内臓は呼吸によってどう動くのか|理学療法士がヨギに知ってほしい体のこと

 内臓は呼吸によってどう動くのか|理学療法士がヨギに知ってほしい体のこと
Getty Images
得原藍
得原藍 2019-06-17
広告

呼吸によって消化器系・生殖器に「動き」がうまれる

呼吸によって横隔膜が大きく動く場合と、あまり動かない場合を想像してみると、腹腔に三次元的に詰まっている消化器系・生殖器などが、それら自体の持つ蠕動運動や繊毛の動き以上に横隔膜の動きによって動かされていることがわかります。

冒頭にご紹介した動画でもわかるように、常に「動き」が生まれているわけです。内臓の動きを司るのは神経だ、ということを解剖学で学びますが、動きという時間的要素を考えると、実は呼吸という大きな横隔膜の運動による動きの方がずっと大きな刺激として内臓をコントロールしている、とも言えるのではないでしょうか。呼吸運動を正常化させ、大きな横隔膜の動きを獲得することで内臓機能の改善を図ることができるという発想は、理にかなっているように思います。科学的にその証明ができているかというと、まだ研究途上、というところのようです。

ライター/得原藍
大学時代にアメリカンフットボールの学生トレーナーをした経験から身体運動に興味を持ち、卒業後社会人経験を経て大学に再入学し理学療法士となる。総合病院と訪問リハビリテーションで臨床経験を積み、身体運動科学について学ぶために大学院に進学、バイオメカニクスの分野で修士号を取得して5年間理学療法士の養成校で専任教員を勤める。現在はSchool of Movement®️ IES Directorとして様々な運動関連職種の指導者に対してバイオメカニクスを中心とした身体運動の科学を教えている。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

広告
  • 2
  • /
  • 2



RELATED関連記事