介された。行政学の修士号を取得したクリフトンは、スカイ・キャンパス・ハピネスのリトリートに初参加してからは、幸福感が増して成績が上がったと語っている。

「スカイ・ブレスメディテーションを初めて体験した後は、不思議なほど落ち着いていました」と彼女は言う。「それまで感じたことのない穏やかさでした。自分でそれを実践できる方法を学べて本当によかったです」

だがキャンパスでのメンタルヘルスサービスの必要性が高まっているにも関わらず、大学はそのニーズを満たせなくなっている。 2017年にSTATが実施した調査では、どの州でも大学生がカウンセリングを予約してから数週間待っている状態であることがわかった。スタッフ不足のために、代替プログラムを見つけざるを得なくなった大学もある。

ヨガ、瞑想、マインドフルネストレーニングは、従来のカウンセリングとは別の対処法として学生たちに利用されてきた。コーネル大学では「コーネルヘルス」がスポンサーとなり、無料のガイド付きマインドフルネス瞑想シリーズ「Let’s Meditate」を提供している。また、南カリフォルニア大学のヨガリソースガイド「Yoga USC」には、瞑想シリーズやオンラインヨガレッスンなど、学生向けのヨガ関連のアクティビティが網羅されている。

通常これらのサービスは、キャンパスのレクリエーションセンターやカウンセリングセンターで対面で提供されている。だが秋に学生たちがキャンパスに戻ってきた時に、より多くの学生がこれらのリソースを活用できるように、今後は多くのサービスがオンラインで提供される予定だ。

ワシントン大学も瞑想とヨガのクラスをオンラインに移行し、「ストレスフリーで生きるための瞑想」や「癒しのヨガ」などの人気講座をバーチャルな環境で提供している。

ワシントン大学のマインドフルネスマネージャー、ダニー・アルゲティは、対面式のクラスが今後も実施されなくても、大学は引き続きオンラインセッションを提供していく、と語っている。アルゲティは春学期中に「トリプルM」(マインドフルネス、瞑想、動作)と呼ばれる20分動いて10分瞑想する新しいクラス形式を導入した。 30分という短い時間であっても、このクラスは生徒たちのストレス軽減に役立っている、と彼は説明する。

中には70~80名もの多くの学生が参加したクラスもあり、オンラインでアクセスしやすいことも一因であると彼は見ている。

「みんなで集まって癒しを共有するのももちろん素晴らしいことですが、対極の環境にあるオンラインでは、学生たちに自分だけの安全なスペースを提供できます。これは予想外の利点でした」とアルゲティは言う。

ヨガジャーナルアメリカ版/「Can Yoga and Meditation Fix the College Mental Health Crisis?

By Ellen O’Brien
Translated by Sachiko Matsunami

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