今日からすぐできる!ストレスに効く心理的リラクセーション法とは|臨床心理士が解説

 今日からすぐできる!ストレスに効く心理的リラクセーション法とは|臨床心理士が解説
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南 舞
南 舞
2020-05-12

心理カウンセリングといえば、心理カウンセラーとともに言葉と会話を使って行われるものというイメージが強いかもしれません。しかし、対面でのカウンセリングに加えて、ストレスに対するセルフケアの方法として身体からアプローチするリラクセーションを取り入れることがあります。心理学的に効果的だと実証され、今日からすぐにでも取り入れられるリラクセーション法を臨床心理士である筆者がお伝えします。

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なぜリラクセーション法が必要なのか

職場、学校、家庭、様々なコミュニティなど、現代社会ではストレスにさらされる場面がたくさんあります。残念ながらそれらのストレスをなくすことはできません。しかし、ストレスと上手く付き合って行くことはできるって知っていますか?こうしたストレスと付き合っていくための取り組みは【ストレスマネジメント】と呼ばれ、文部科学省や厚生労働省でも推奨されています。ストレスマネジメントの中で大切だと言われていることのひとつが『ストレスの対処法を知る』こと。その中でリラクセーション法を実践することの大切さが明記されています。リラクセーション法が注目されているのは以下のような理由からです。

①    ストレス反応の軽減に対して即効性がある

②    リラックス反応を誘導し、ストレス反応の低減や心身の回復機能が向上する

③    継続して行うことでストレスへの免疫が高まる

また、言葉を通して行うカウンセリングに対して難しさを覚える方でも、身体を使うという点で少しハードルが下がるのと、リラクセーション法の中には自分で取り組みやすいメソッドが多いのも特徴。今回は【漸進的筋弛緩法】と呼ばれるメソッドをご紹介します。

漸進的筋弛緩法とは?

アメリカの精神科医であるエドモンド・ジェイコブソンが開発した技法で、身体の各部位の筋肉を数秒間緊張させた後にゆるめることを繰り返すことで体の緊張をほぐすというもの。すべてやると効果的ですが、時と場合に応じてできる部位だけ行っても良いでしょう。

基本動作

10秒間力を入れ緊張させ、15~20秒間脱力。これを各部位で行いましょう。

部位ごとの力の入れ方

1.手:両うでを伸ばし、親指を曲げて握りこぶしを作る(緊張)⇨手をゆっくり広げ、膝の上におく(脱力)

2.上腕:握りこぶしを肩に近づけ、曲った上腕全体に力を入れる(緊張)⇨うでを下ろす(脱力)

3.背中:2で曲げた上腕を外に広げ、肩甲骨を引き付ける(緊張)⇨うでを元に戻す(脱力)

4.肩:両肩を上げ、首をすぼめるように肩に力を入れる(緊張)⇨肩を下ろす(脱力)

5.首:右側に首をひねる(緊張)⇨真ん中に戻す(脱力) ※左側もやりましょう。

6.顔:口をすぼめ、顔全体を顔の中心に集める(緊張)⇨口や他のパーツを戻す(脱力)

7.腹部:腹部に手をあて、その手を押し返すように力を入れる(緊張)⇨手をはなす(脱力)

8.足の下側:つま先まで足を伸ばし、足の下側の筋肉に力を入れる(緊張)⇨戻す(脱力)

9.足の上側:足を伸ばし、爪先を上に曲げ、足の上側の筋肉に力を入れる(緊張)⇨戻す(脱力)

10.全身:1~8までの全身の筋肉に一度に力を入れる(緊張)⇨ゆっくりと力を抜く(緊張)

力を入れている時も抜いている時も、行っている部位の感覚に意識を向け続けましょう。特に力を抜いたときに、ゆるんだことで身体がポカポカと温まるのを味わうことがポイントです。日々のリラックス法として使うのももちろん、ヨガをする前に身体の感覚に意識を向ける準備としておこなっても良いでしょう。ぜひ試してみてくださいね。

ライター/南 舞

臨床心理士。岩手県出身。多感な思春期時代に臨床心理学の存在を知り、カウンセラーになることを決意。大学と大学院にて臨床心理学を専攻し、卒業後「臨床心理士」を取得。学生時代に趣味で始めたヨガだったが、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングと近いものを感じ、ヨガ講師になることを決意。現在は臨床心理士としてカウンセリングをする傍ら、ヨガ講師としても活動している。

Instagram: @maiminami831

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