免疫力の維持にも|アーユルヴェーダが重視する「消化力」を高める習慣とは

 免疫力の維持にも|アーユルヴェーダが重視する「消化力」を高める習慣とは
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HIKARU
HIKARU
2020-06-26

ヨガ講師でアーユルヴェーダカウンセラーとしても活動するHIKARU先生に、アーユルヴェーダの知恵を借りて、日々を心地よく過ごすヒントを教えていただきます。今回のテーマは「免疫力」について。

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いつでも上げておきたい免疫力。免疫力に比例して、共にアップダウンするのは体力と消化力である、とアーユルヴェーダ では考えられています。今回は、日々の暮らしや食事の取り方に少し意識を向け、今持てる力を維持し、さらには力を高められる実践方法を紹介します。

"今日の消化力"を知るために

アーユルヴェーダは、消化についての学問と言っても過言ではないくらい、健康維持のために、そして力を保つためには消化力に目を向けることが大切です。個人差もありますが、年齢によって、季節によって、その日の心身の状態によって消化力はアップダウンします。まずは、今日の消化の力がどのような状態なのかを朝一番の舌の清掃でチェックしてみましょう。銀製、銅製のタングスクレーパーと呼ばれる器具で、舌の上に溜まった舌苔をこそげ落とします。前の日にいつもより遅い時間の夕食があったり、食べ過ぎ飲み過ぎをした次の日の朝には、たくさん舌苔が取れることでしょう。そんな朝は、きっとお腹も空いていないと思われます。胃腸の調子がお疲れ気味ですから、その日の朝食は軽めにするか、お白湯を飲んでランチまで様子を見ましょう。

“前の食事が消化し切れていないうちに、次の食事を重ねることは罪である”、とまでアーユルヴェーダは間食を控えることを提唱します。食事の後にはしっかりと消化する時間を与え、そして消化機能が少し休む時間が必要です。食べる、消化する、休むというリズムがうまくできると、次の食事の前には“そろそろ食べ物を口に入れていいよ”という自然の衝動がやってきます。それが、“空腹”です。空腹は最高の調味料!まさに食べどきです。美味しく食事をいただいてください。

消化力を損なわないために

季節を見ると、これから真夏に向けて消化力がだんだんと低下していきます。消化力の低下が夏バテを引き起こすのです。今の消化力をなるべく損なわないように、そして出来れば今のうちにUPしておきたいところです。そのためには、運動がおすすめです。日常の適度な運動は体力だけでなく、消化力、そして免疫力を同時に増進することが期待できます。ただし、やり過ぎも疲労になってしまうので、その日の体力の半分程度が適量となります。額、脇、手足に発汗あり、心拍数が適度に上がり、喉が渇くことをバロメーターに。そして充足感、喜びが伴うことも大切な条件です。その日の体調に合わせて、度合いを自由に調節でき、全身運動ができるヨガのポーズの練習は最適です。太陽礼拝で全身を大きく動かし温めた後に、消化器にマッサージ効果を期待できるブジャンガーサナ、ダヌーラーサナのような後屈系、アルダマッツェーンドラーサナのようなツイスト系のポーズはおすすめです。

運動の条件にもあった“喜び”は、人生にとってとても大切な要素であるとアーユルヴェーダでは考えていて、免疫力、抵抗力を発揮するためにはポジティブな心の状態も必要です。“病気を増やしたり悪化させたりする原因の中で、最大のものは心配である”とも古典に書かれています。急な不安がやってきた時には、座り心地を整え、思い切って目を閉じて、呼吸に意識を向けてみてください。まずは体全体で呼吸を感じます。息を吸うと主に体のどこに入って来る感覚があるのか、次に息を吐く時にはどんな変化が体に感じられるのかを観察します。しばらくその観察に慣れてきたら、意識をそのまま鼻先に移します。鼻から息が入って来る時と、出て行く時の感覚の違いを捉えてみましょう。だんだんと呼吸が落ち着いて来ると、心も少しずつ穏やかになってきます。不安や心配を自分の中で大きくしないように、今ここに自分が存在していることに意識を向け、今何をするべきなのかをしっかりと見極めることもしていきたいですね。

ライター/HIKARU
アンダーザライト ヨガスクール リードトレーナー、全米ヨガアライアンスE-RYT500、YACEP認定講師、シヴァナンダヨガ正式指導者。アーユルヴェーダ・ヒーリングコンサルタント(日本アーユルヴェーダスクール認定)、Ayurvedic Medicine Practitioner(米国補完医療大学発行)など各資格を取得。AyuSya(アーユシュヤ)にて、ヨガとアーユルヴェーダの叡智を統合させたセルフケアの方法を提供する。著書に「やさしいヨガ」「HIKARUの楽しいヨガ」「はじめての楽しいヨガ」「はじめてのアーユルヴェーダ」(主婦の友社) 

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