機嫌よく生きるための呼吸法|瞑想の準備段階として大切な【集中を繰り返す】ための練習

 機嫌よく生きるための呼吸法|瞑想の準備段階として大切な【集中を繰り返す】ための練習
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仁平美香
仁平美香
2024-12-11

瞑想やマインドフルネスというと難しそうとか、自分とは遠いものと思っている方もまだまだいらっしゃるかもしれません。 身近なところで言えば、機嫌よく生きる、感情にふりまわされない、仕事の効率アップなど瞑想によってもたらされる影響はたくさんあります。運動が身体と心に良いように、瞑想も同じく心身の健やかさにつながるものです。 今日はどなたでもできる呼吸を使った練習法を紹介していきます。難しく考えずに、毎日ほんの数呼吸からでよいので、よりよく生きるヒントになればと思います。

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ヨガやウォーキングなどでカラダを動かしたり、硬くなった箇所をストレッチなどでゆるめることが身体によい事は、誰しも認識していることだと思います。

瞑想やマインドフルネスは、いわばこころの運動やストレッチのようなもの。毎日行っていくことで、少しずつ上達していきます。カラダとこころは繋がっていて、もちろんカラダを動かすだけでもこころによい影響がありますが、感情のコントロールなどは身体を動かすだけでは、なかなか難しいこともあります。 

今日は自分と向き合っていく瞑想の準備段階として大切な、【集中を繰り返す】について呼吸法を通して練習をしていきましょう。 

怒り、悲しみなどがあり、ずっとそのときの感情が頭に浮かんでしまうなど、悩みがあるときだけでなく、なんとなくイライラしやすい、落ち着かない、集中できないと感じるひとにもおすすめです。 

まずは呼吸を使って高ぶった気持ちをリラックスするところからはじめましょう

1,マットに安楽座の姿勢で座ります。お腹の前側や背面側に余分な力をいれないために、おなかを突き出したり、つぶさないようにおなかを薄くする感覚で(おなかをへこますというよりも、おなかを上にやさしくひきあげる感覚で力まず)楽に座ります。坐骨はマットに向けて立てましょう。おしりをかるく左右にゆすると坐骨を意識しやすくなります。 

2,百会(鼻の真ん中と耳の付け根から頭頂方向に上っていった交点)が天井方向に糸で吊り上げられているようなイメージを持ちます。 

※安楽座でやわらかい背骨のS字カーブを保つのが難しい方は、 椅子に座ってクッションをおしりの後ろ側にひいたり、仰向けで膝を立てて寝た状態行いましょう。 

3,意図せずに自然に気持ちよく吸えるペースで吸います。このときにお腹は膨らみます。肩があがらないようにしましょう。次に吸う息ペースの2倍くらいの時間をかけてゆっくり吐きます。この時にお腹がへこんでいきます。

例:3秒くらいで吸ったとしたら、6秒くらいかけて吐く。*正確には測らなくてOK。だいたい2倍くらいという感覚で。5呼吸ほど繰り返します。 

息をとめるプロセスを加えて更に呼吸に意識を向ける

※血圧が高い、呼吸を止めることに不安がある方は、息を止めるプロセスは省いてかまいません。吸ったら、2倍かけて吐く、を繰り返しましょう。 

1,息を気持ちよく吸います。 

2,吸う息と同じ時間だけ息を止めます。 

3,最後に2倍くらいの時間をかけてゆっくり吐きます。例:3秒くらいで吸ったとしたら、3秒くらい息を止めて、6秒くらいかけて吐く。5呼吸ほど繰り返します。 

お腹の動きに意識を向け続ける練習 【観察と集中】 

次に、呼吸に合わせてお腹が風船のように膨らんだり、しぼんだりを繰り返していることに意識を向けてみましょう。お腹がしなやかになってくると、吸う息でお腹が前だけでなく、横方向や背面側にも広がる感覚が得られていきます。感覚がつかめない時も横や後ろにも広がる意識を向けて吸いましょう。吐くときはおなかが風船が小さくなるように戻っていき、薄くなっていきます。このときは呼吸のペースはなるべくゆっくり吸って吐くのみで、意識のフォーカスをおなかの動きを中心に身体に向けます。 

集中がそれて、他のことが思い浮かんでも全く問題ありません。そのたびにお腹の風船に意識を戻すということ自体が、集中のための練習になるので、気がそれたなと感じたら『自分は集中力がない』などとジャッジせずに、【ただただ淡々と意識をおなかの動きに向ける】を繰り返していきます。

感情とうまくつきあうことで重要なのは、悩まないとか怒らないことではなく、もしそういった感情がわきあがってきても、すぐに気づいて気持ちを切り替えられることです。とはいえそれには練習が必要です。自分を観察したり、集中したりする練習を毎日やっていくことは、忙しい日々や環境の変化の中で、自分のこころとうまくつきあい、機嫌よく生きていくために欠かせないことだと私自身実感しています。 

練習の長さもまずはゆっくり5呼吸くらいからはじめて、慣れてきたら3分、5分、10分と伸ばしていきますが、これも焦らずに少しずつ。「何分やる!」と決めるよりも気持ちよくできるペースで毎日少しずつ習慣化していく方が続きやすいです。

練習がうまくいかないときは

呼吸法をしていて『うまくできない』『集中できてない気がする』などイライラが増すようなら、そのときにはまだ練習時間が長すぎる可能性があります。また時間をあけたり、翌日気持ちよくできる範囲で行ってみましょう。 

観察すること、集中することにまだ慣れていないだけでなく、長く座っていられるだけの身体の柔軟性が足りない可能性もあるので、床でなく椅子に座り変えたり、立ったり体勢を変えてみるのもおすすめ。身体に痛みがある方はベッドに寝転んでおこなっても構いません。 

何か目的を持って瞑想する場合は、座って坐骨を立て脊柱をやわらかいS字カーブを保つ姿勢で行うのをおすすめしますが、それは、並行してヨガのポーズやストレッチなどを行って、楽に座れるようになってから実践していけばよいので、うまく座れないときはそのときの自分の身体の声を聞いて姿勢や練習時間を調整してみしょう。 

まずは時間を決めずに気持ちよくできる範囲でよいので、とにかくできるだけ毎日やってみましょう。なんだかやる気の出ないときはほんの数呼吸からでOK。それなら数十秒でできます。

呼吸を丁寧に行うことは、こころだけでなくもちろん身体にもよいので、焦らずに一緒に実践していきましょう。

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仁平美香

仁平美香

WAY-TOKYOヨガ&ボディケアサロン主宰 パーソナルヨガおよびグループレッスンの他、オイルマッサージ、指圧整体等を様々な年代のクライアントに提供。ヨガ講師(WomensAwarenessYoga、月経血コントロールヨガ、産後、マタニティヨガ等、講師養成スクールにて講師育成を行うほか、イベントやレギュラークラスで指導中)、栄養士。女性のためのヨガ協会代表。「カラダをゆるめてこころを整えるはじめての月経血コントロールヨガ」「医師もすすめる血管美人ヨガ」等8冊の著書がある。雑誌・WEB等コラム連載&監修多数。



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