太り過ぎやイライラの原因「エネルギーの乱れ」はなぜ起こる?

 太り過ぎやイライラの原因「エネルギーの乱れ」はなぜ起こる?
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何かと忙しい年末にかけては、体重管理が難しい時期ですね。繁忙期の不安感やイライラ、忘年会後の太り過ぎ、それはもしかしたらドーシャの乱れが原因かもしれません。ドーシャとは一体何なのか、不調を防ぐためにはどうしたらいいのかをご紹介します。教えてくれたのは、ヨガ・アーユルヴェーダの第一人者であり、世界中の人たちの健康をサポートしてきたマイラ・リューイン氏。

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バランスが崩れると不調の原因になる「ドーシャ」とは何か

世界3大医学の一つ、アーユルヴェーダでは、心身の健康において、「ドーシャ」のバランスを整えることが重要とされています。

ドーシャとは、自然界に存在する5つの元素(地・水・火・風・空)の組み合わせでできているエネルギーの象徴。ドーシャにはヴァータ・ピッタ・カパの3つがあり、心と体のさまざまな機能を表しています。この3つのバランスが取れている状態が、人間にとって健康的な状態です。

ヴァータ

空と風のエネルギー。冷たい、乾燥、軽い性質。風のように動き、好奇心が強く活発的な特徴を持つ。血液や栄養を運ぶ働きを持つ。

ピッタ

火と水のエネルギー。熱い、鋭い、突き刺すような強い性質。細胞機能に必要なエネルギーや熱を作り出し、栄養分の消化や代謝を促す。

カパ

水と地のエネルギー。冷たい、湿っぽい、安定した、面倒見が良い、愛情深い性質を持つ。骨や筋肉など体の細胞を作る。

ドーシャとマインドは密接に関係している

ドーシャは季節や体調の変化、そして自分の精神状態などに影響を受けると言われています。例えば、忙しかったりストレスを抱えていると、精神状態が崩れてしまい、ドーシャが乱れがち。すると体ではなくマインドが欲している食欲が優先され、結果食べ過ぎてしまう事も…。特に年末にかけて仕事やプライベートも忙しくなってくる時は、「もっと食べたい」という欲求が高まり、冬太りを引き起こしてしまうのです。

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Photo by Hiromi Hashimura

では、ドーシャのバランスを整えるにはどうしたら良いのでしょうか?
 

ドーシャのバランスを整える方法2つ

1.過剰になったドーシャの反対の性質を取り入れる

ドーシャのバランスを整える全ての解決法は、原因となるものを取り除くこと。そして、体と心のバランスを取り戻す助けとなる反対の性質を取り入れることです。それぞれのドーシャが過剰になった場合の取り除くべきもの、取り入れるべきものを知っておきましょう。

・ヴァータが過剰な場合
散漫で不安定な状態や、便秘を引き起こします。冷たいもの、乾燥したもの(ドライフルーツ、ナッツ、シリアルなど)をひかえ、温かく調理したものを摂取しましょう。また、十分な睡眠をとり、間食せずに1日3食をしっかり食べましょう。

・ピッタが過剰な場合
怒りやすくなったり、胸やけや炎症、軟便を引き起こします。辛みのある食べ物(にんにく、玉ねぎ、唐辛子など)をひかえましょう。過剰なピッタを冷ますには、キュウリやパクチー、コリアンダーがおすすめ。また、森の中を散歩したり、落ち着かせるヨガポーズをとるなど、静めて緩和させる行動を心がけましょう。

・カパが過剰な場合
太り過ぎたり消化力が弱まります。脂っこいものなど、体を重たく感じさせる食べ物を控えましょう。反対に、おかゆなど、消化しやすい軽めの食事を心掛けましょう。

2.深い呼吸でマインドをリセット

乱れたバランスを整えるには、自分の体の状態を観察できるようにマインドをリセットすることが大切。毎日、3分間でも自分だけの時間をつくりましょう。落ちた場所で心を静め、まわりを遮断し、ゆっくりと深い呼吸をカウントし、呼吸に意識をむけましょう。深い呼吸は、自分のマインドをコントロールでき、正しい判断が出来るようになります。
 

食べ過ぎた時は消化力を回復。おすすめ簡単レシピ2つ

どんなに気をつけていても、これからの季節は特に食べ過ぎてしまうことがあるでしょう。消化力が弱まり、不調を引き起こしたら、以下の簡単レシピで胃腸をケアして。消化力を正常に戻しましょう。

1.消化力の回復食「キッチャリー」

食べ過ぎてしまった時は、胃に優しいお粥「キッチャリー」で消化力を回復させましょう。消化に良く栄養価が高いため、体を浄化したい時や回復食として最適です。

作り方は、塩、ターメリック、ギー、お米と水を1対6〜12の割合でコトコト煮るだけ。消化力が弱まっているときは、お水の量を増やして調整しましょう。ギーはひまわり油や太白胡麻油に代替えしてもOK!

2.消化力アップ!「ジンジャーアパタイザー」

食事の15分前に生姜を食べると、消化力がアップし、体内に未消化物質が溜まるのを防いでくれます。

作り方は、生姜を薄くスライスし、レモン汁を絞り、塩、クミンを混ぜるだけ。1枚ほどをとりましょう。お好みで、みじん切りや千切りなど切り方を変えてもOK!

 

いかがでしたか?年末年始にむけて、知っておくと役立つアーユルヴェーダ流の知恵を生活に取り入れてみてくださいね。

教えてくれたのは…Myra Lewin(マイラ・リューイン)先生

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Photo by Hiromi Hashimura

アーユルヴェーダとヨガを30年以上学び実践する。何千人ものクライアントが本来の自然なバランスのとれた健康を取り戻し、依存症や摂食障害、自律神経失調症をはじめとする数々の問題を克服するのを支えてきた。Hale Pule アーユルヴェーダ& ヨガの創設者・代表として、この2つの変容の科学を学び癒しを得るための幅広い機会を提供する。その内容は、アーユルヴェーダ・ヘルス・コンサルテーションからヨガ・アーユルヴェーダ指導者養成コースにいたるまで多岐にわたる。栄養学とアーユルヴェーダの2方面からコンディションづくりをサポートする食事と、ヨガのクラスが愉しめる今最も注目のコンセプトショップ「THE_B」にて、アーユルヴェーダメニューを監修。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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Photos by Hiromi Hashimura
Text by Mai Sato



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