SNSを止めたいけど、依存してしまう…|心に効く“ヨガ哲学の処方箋”

 SNSを止めたいけど、依存してしまう…|心に効く“ヨガ哲学の処方箋”
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谷戸 康洋
谷戸 康洋
2019-03-25

ヨガジャーナル本誌で『漫画で読むヨガ哲学』を監修している谷戸康洋先生が、悩めるヨギに向けて送る“ヨガ哲学の処方箋”。連載形式で、ヨガ哲学の学びから考える、こころのメンテナンス法を学びます。今回は「SNSに依存してしまう…...」という悩みに向き合います。

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SNSによって失っているものはありませんか?

SNSで遠くの人や、会えていない友人と繋がれたり、SNSからの繋がりで、友達が増えたりと、とても便利なツールです。しかし、便利すぎるゆえに、依存してしまったり、気づかないうちにストレスになっていることも多いようです。便利なSNSですが、一歩間違えると鬱になるリスクが上がるとも言われています。

見ている側では、劣等感を感じてしまったり、幸せそうな友達や成功している友達に嫉妬してしまったり、楽しそうな場所に誘われていないことに悲しくなってしまったりと、SNSの利用で心の健康を失ってしまうことにも繋がるようです。

投稿する側でも、いいね!が増えないことや、コメントがなかったりすることに落ち込んでしまったり、毎日幸せ・楽しいとアピールすることに必死になってしまったり、楽しく便利なはずのもので苦しくなってしまいます。

今、目の前に楽しい時間があっても、SNS中心の生活に知らないうちに傾いてしまうと、あたたかいうちが美味しいご飯もSNSに載せるために撮っているうちに冷めてしまい「美味しい!」という感動を逃したり、目の前に楽しいことがあっても、SNSに載せるために肉眼で見て楽しまず、動画を撮ることに必死になってしまい、実際の空気感を味わえていなかったり、SNSへの投稿や評価が現実となってしまいます。

外の世界に「自分を満たすものを求め続ける」ことから自由になるには?

ヨガでは満足の本質が自分自身の本質と伝えられています。外の世界に幸せ、満足を求めていた考えが、ヨガでアーサナに集中しているとき、シャヴァーサナでくつろいでいるときに、考えが自分に向き、落ち着いたときに、なんともいえない至福の時間を味わったことがあるのではないでしょうか?

自分の本質こそがアーナンダ(歓喜)です。満たされている至福の存在です。幸せ・不幸せという二元性からも自由なものがアーナンダです。外の世界に自分を満たすものを求め続けることから、自由になることがヨガの真髄です。もし、少しでも時間があると、SNSを見てしまうことが癖になってしまったり、友達といる時間にSNSばかりやってしまっていたら、今友達と過ごしている時間を楽しみましょう。

友達と繋がれるSNSですが、現実に今、友達が横にいるのに、友達と接することなく、SNSのいいね!をもらうためにや、幸せということを見てもらうためにSNSを利用していたら本末転倒です。以前インドにいったときに、インド人が、「なんで私たちが持っていない物をたくさん持っているのに幸せを感じないのですか?物質的豊かさはなくても私たちは幸せで満たされています」「お金もあり、選べる自由もたくさんあるのに、なんで不自由を感じているのですか?」などの話を聞いて考えさせられた記憶があります。

今、この現実の瞬間に体感していることに意識を向ける、アーサナの実践、ヨガの考え方の実践や瞑想を取り入れて、自分の考え方を客観的に扱う練習をしましょう。ヨガや瞑想をしている自分アピールになってしまわないように(笑)。

教えてくれたのは…谷戸康洋先生
器械体操でインターハイ、国体に出場した経験を持つ。2006年、whitebirch yoga groupを設立し、2012年に自身のスタジオ「fika」を山梨県にオープン。全国のイベントやワークショップでも指導を行う。ヨガジャーナル日本版連載「漫画で読むヨガ哲学」を監修。

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