名医ディネッシュに聞く!アーユルヴェーダの意味と役割とは?
アーユルヴェーダが目標とするのは子孫を残すこと
伸枝:日本人にはまだまだなじみの薄いアーユルヴェーダですが、日常生活に取り入れると具体的にどんなメリットや変化がありますか?
Dr.ディネッシュ:日本ではアーユルヴェーダはシロダーラ(温めたオイルを額にたらす施術)などトリートメントのみのイメージがあるかもしれませんが、実はヨガや瞑想、食事、飲み薬、また占星術や宝石セラピーなどもその範疇です。そして、いずれもキーワードは「リラクゼーション」です。アーユルヴェーダの食事やトリートメントを行うことで体を中心に深いリラクゼーションが得られ、ヨガや瞑想を行うことで心や魂のリラクゼーションが得られます。日常生活にアーユルヴェーダを取り入れて心身をリラックスできると、予防医療の効果が発揮され、心と体をさらに健やかに整えることができます。
また、スリランカ人にとってアーユルヴェーダは人生そのものです。生まれてから死ぬまで、さらに死の先にも影響しますが、人生の中では「子孫を残す」ことを大切に考えています。アーユルヴェーダが重視する、生命活動の判断基準である「ダートゥ」は、漿(ラサ)、血液(ラクタ)、筋肉(マーンサ)、脂肪(メーダ)、骨(アスティー)、骨髄と神経(マッジャー)、生殖機能(シュクラ)という体を組織する7つの要素で構成されていますが、その最後に「生殖機能(シュクラ)」がくるのは、生殖機能を活発に働かせること、つまり、子孫の残すことがアーユルヴェーダの目標だからです。なので、結婚、出産は人生のキーポイント。結婚をしたら、なにを食べたらいいか、どのように体を整えたらいいかなど、生まれ持った体質を考えながら妊娠・出産に向けて夫婦ともにアーユルヴェーダを活用します。出産後には、子供の育て方についても、アーユルヴェーダのアドバイスを受けます。
伸枝:スリランカの人々にとって、生活に根づいた医療がアーユルヴェーダであり、人生のベースとなる考え方であることがお話をうかがいよくわかりました。次回は、ディネッシュ先生から見た日本人の特徴や、夏から秋にかけて起きやすい不調を緩和するためのアドバイスを教えていただきたいと思います。
(左)Dr.ディネッシュ
国立コロンボ大学アーユルヴェーダ・メディスン&サージェリー卒業。2009 年にジェットウィン グ・ホテルズのアーユルヴェーダドクターに着任。2016 年よりジェットウィング・アーユルヴェーダ・パビリオンズを含むジェットウィングの5つのホテルのアーユルヴェーダ部門のチーフド クターとして、アーユルヴェーダ哲学に基づくバランスの取れたライフスタイルの普及活動、国 内外からのゲストの診療、セラピストの育成活動に心血を注ぐ。
(右)鈴木伸枝さん
指導者養成の講師としても活躍し、1000人以上のインストラクターを輩出。講師育成や、全国のイベント出演、雑誌監修など、活動は多岐にわたる。鈴木伸枝パーソナルヨガスタジオ-Release Space-主宰。instagram@nobue.styleにてヨガの教えをポップな形で日々お届けする、「ヨガモジ365」を配信中。
★【3泊5日 2019年10月19日(土)~10月26日(土)開催】鈴木伸枝さんX Dr.ディネッシュの特別ツアー申込受付中。
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く