我が子がウソをついていたら…叱ってはいけない理由と親が本当にすべきこと

 我が子がウソをついていたら…叱ってはいけない理由と親が本当にすべきこと
unsplash
石上友梨
石上友梨
2020-08-25

子どものウソが気になっているママさんはいらっしゃいますか?実は、子どものウソについて気にしている方はとても多いのです。私たちは、子供に早く自立してほしい、まっすぐな子に育ってほしいという思いから子供の嘘に敏感になってしまいます。子どもは何故ウソをつくのでしょうか?今回は子供のウソについて、ご紹介したいと思います。

広告

なぜ、子供は嘘をつくの?

子どもがウソをつく理由はそれぞれです。しかし、ほとんどのウソが悪意から来るものではなかったりします。子どもは「何か」を守るためにウソをつくことが多いです。例えば、自尊心など自分の心を守るためです。また、相手を傷つけないために、ウソをつく場合もあります。人間は誰でもウソをつくものです。しかし、大人のように上手にウソがつけません。すぐにバレるような安易なウソをついてしまったり、態度に出てしまったりします。だから、大人はすぐに気づいてしまい「事実と違うことを言った」「バレるのに嘘をついた」と反応してしまい、「自分の子が悪い子になったのではないか」、「反抗や非行の始まりなのではないか」とあれこれ考えて、ついつい感情的に怒ってしまうのです。

大人だって嘘をつく

ウソをつくのは子どもだけではありません。私たち大人もウソをつきます。例えば、社交辞令も小さなウソかもしれませんし、みなさんも相手を傷つけないための優しいウソをついたことがあると思います。大人のウソも、「あいつを騙してやろう」などという悪意ではなく、善意から来ることが多いのではないでしょうか。大人のウソは子どものウソより上手なのでバレることは少ないでしょう。そして、状況に即しているため「相手を思いやってのことだな」とウソをついた意図も想像しやすいのかもしれません。子どものウソはバレやすかったり、子どもの独自の解釈で善意と結びついている場合があるので、大人からすると「優しさ」と気づきにくいのかもしれません。また、子どもの健やかな成長を願う親心から過敏になりやすいこともあるでしょう。

嘘に気づいたら親はどうする?

子どものウソに気づいたらどうすれば良いのでしょうか?

子どもが嘘をつかないといけないということは、ありのまま伝えたら誰かの心が傷つくと思っているのかもしれません。もし、子どもが自分の心を守るためにウソをついているとしたら叱るのは逆効果です。自尊心を守るためのウソを怒ることで、子どもが一番避けたかった、自尊心が傷ついてしまいます。叱られた子どもは、「もっとバレないように嘘をつこう」「上手に嘘をつこう」とどんどんと嘘をついたりごまかしたりと悪循環に入ってしまうのです。また、細々と注意すればするほど、叱られることを避けようとして、日常生活の中で嘘をついたり、自分の気持ちや思いを話さなく心を閉ざしてしまいます。

まずは、ウソに気づいても感情的にならないこと、安易に怒らないことが大切です。そして、子どもは何を守ろうとしていたのかと考え、それに合わせた声かけをすることもポイントです。例えば、子どもが誰かの気持ちを守るために嘘をついていることが分かったら、「〇〇ちゃんを傷つけたくなかったんだね」と子どもの思いを理解し受け止め、嘘をを分かっていることを穏やかに伝えます。子どもがお話しできる準備が整うまで根気よく待ち、子どもの話を聴く際は否定しないように注意しましょう。私たちは、子どものことを100%理解することはできません。「子どもの気持ちを受け止めているよ」「理解しようとしているよ」という姿勢を示し、それが十分に相手に伝わることが大切です。

私たちは子ども行動を変えたくて叱ることが多いと思います。しかし、叱ることで、子どもが自分の思うように変化する訳ではありません。気持ちを理解し受け止めてくれる人の言うことだから、子どもは心から自分の行動を変えようと思うのです。一見、行動が変化したように見えても、親の前でだけだったり、表面的に取り繕ったり、つまり、再び嘘をつくことにつながってしまいます。

嘘をつかなくてもいい環境作り

日頃から子どもへの愛情や思いやりが伝わるように心がけましょう。テストで低い点数を取ったなど、子どもがネガティブなことを打ち明けた時に、話を否定せず、感情的に叱らず、しっかりと受け止めることが大切です。それを繰り返すことで、子どもはウソをつかなくても、「心」が守れるようになっていきます。親が自分を思いやり、気持ちを受け止めてくれていると気づくことで、自然と親に叱られるようなことをしないでおこうという気持ちが育っていきます。ネガティブなことを伝えても大丈夫という安心を育てることが、悪いことをやってしまった時に、素直に「ごめんなさい」と言えることにつながっていくのです。

ライター/石上友梨

臨床心理士/公認心理師 大学・大学院と心理学を学び、警視庁に入庁。職員のメンタルヘルス管理や、心理カウンセリング、スポーツ選手へのメンタルトレーニングなどを経験。ヨガや瞑想を本場で学ぶためインド・ネパールへ。全米ヨガアライアンス200取得。現在は認知行動療法をベースとした心理カウンセリング、セミナー講師、ライター、ヨガインストラクターなど、活動の幅を広げている。また、発達障害を支援する活動にも力を入れている。https://cbt-yoga.com

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

広告



RELATED関連記事