願いを叶えるために今日から始めたい5つの行動

 願望は手放すことで実現する?自己実現を叶えるヨガ的行動パターンとは
ANGIE CAO
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本物の志は心から直接生まれ出てくるもの

また、他を思う心のある目標を持つと、友人、家族、同僚などから、決意の実現に必要な支援をより早く引き寄せることができる。「目標に他を思いやる気持ちがあると、自分がもう既に持っている財産に気づく助けとなるのよ」。オハイオ州立大学の社会心理学博士、ジェニファー・クロッカーは、自己価値と、自尊心の向上に至るまでの努力について探究した研究の1つの中で、こう述べている。「セルフイメージから来る目標では、人は孤独になり、人間関係の中で受けられるはずのサポートから引き離されてしまうの」
『Yoga Nidra : The Meditative Heartof Yoga』の著者である臨床心理士、リチャード・ミラー博士によると、ヨガの智慧で説かれている、他者を思う心のある目標を生み出す1つの方法は、サンカルパという形で日々その実践を続けていくことだ(Sankalpa「決意する」の意でsanは「心から生まれる」、kalpa は「時間を経て現れてくる」を意味する)。「本物の志は、心から直接出てくるものなんだ」ミラーは言う。「それは、人生に何を望み、その望みと異なっているのは何か、と問いかけるところから生まれてくる」。サンカルパは心を源に生まれるものであるから、それは自己の枠を遥かに超えたところの目標の表れに他ならない。最古のヒンドゥーの聖典、リグ・ヴェーダの中の6節からなるパワフルな讃歌、シヴァ・サンカルパ・スークタムにおいて、サンカルパは「良い行いをしたいと望む人ができる手法」と説明されている。「サンカルパは、それを実現するのに必要なものすべてを持って生まれてくる」ミラーは言う。「それは、これからどんな行動をとろうとするのかを知らせてくれるものなんだ」
最初に瞑想を始めた時、モリスはプラクティスの効果を自分自身で感じることができた。ところが彼女は、決意のより大きな目的を見つけ出すために、自分の内側を見つめはしなかった。そうしていれば、日々の瞑想のプラクティスを長続きさせることができただろう。「2012年にもう一度同じ決意をした時、それを、言動を一致させる、という問題にしたの」モリスは言う。「the good life project というバーチャル・コミュニティでは、いろいろなものの中でも、特に瞑想に価値をおいているの。そこの指導者として社会的責任を果たすという意味で、コミュニティに属する仲間たちに、毎日瞑想をするという正式な誓いを立てたことが大きな助けとなったわ。日々の瞑想はもう3年以上続いている。つながりを感じること、コミュニティのリーダーとして、言動を一致させるということ……私は、瞑想をしなくてはいけないの」
これから紹介する、自分自身のサンカルパを生み出す手助けとなり、確実に長続きする志へと導いてくれる「手放す、問いかける、義務を果たす、やり通す、変革への道を思い描く」という5つのパートに分かれた行動プランを実践してみよう。今回は、瞑想のプラクティスを習慣にしたいという願望を例として取り上げているが、このステップはどんな志に対しても用いることができる。

目的を達成するためのヨガ的思考

1.手放す(イシュワラプラニダーナ)

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(Photo by ANGIE CAO)

サンカルパを生み出す時にまず行うのは、人生の中で何を前面に押し出していきたいかをはっきりさせることだ。とは言っても、頭を過度に悩ませる必要はない。そのかわり、本物のサンカルパを見つけようとする時には、「自分の魂に尋ねなくてはいけない」。こう話すのは、『The Four Desires : Creatinga Life of Purpose, Happiness,Prosperity, and Freedom』 の著者であり、ParaYoga 創始者であるロッド・ストライカーだ。「一番大きな目的を成就するには、自分がどんな人間になり、何を達成することが大切なのだろう? この問いかけへの答えがサンカルパなんだ」。「この質問に答えるためには、まずマインドを落ち着けなくてはいけない」とミラーは言う。彼は生徒とともに、「心の奥底からの願い」と彼が呼ぶ、サンカルパへと通じる、心の奥深いところの願望を明確にしようと取り組んでいる。「生徒にはまず、宇宙全体との調和を感じるものの中に、何があるのかを感じ取ってもらうんだ」ミラーは言う。「すると、切り離された感覚から、世界全体と調和している感覚へと移行する。僕はこの状態を『より大きな自己の腕の中で休む』と言っているんだ」。ミラーによるとこれが、手放す、という瞬間なのだそうだ。「広がりとつながりのあるこの感覚から、健康、癒し、深い休息、コミュニティ、人間関係、また、どこかに属したい、見聞きされたい、愛されたい、そして、目覚め解放されたい、というような、心の最も奥深いところにある願望を感じ取ることができるんだ」彼は言う。
モリスが2012年に、2度目の瞑想のプラクティスを試みた時、彼女は自分の心からの願いは、自分自身へも含めて、より愛情深くなることだと気づいた。前回のように、彼女はそれが日々熱心に取り組めるプラクティスとなるようにと心から願った。「わたしは、神聖なものとより深い関係を持つような人になりたかったの」彼女は言う。「生活のペースを緩めて静かに座り、より深いところの声に耳を傾けるという方法は、ぜひ試してみたいと思ったわ」。

2.問いかける

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(Photo by ANGIE CAO)

サンカルパを生み出す時の第2のステップは、願いに命を与える言葉や行為を用いることも含め、願望を明確に表現された志という形へと変えることだ。自分の志をどう実現するのかを知るために、次のような問いかけをしてみるようマクゴニガルはすすめている。
▼ 人生の中でもっと経験してみたいことは何だろう? またそういう状況を呼び寄せたり、作り出したりするには何をすればいいだろう?
▼ 人生で最も重要な人間関係や役割の中で、どんな自分でありたいだろう? それは、実際にどのように見えるだろうか?
▼ 世の中のために、自分ができることは何だろう? どこから始められるだろう?
▼ 来年、自分はどのような成長を遂げていきたいだろう?
▼ 心からの願いと調和したどんな行動を取ることができるだろう?
▼ これから6カ月から18カ月の間、自分の行く道を進んでいくために、どんな出来事が起こるべきだろう?
▼ その方向へ進んでいくための第一歩は何だろう?
問いかけをする際には、言葉の選択にも注意しよう。特定の言葉や、それが自分の中でどう鳴り響くのかは、最終的な成功に大きな影響を与える。「進む方向性やペースが適切で、自分に合っていることがとても重要なのよ」。『Women Food and God』を含め、多くのベストセラーを持つ作家であり、教師であるジェニーン・ロスは言う。「それは、具体的で実現可能な目標をターゲットにすることなの」。モリスを例に挙げると、彼女が日々の瞑想を再開しようと思ったのは、友人から瞑想を「沈黙するプラクティス」と考えてみてはどうか、と提案された時だけだった。「瞑想に関しては、いろいろな考えを持っていて……マインドをコントロールして、禅の境地に達しなくてはいけない、というような」とモリスは言う。「それが自分に合うとは思えなかった。わたしには少し反抗的なところがあるから、瞑想に別の名前がつけられて、裏口から入ってくるぐらいの方が興味深く思えたのよ。静かなマインドを持つという重圧に耐えるのなんて嫌だったの。それは、プラクティスを自分用に変えてもいいと自らに許可する、親切な行為のようなものだと感じたわ」。

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Prop styling by Leila Nichols
Hand lettering by Leigh Wells
Translated by Yuko Altwasser
yoga Journal日本版 2016/4/5月号掲載



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