瞑想は「静止すること」が大切ではない!?瞑想に「動き」を取り入れてみよう

 瞑想は「静止すること」が大切ではない!?瞑想に「動き」を取り入れてみよう
Illustration © 2020 Victoria Cassinova
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瞑想に動きを取り入れる

自分に合う瞑想を探すには、肉体的な動きを加えてみるのも一つの方法だ。

私は初めてハイキングに行った日のことをよく覚えている。私は23歳で、当時の彼は私をハイキングに誘うために何ヶ月も粘っていた。私は「黒人はハイキングなんてしないの」とすげなく断っていた(良くない思い込みだった)。やがて「喘息もちだから」「虫が嫌い」「暑すぎる」などの言い訳も尽き、ついに彼の誕生日にハイキングに行くことに同意した。私たちは海沿いのパシフィック・コースト・ハイウェイを車で走り、サンタモニカ山脈で最も美しいハイキングコースの登山口に向かった。太平洋の絶景パノラマを眺めながら歩く、往復約90分のパセオミラマーというコースだった。

ハイキングがどのぐらい続いたと思う?

たったの15分だ。

体調は万全のはずだった。運動も得意な方だ。ヨガやピラティス、ウェイトリフティングを何年もやってきた。それなのに、ほんの数分歩いただけで、私はもう少しでヘリコプターでの救助要請を頼まなきゃならないような状態になった(しかも険しい道でもなかったのに!)。

どれだけトレーニングを積んでいようが、健康だと思っていようが関係ない。新しい運動の際には、それまであることさえ気づかなかった筋肉が働き始める。瞑想練習に肉体的な動きを加えても、同じことが起きる。存在も知らなかった精神的な経路が活性化するのだ。身体運動は瞑想に欠かせない効果的な要素だ。

身体運動は瞑想練習を深めてくれる。ほとんどの人が取り入れるべきだろう。にもかかわらず、瞑想法の多くは身体面を全く無視している。身体もマインドと同じように練習の重要な位置を占めることは確かだ。身体の健康状態が、精神的健康に影響を与えることは科学的に証明されている。軽く身体を動かすだけでもストレスを軽減し、気分を高め、不安を和らげ、不眠症を治し、老化プロセスを遅らせ、抗うつ薬と同じくらいうつ治療に効果があることは周知の事実だ。身体運動と座位瞑想の効能リストを見れば、両者には共通する効果が多いとわかるだろう。この2つを合わせたら、どれほどパワフルになるかを想像してみてほしい。

だが「静止すること」が評価されすぎている。宇宙で静止しているものは一つもない。私たちの体も心も、この地球も。それなのに、なぜ瞑想では完全な静止に至ることが求められるのだろう? とても不自然で、不必要に思える。

ここではっきりさせておくが、必ず動きを加えるべきだとか、瞑想がダンス練習になると言っているわけではない。動きたいと感じたら、自分に動く許可を与えて欲しいだけだ。瞑想しながら呼吸のリズムに合わせて身体をゆっくり左右に揺らしてもいいだろう。あるいは数分間完全に静止したら、数分間は身体を動かし、再び静止状態に戻ってもいい。フリーダムメディテーション(自由な瞑想)では、決まり事や制限にとらわれる必要はない。ぜひ瞑想に動きを取り入れてみて欲しい。あなたの生命が刻む自然なリズムを感じられるだろう。

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by Justin Michael Williams
translation by Sachiko Matsunami



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