女性が海で心身を浄化する日「はまおり」とは?【石垣島ヨガ便り♯6】
自由が丘、たまプラーザ、そして石垣島で展開する人気スタジオ「クシャナヨガ」。主宰の長島千比呂先生が過ごす、石垣島でのヨガのある暮らしとは? 憧れの島暮らしの様子を連載形式でお届けします。今回は、沖縄に伝わる行事「はまおり(浜下り)」について。
女性にちなんだ沖縄の行事「はまおり」とは?
日本全国で3月3日と言うと、ひな祭り、女の子の節句です。ここ沖縄でも、旧暦の3月3日は女性にちなんだ行事があります。それは、「はまおり(浜下り)」と言って海に浸かり身を清めるというものです。石垣島の行事はほとんどが、今でもこの旧暦で動いています。新暦でいうと、今年は4月7日でした。
この浜下りには、こんな言い伝えがあります。昔、ある少女の家に突然男が現れ、両親の反対にも関わらず、その男と密会するようになりました。その後、子を身ごもりました。しかし、その男の正体はアカマタ(大蛇)だったのでした。それを知った娘は海に飛び込み、アカマタの子を流し穢れを清めたそうです。それが、旧暦3月3日のこと。それからというもの、その日に海に身体を浸けることで清められるとされています。
言い伝えから、特に女性の穢れを海が浄化してくれると信じられています。地元の人の中には、「何か思い当たる節がある女子は、海に行った方がいい」という人もいますが、特段の理由がなくともこの日は多くの島人が海へ行きます。この季節の石垣島は、春というよりももう初夏。夏の始まりを海で感じる、年中行事の一つになっています。なんとも恐ろしい話ですが、冬の滞りを海で洗い流すという、先人たちからの浄化のメッセージだったのかもしれません。
ヨガにおいても、浄化は大事なこと。アーサナばかりにフォーカスが当てられやすいハタヨガですが、身体的鍛錬として浄化は最も重要なメソッドの一つとされています。ハタヨガの経典「ハタヨガプラディーピカー」でも浄化法について詳しく記されており、その中でシャットクリヤという6つの代表的な浄化法について説明されています。浄化とはもちろん心身を清めることです。私たちの中には想像以上に老廃物、不純物が滞っていることが多く、なかなか古いものを手放すのは難しいことです。それを助けてくれるのが浄化法です。初夏のビーチで日差しを浴びて汗をかいたら、少しひんやりとする海へ足を浸ける。身体の中の循環がより巡る、まさに南の島のクリヤ法です。
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