「新生活が不安...」そんな時に覚えておきたい対処法とは|臨床心理士が解説

 「新生活が不安...」そんな時に覚えておきたい対処法とは|臨床心理士が解説
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南 舞
南 舞
2020-03-18

春は入学や進級、入社や転職など出会いが増える季節。新たな環境を目の前にしてやる気や希望が高まる一方で、今まで自分がやってきたこととの違い、人間関係を築くことなど戸惑いや不安がストレスとなり、気疲れする人も多いもの。今からできることを対策しておきましょう。

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新生活にストレスを感じる理由は? 

私たちには【恒常性維持機能(ホメオスタシス)】というものが備わっています。これは自分にとって最も心地よい状態のことであり、ストレスになる要因によって大きく変化するのを避け、一定に保とうとする性質があります。新しい環境、新しい人間関係、新しい場所などこれまでの自分の経験にはなかったことをしなければならないことが負担に感じるのは、恒常性維持機能によるもの。「今ストレスを感じているので元の状態に戻りましょう」というサインなのです。ストレスに長い間さらされると恒常性維持機能はバランスを崩し、さらには恒常性維持機能に作用している自律神経に影響が出始め、心身ともに負担が出始めます。 

心理面への影響 

強い不安/イライラする/集中力の低下/気持ちの落ち込み など 

身体面への影響 

身体のだるさ/疲れやすさ/頭痛/めまい/食欲不振 など 

不調を整え、新生活を乗り切っていくためには? 

変化しない部分を持つこと 

新生活で環境が変わると「すべてを一新したい」という気持ちになる人もいるかもしれませんが、プライベートでは変わらないものを持っておくと良いでしょう。例えば、以前から親しい友人や家族と連絡を取ることや、休みの日は前からお気に入りのお店に行ってみるなど、プライベートが安定していると外でのストレスにさらされても頑張れるモチベーションになります。また、「あれもこれもやってみたい」という好奇心から生活のリズムが変わると心身に影響が出ることがあるので注意しましょう。 

変化=悪いことばかりではない 

「変化することはよくないこと」と思われがちですが、そればかりではありません。新しい刺激に触れることで発見が生まれたり、変化によって起きる不安が行動の動機付けになってパフォーマンスを高めてくれる時もあります。大切なのは不安との付き合い方を知っておくこと。【今ここに意識をむけること(マインドフルネス)】を意識することが少しずつ不安と距離を取り、うまく付き合っていくヒントになるでしょう。 

環境の変化によるストレスは一時的なものがほとんど。環境への慣れとともに少しずつ解消していきますが、自分なりのストレスとの付き合い方、それによる不調の整え方を知っておくことでより自分自身を安心させることができます。もうすぐ新生活の時期。あなたにとって素敵なスタートになりますように。 

ライター/南 舞
臨床心理士。岩手県出身。多感な思春期時代に臨床心理学の存在を知り、カウンセラーになることを決意。大学と大学院にて臨床心理学を専攻し、卒業後「臨床心理士」を取得。学生時代に趣味で始めたヨガだったが、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングと近いものを感じ、ヨガ講師になることを決意。現在は臨床心理士としてカウンセリングをする傍ら、ヨガ講師としても活動している。

Instagram: @maiminami831

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