内臓は呼吸によってどう動くのか|理学療法士がヨギに知ってほしい体のこと

 内臓は呼吸によってどう動くのか|理学療法士がヨギに知ってほしい体のこと
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得原藍
得原藍 2019-06-17

理学療法士として活躍する得原藍さんが、ヨギに知ってほしい「体にまつわる知識」を伝える連載。今回は、「呼吸によって内臓はどう動くか」について学びます。

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呼吸と内臓の関係

リアルタイムのMRI動画で、呼吸している最中の身体の中を見たことがありますか。「respiration MRI」と検索をかけると、いくつもの動画を見ることができます。ぜひご覧ください。

動画:Real time MRI Thorax

肺や内臓を収めているわたしたちの「体幹」部分は、表面から皮膚や筋を取り除いていくと、肋骨に覆われた胸部と覆われていない腹部に分かれています。その肋骨が形づくる部分を「胸郭」と呼びます。

胸をとりまく骨格「胸郭」は、肺と心臓を守るように空間を維持しています。体幹をペットボトルのような容器に例えると、容器を半分に切り取った上半分が「胸郭」下半分が「腹腔」です。そして、上半分と下半分を、柔らかく収縮能のある筋肉である横隔膜が隔てています。胸郭と腹腔がある、という理解をすると、まるで冷蔵庫の冷凍室と冷蔵室のように、上下に分かれた別の部屋をイメージしがちですが、実はひとつの空間であり、横隔膜は柔らかい壁なのです。

呼吸は主にこの横隔膜を動かすことで、胸郭の空間を広げたり、縮めたりすることで起こる空気の流入です。ペットボトルの上下に例えれば、横隔膜によって隔たれた空間のうち、片方が広がれば片方は狭まりますね。そして、広がった方の空間の中の圧力は下がり、狭まった方の圧力は上昇します。わたしたちは、毎日繰り返す呼吸の中で、身体の中に圧力差を生み出しているわけです。流体や気体は、圧力の高いところから低いところへ移動しますから、気体や流体の動きを生命活動に使っている生き物にとって、この圧力差が生み出す身体の中のダイナミックな動きは、想像に難くないと思います。

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