「介護予防のためのヨガでシニアに健康と笑顔を」山田いずみさんの転身ストーリー

 「介護予防のためのヨガでシニアに健康と笑顔を」山田いずみさんの転身ストーリー
Kenji Yamada
広告

――リハビリ施設を退社後、フリーのシニアヨガ講師としてどんなスタートを切りましたか?また、今までの指導経験がどのように役立っていますか?

リハビリ施設を退社した頃、シニアヨガ講師の資格を取るインストラクターは少しずつ増えていました。でも、シニアの間では、「ヨガは体が柔らかく元気な人がやる」というイメージが強く、椅子に座って誰でもできるという認識はまだ薄かったようです。リハビリ施設で経験を積んだチェアヨガを必要な人に届けたい。また、介護を必要な人が後を絶たない現状を見て介護予防は65歳からでは遅いことを痛感し、「30代からの介護予防」も提唱したい、そう思っていました。裾野を広げるには、レギュラークラスをしながらシニアヨガを広める指導者を育てようと準備を始め、分厚いテキストを一から自作するところから養成コースの立ち上げに着手しました。

私が指導する養成コースの特徴の一つは、チェアヨガの技術を教えるだけでなく、自分の介護予防について考える時間を設けていること。何をするかと言うと……。配偶者や健康など老後に失うものに捉われ悲観して生きる自分、そしてヨガの「知足」の精神で今与えられているものに感謝して生きる自分、その両方を瞑想状態で疑似的に体験。後者のマインドで年齢を重ねれば、老後の心の豊かさは変わることを感じてもらいます。このカリキュラムは、リハビリ施設で様々な不安を抱えて生きる多くのシニアを見て、不安と向き合う心の在り方を考える必要性を感じて採用しました。自分事として考え、感じる体験を積むことで、実際にシニアに接したときの共感力や寄り添い方が変わっていくと考えています。

「介護予防のためのヨガでシニアに健康と笑顔を」山田いずみさんの転身ストーリー
シニアヨガクラスでの一枚。自宅でも取り入れやすいチェアヨガが人気

現在指導しているチェアヨガのベースは、リハビリ施設で行っていたカリキュラムです。禁忌の動きや頑張りすぎてケガをするシニアの心と体の癖、緊張をほぐすコミュニケーション術、傾聴への理解、すべて施設での経験が役立っています。ポーズやアジャストの幅が広くオリジナル性の高いメソッドを提供できるのは、健常者向けヨガの指導経験がおかげ。シニアクラスで心掛けているのは、次回も足を運びたくなる雰囲気作りで、そのためにはコミュニケーションが大事。名前で呼び距離を縮めたり、体に優しく触れたりしてレッスン前に気持ちを和らげ、そうすると体の緊張も緩み安全かつ楽しく参加してもらえます。また、相手の話に耳を傾ける「傾聴」の姿勢も大事ですね。体の痛みを相談されたとき、「辛いですね。大変ですね。」と共感を伝えるとほっとした笑顔を見せてくれます。シニアヨガの講師は相手の話をよく聞くことも重要な役割だと思います。

「介護予防のためのヨガでシニアに健康と笑顔を」山田いずみさんの転身ストーリー
Photo by Kenji Yamada

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

広告

Photos by Kenji Yamada
Text by Ai Kitabayashi



RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

「介護予防のためのヨガでシニアに健康と笑顔を」山田いずみさんの転身ストーリー
「介護予防のためのヨガでシニアに健康と笑顔を」山田いずみさんの転身ストーリー
「介護予防のためのヨガでシニアに健康と笑顔を」山田いずみさんの転身ストーリー
「介護予防のためのヨガでシニアに健康と笑顔を」山田いずみさんの転身ストーリー
「介護予防のためのヨガでシニアに健康と笑顔を」山田いずみさんの転身ストーリー
「介護予防のためのヨガでシニアに健康と笑顔を」山田いずみさんの転身ストーリー
「介護予防のためのヨガでシニアに健康と笑顔を」山田いずみさんの転身ストーリー