食後血糖値の上昇を抑えるならべジファーストより「めかぶファースト」!管理栄養士が勧めたい理由
健康に気を使う方なら誰しもベジファーストという言葉を聞いたことはあるのではないでしょうか。食事の初めに野菜から食べると食後血糖値の上昇を抑えられるというものです。この記事では野菜より食後高血糖を抑える効果が高く、手軽に取り入れられるめかぶファーストについて管理栄養士が解説します。
めかぶが食後高血糖を抑える仕組みとは?
めかぶには水溶性の食物繊維が豊富に含まれます。水溶性の食物繊維は糖質の吸収を抑え、余分な糖質は便として排出する働きがあります。
①白米のみ食べた群、②生キャベツ40gを食べた後に白米を食べた群、③めかぶ40gを食べたあと白米を食べた群の食後血糖値の変動を見ると、③のめかぶを先に食べた群が最も食後血糖値の上昇を抑える効果があることがわかりました。
食後高血糖はなぜ避けた方がいいの?
食事をすると血糖値が上がりますが、インスリンというホルモンが分泌されると食後2時間以内に正常値に戻ります。インスリンは血液中のブドウ糖を細胞に取り込むことで血糖値を下げますが、余ったブドウ糖を中性脂肪として蓄える働きも持ち、体脂肪が増える原因となります。また血糖値が高い状態が続くと糖尿病を始めとする生活習慣病のリスクが高くなります。
めかぶファーストを推す3つの理由
①少量で効果が高い
一般的な市販のめかぶは、1食当たり40g入っています。野菜でめかぶと同じだけの効果を得ようと思うと、40g以上食べる必要があります。生野菜は水分を多く含みかさがあるので、毎日効果的な量を食べるのも楽ではありません。めかぶは粘りがあってのど越しも良いので、食べやすさにおいても優秀な食材です。
②調理の手間がいらない
市販のめかぶは1食分ずつ味付けされたものがカップに入っています。野菜だと切ったり洗ったり下処理に手間がかかりますし、マヨネーズやドレッシングなど高カロリーな調味料を組み合わせて食べる時は、調味料の量に気を付けないとせっかくのべジファースト効果も台無しになります。めかぶは味付けされたものを常備しておけばすぐに食べられるので、調理に時間をかけたくない方でも手軽に取り入れられます。
③ミネラルも補給できる
めかぶはミネラルも豊富に含まれています。カリウム、カルシウム、マグネシウム、リンなど人間の生体機能を維持するために欠かせないミネラルが豊富に含まれています。特に注目したい栄養素は葉酸で、妊娠を考えている女性には欠かせない栄養素です。必要量を食事だけで満たすのは難しいと言われていますが、身近な食材から少しずつ補えるのは嬉しいですね。
めかぶと似ているもずくでも効果はあるの?
もずくは一般的に三杯酢と合わせて食べられますが、お酢にも食後高血糖を抑える働きがあるので、もずく酢として食べればめかぶ同様の効果があると考えられます。もずくも同じ海藻の仲間ですが、めかぶと比べるとミネラル量は劣ります。しかしもずくは食物繊維の一種であるフコイダンという成分が豊富に含まれ、腸内環境を整えたり、免疫機能を向上させる働きがあります。好みに合わせて使い分けても良いですね。
まとめ
野菜よりも食後高血糖を抑える効果が高いめかぶについて解説しました。高カロリーな食事が続くときや、手軽に健康的な習慣をつけたい方は是非取り入れてみてください。
〈参考文献〉
めかぶファースト®|カネリョウ海藻株式会社 (kaneryo.co.jp)
AUTHOR
田中ひろか
管理栄養士。 保育園栄養士、ダイエットインストラクターとして食事指導とレシピ提供の経験を経て渡豪。 バイロンベイでのヨガリトリート中ベジタリアンの食生活を経験したことから、幅広い野菜の食べ方を知る。 食を楽しみながら健康的なライフスタイルを築くため、’’野菜をおいしく手軽に食べる方法’’を研究中。 現在はメルボルンに在住し、オンラインの食事指導とカフェのヴィーガン、ベジタリアンメニューの提案に携る。
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