後屈のための軸が整う|多裂筋を働かせるメソッド2つと解剖学的知識
重力に対して姿勢を保持するだけでなく、けが予防にも欠かせない「軸づくり」。そのポイントとなる解剖学の知識を、理学療法士でヨガインストラクターの中村先生が教えてくれました。
背骨の伸びが後屈の軸をつくる
後屈のポーズでは、首と腰を反りすぎていたり、胸が伸展していなかったりということが起こりがちです。首と腰は脊柱が前弯している(反っている)のでもともと反りやすいのに対し、胸は後弯している(丸まっている)ので、反りにくい構造なのです。
とはいえ、後屈ポーズを安全に行うためには、反りにくい胸を開くことがポイント。胸が開けば、首と腰に過度な負担をかけずに反ることができます。下のウシュトラーサナを例に、もう少し詳しく見てみましょう。一枚目の写真は、首の後ろがつぶれてしまったポーズです。首がつらいだけでなく頸椎にもストレスをかけてしまいます。
一方、二枚目の写真は胸がしっかり伸展し、姿勢も安定しています。この違いは「背骨の伸び」にあります。後屈では、背骨を伸張させることで「軸」がつくられます。この軸が、反ったときの姿勢を安定させてくれるのです。もちろん、背骨が伸びていれば、胸も伸展しやすくなりますよね。
そこで強化しておきたいのが、背骨を伸ばす「多裂筋」。ここを鍛えて、苦手な後屈ポーズを克服しましょう!
キーマッスルは多裂筋
骨盤から頭蓋まで背骨に沿って付着している深層筋で、背骨を真っすぐ保つ働きをします。多裂筋を使って後屈すると、背骨を伸張した状態で反ることができます。
頭頂でブロックを押して多裂筋をONにする
頭頂でブロックを押すことで、背骨を伸ばす「多裂筋」を目覚めさせます。背骨を伸ばす感覚と多裂筋を使う感覚が身に付きます。
やり方
四つん這いになり、頭頂と壁の間にブロックを置く。背骨を伸ばしてブロックを押す。10秒キープ。
片手でもブロックが落ちなければ多裂筋を使えている。
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