願望は手放すことで実現する?自己実現を叶えるヨガ的行動パターンとは

ANGIE CAO

「願いを叶える」ためにするべきヨガ式5つの行動

では、決意を持続させるものは何かというと、それは単なる意志の力というよりは、成長を遂げたいと望む気持ちだ。『The Upside of Stress』の著者であるスタンフォード大学の健康心理学博士、ケリー・マクゴニガルによると、決意とは、自分の幸せは他の人の幸福と深く関わり合い、切り離すことができないと発見することによって持続するものだ。そして、そこから「自己を超えた」目標を持つようになる。ストレスを軽減する、よりよい仕事を見つける、といったありふれた目標は、一見自分のためのもののように見える。だが、深く掘り下げて考えると、そこにはもっと大きな目的がある。ストレスの軽減によってパートナーへの我慢強さが増したり、よりよい仕事を得ることが、子どもの大学費用を貯金できる、という意味にもなるのだ。志を育み、自己を超えたものとつながれば、やめたいという気持ちが起きてもそこから回復する力が強まる、とマクゴニガルは言う。「事実、決意に他者が関わっている時と、セルフイメージや自己意識に促されて目標を持つ時の脳の神経信号や活動パターンは異なっているのよ」とマクゴニガルは言う。自己という枠を超えた目標は、逃げるか闘うかという典型的なストレス反応を軽減し、守り絆を作ろうという反応を高めることによって、彼女の言うところの「勇気の相」が作り出される。ケアやつながりに特徴づけられるこれらの反応によって、体は脳内の報酬系、快楽中枢をコントロールする神経伝達物質、ドーパミンを放出する。その結果、モチベーションが高まって恐怖感は薄れ、理解力、直観、自己を制御する力が強まるのだ。

本物の志は心から直接生まれ出てくるもの

また、他を思う心のある目標を持つと、友人、家族、同僚などから、決意の実現に必要な支援をより早く引き寄せることができる。「目標に他を思いやる気持ちがあると、自分がもう既に持っている財産に気づく助けとなるのよ」。オハイオ州立大学の社会心理学博士、ジェニファー・クロッカーは、自己価値と、自尊心の向上に至るまでの努力について探究した研究の1つの中で、こう述べている。「セルフイメージから来る目標では、人は孤独になり、人間関係の中で受けられるはずのサポートから引き離されてしまうの」。


『Yoga Nidra : The Meditative Heartof Yoga』の著者である臨床心理士、リチャード・ミラー博士によると、ヨガの智慧で説かれている、他者を思う心のある目標を生み出す1つの方法は、サンカルパという形で日々その実践を続けていくことだ(Sankalpa「決意する」の意でsanは「心から生まれる」、kalpa は「時間を経て現れてくる」を意味する)。「本物の志は、心から直接出てくるものなんだ」ミラーは言う。「それは、人生に何を望み、その望みと異なっているのは何か、と問いかけるところから生まれてくる」。サンカルパは心を源に生まれるものであるから、それは自己の枠を遥かに超えたところの目標の表れに他ならない。最古のヒンドゥーの聖典、リグ・ヴェーダの中の6節からなるパワフルな讃歌、シヴァ・サンカルパ・スークタムにおいて、サンカルパは「良い行いをしたいと望む人ができる手法」と説明されている。「サンカルパは、それを実現するのに必要なものすべてを持って生まれてくる」ミラーは言う。「それは、これからどんな行動をとろうとするのかを知らせてくれるものなんだ」。


最初に瞑想を始めた時、モリスはプラクティスの効果を自分自身で感じることができた。ところが彼女は、決意のより大きな目的を見つけ出すために、自分の内側を見つめはしなかった。そうしていれば、日々の瞑想のプラクティスを長続きさせることができただろう。「2012年にもう一度同じ決意をした時、それを、言動を一致させる、という問題にしたの」モリスは言う。「the good life project というバーチャル・コミュニティでは、いろいろなものの中でも、特に瞑想に価値をおいているの。そこの指導者として社会的責任を果たすという意味で、コミュニティに属する仲間たちに、毎日瞑想をするという正式な誓いを立てたことが大きな助けとなったわ。日々の瞑想はもう3年以上続いている。つながりを感じること、コミュニティのリーダーとして、言動を一致させるということ……私は、瞑想をしなくてはいけないの」。


これから紹介する、自分自身のサンカルパを生み出す手助けとなり、確実に長続きする志へと導いてくれる「手放す、問いかける、義務を果たす、やり通す、変革への道を思い描く」という5つのパートに分かれた行動プランを実践してみよう。今回は、瞑想のプラクティスを習慣にしたいという願望を例として取り上げているが、このステップはどんな志に対しても用いることができる。

Prop styling by Leila Nichols
Hand lettering by Leigh Wells
Translated by Yuko Altwasser
yoga Journal日本版 2016/4/5月号掲載

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