ヨガ中、呼吸が苦しくなったら? 呼吸にまつわる素朴な疑問【取材こぼれ話】
『ヨガジャーナル日本版』65号の特集は、"ヨガの原点に返る"。「柔軟性&ポーズUP!『深い呼吸』のコツ」ページにご登場いただいた柳本和也先生への取材内容を特別大公開!本誌に掲載できなかった貴重なこぼれネタ、目からウロコのヨガ知識も盛りだくさん!本誌の内容とあわせてチェックすると、理解が深まります。ぜひ手に取って、合わせて読んでみてくださいね。
柳本和也先生に聞く!深い呼吸のコツ
「ヨガ中の呼吸が難しい」という声をよく聞きます。『ヨガジャーナル日本版』vol.65で、「柔軟性&ポーズ力UP! 深い呼吸のコツ」を教えてくれたヨガ講師の柳本和也先生に、皆さんの呼吸にまつわる素朴な疑問を聞いてみました!
Q1:呼吸がポーズに合わずに苦しくなります。“呼吸にポーズを合わせる”のか、“ポーズに呼吸を合わせる”のか、どちらが正しいのでしょうか?
A:“呼吸にポーズを合わせ”ましょう。口で言うのは簡単ですが、どうしても「このポーズに入るときは息を吸う/吐く」と、ポーズが優先になってしまいますよね。また、ポーズの難易度が上がると呼吸が止まってしまうことも。たとえばバックベンド。呼吸が止まってしまうのは反りすぎなんですよ。だから、呼吸ができるところまで戻る勇気を持ちましょう。ヨガの目的は、すべてのポーズが「呼吸が深くできること」です。だから、呼吸ができる範囲でポーズをどんどん軽減させていいですよ。
Q2:レッスン中、呼吸が苦しくなるときはどうしたらいいですか?
A:ぜひ、休んでください(笑)。チャイルドポーズがおすすめです。それで、呼吸のバランスを整えてから、無理がないようならレッスンに戻る。ヨガをしながら皆さんにぜひしてほしいのが「内観」です。今、自分はどうなのか? 20人クラスに出ていたら、20人違っていいんだ、ということをぜひわかってほしい。で、苦しくて呼吸ができないくらいなら、自信をもって休みましょう。「みんなと同じにせんとあかん」と思っている人は、オーバーワークになっているのだと思います。
Q3:ポーズ中、うまく息を吐き切れません。息を吐いていると苦しくなります……。
A:呼気と吸気のバランスが悪くなっているのかもしれません。どちらかがアンバランスだと呼吸のリズムが崩れてきます。そのバランスの取り方ですが、もし、自分が吸うほうが得意だと気づけたら、まずは吸うことを大事にやってみる。人は「吸う」「吐く」の両方できていないと死んでしまうので(笑)、「吸う」を意識すると、自然と苦手な「吐く」ほうもできてくるはずですよ。
Q4:ヨガ中、苦しくても息を止めない方法を教えてください。
A:A1でも言いましたが、ヨガは本来呼吸にポーズを合わせるもの。だから息が止まるまでやらなくていいんです。対処法としては、先ほどもいいましたが、思い切ってポーズを軽減する。
だけど僕もそうやけど、頑張ると人って呼吸が止まりがちなんです。しょうがない。だから「呼吸が止まるのはOK」とは言えないけど、「呼吸を止めるまで頑張ることは悪じゃないよ」ってことは、あえて言いたい。苦しくなるまでポーズをとった後、ゆるめたときにブーンッと血液や呼吸が全身を巡るでしょう? その感覚を味わうことも大事。そして、これはさらに大事なことですが「呼吸を止めること=悪いこと」と思ってしまうとできない自分を責めてしまうから、それはヨガの本質とは違います。無理は禁物だし、常に内観しながら自分を見極めてヨガをしてほしいんですが、一方で「今、息が止まるくらい頑張ってる私、えらい!」って自分を肯定してあげる。一点集中してこそわかる境地が絶対ある、と僕は思っています。
★取材こぼれ話、いかがでしたか?『ヨガジャーナル日本版』vol.65「ヨガの原点に返る」も合わせてチェックしてみてください。
教えてくれたのは...柳本和也先生
日本のアシュタンガヨガ第一人者ケン・ハラクマ先生に師事。その後、ヨガ指導やイベントなどで活躍中。「アサナマンダラ」がもっと深く学べるティーチャートレーニングコースも開催している。
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。
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