芥川舞子さんが語る「ヨガにおける『腹筋』の使い方とは?」【取材こぼれ話】
好評発売中『ヨガジャーナル日本版』の特集は、“ポーズの充実度を高める「ヨガ腹筋」の使い方”。「ヨガに必要な筋肉を育てる15の基本ポーズ」ページにご登場いただいた芥川舞子先生への取材内容を特別大公開!こんな風に伝えたいことを整理しながらページを構成しているんです。掲載できなかった貴重なこぼれネタ、目からウロコのヨガ知識も盛りだくさん!本誌の内容とあわせてチェックすると、理解が深まります。ぜひ手に取って、合わせて読んでみてくださいね。
「ヨガで腹筋を使うこと」の意味
――芥川さんにとって「ヨガで腹筋を使う」とは、どういうことでしょうか?
芥川舞子さん(以下、A):私の考えでは「ヨガでお腹の筋肉を使う」とは、やっぱり『バンダ』だと思うんですよ。バンダっていうのは、「封印する」とか「締める」とかいう意味があるんですけど、じゃあ何を?といったときに、プラーナ=生命エネルギーを体の中に貯蓄するためのフタみたいなものなんですね。それが、体の中心に沿ってのどとお腹と骨盤の基底部の3か所に存在しているんですね。あらゆるポーズって、このバンダを強くするために練習していると言われています。実際にバンダっていう議論をしていなくても、自覚をしていなくても、実はポーズをとっているだけで、バンダはどんどん生まれているんですよ。練習を積み重ねていくなかで、「これがバンダなのかな」っていうのが分かるようになっていくというのが、本来のポーズの目的なんです。
バンダが強くなっていくことによって、プラーナがしっかり貯蓄されていくのですが、どういう結果が表れるかというと、「呼吸がしやすいな」という体感覚としての結果が表れます。つまりバンダっていうのは、ヨガ的には、ただ腹筋が使えてポーズが取れますということではなくて、必ず呼吸に関与するものなんです。お腹が引きあがっていればいいということでなく、お腹が引きあがって背骨が伸びて、快適な状態であるから呼吸がしやすくなってきますよ、ということなんですね。だからバンダができているかできていないかの判断基準は、体の使い方とか、ポーズの完成度ではなくて、「呼吸がしやすいか」ってことなんです。ここが、本来のヨガなんです。
だけど、いろいろな事情があって、いまのヨガってそこが切り離されちゃっているんです。だから呼吸は呼吸だけでやったり、ポーズはポーズだけでやったりっていうやり方が流行っているので、だからバンダが間違えた使い方をされているというか「バンダを締めればいろんなポーズができるようになる」と誤解されている。
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