体が硬いのはネガティブな感情に原因が?注目メソッド「ヨガキネシセラピー」とは何か
練習しているのにいつまでも体が硬いのは、「心」に原因があるからかもしれません。抱えているネガティブな感情にアプローチして筋肉に働きかけるメソッド、ヨガキネシセラピーで柔軟な体と健やかな心を目指しましょう。
ヨガキネシセラピーとは
ヨガキネシセラピーとは、西洋と東洋の医学を融合して心身のバランスを整えるアメリカ発のメソッド、キネシオロジーの理論に基づくヨガ。怒りや不安など、ネガティブな感情があると特定の筋肉が硬くなることが、キネシオロジーの研究で確かめられています」と谷戸康洋先生。なぜそうなるかには、東洋医学で生命エネルギーの通り道と言われる「経絡(けいらく)」が関わっています。「主要な経絡は、体に14本あるとされ、ネガティブな感情が起こると、そのいずれかがダメージを受けます。すると、その経絡と関係の深い筋肉が弱り、硬くなるのです」
硬くなった筋肉をアーサナで縮めて伸ばし、柔軟にすると同時に、元凶であるネガティブ感情のリセットを促すのがヨガキネシセラピー。伸ばすアーサナ中に、心の中でポジティブな言葉を唱え、効果を高めます。「悩みの感情に応じるアーサナからスタート。まずは硬い部位に応じるものから行ってみると、自覚していない感情に気づくかもしれません」。
さっそく、チェックしてみましょう。
寂しさ・恐れを感じると...大腰筋、前脛骨筋・腓骨筋が硬くなる
寂しさや恐れを感じると、腰から脚の付け根までを走る大腰筋、すねまわりの前脛骨筋・腓骨筋が硬くなります。どちらも足を動かすために必要な筋肉で、柔軟になることで「一歩前に踏み出そう」という思いをサポートします。
アーサナの前後に筋肉の柔軟性をチェックしよう
大腰筋
膝立ちで右足を一歩前に。左脚をどこまで後ろに伸ばせるかでチェック。反対側も。
前脛骨筋・腓骨筋
正座で両手を後ろにつき、背骨を伸ばす。どこまで膝が上がるかでチェック。
ナーヴァーサナで大腰筋を縮める
股関節を引き込むポーズで、大腰筋を縮めて刺激。お腹と太腿を、しっかり近づけて。
HOW TO
座って膝を軽く曲げ、背中が丸まらないように骨盤を立てる。両腕を体の前で床と平行に伸ばす。硬い人は、まずこの姿勢を練習。坐骨を支点にバランスをとり、ゆっくりと膝を伸ばして5呼吸。
パシャーサナで前脛骨筋・腓骨筋を縮める
すね回りの筋肉を、強力に収縮するポーズ。重心を前にかけることでより効果が高まります。
HOW TO
両膝を曲げてしゃがむ。上半身を左にねじり、右肘を左膝にかける。胸の前で合掌し、5呼吸。反対側も。
体が硬い人は
かかとを下ろせない場合は、かかとの下にタオルや、マットの後ろ側を丸めて入れてもOK。
アンジャネーヤーサナのアレンジで大腰筋を伸ばす
前の足を膝の真下にセットすることで後ろ脚の鼠蹊部がスムーズに開き、大腰筋が伸びます。
HOW TO
膝立ちから左足を一歩前に出し、右脚を後ろに伸ばして床に膝をつく。右腕を天井方向へ上げ、左手は左膝の上に。
上半身を左に傾け、左手を床につける。ブロックを手の下に置いてもOK。心の中で「私はいつも支えられています」と唱えて10秒。反対側も。
プールヴォッターナーサナで前脛骨筋・腓骨筋を伸ばす
足裏をしっかり床につけて、すねを伸ばします。キツい人は膝を直角に曲げて。
HOW TO
長座になる。お尻から30cmほど後ろに両手をつき、指先を体に向ける。足裏で床を押し、お尻を上げて心の中で「私は、私を幸せに導いています」と唱えながら5呼吸。
教えてくれたのは…谷戸康洋先生
器械体操で国体出場。2012年、studiofika設立。ロサンゼルス在住のDr.Hommaが提唱するHSKキネシオロジーをベースに、ヨガキネシセラピーを考案。本誌連載「漫画で読むヨガ哲学」で監修を務める。
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