健康に良い食材「めかぶ」たくさん食べてもOK?気になる【食べすぎのリスク】とは?管理栄養士が解説
健康的なイメージのある「めかぶ」。「たくさん食べれば食べるほど、体によいのでは?」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、「めかぶをたくさん食べるのは健康や美容によいのか?よくないのか?」という疑問について、管理栄養士が解説します。
めかぶが健康によいといわれる理由
そもそも、めかぶが「健康や美容によい」「ダイエットに向いている」といわれるのは、いったいなぜなのでしょうか?その秘密は、めかぶに含まれる栄養素にあります。
めかぶの栄養価を見てみると、100gあたりのカロリーは14kcal、1パック(約50g)あたりのカロリーは7kcalと、比較的低カロリーであることがわかります。
また、めかぶにはぬめりの成分でもある「フコイダン」をはじめ、食物繊維が豊富です。食物繊維は腸内環境を整えたり、食後血糖値の上昇を緩やかにしたり、コレステロールの吸収を抑えたりと、さまざまなはたらきが知られています。
そのほかにも、めかぶからは丈夫な骨づくりのサポートをするカルシウムやマグネシウムなどのミネラルも摂ることができます。β-カロテンやビタミンKといったビタミンも豊富です。
このように、めかぶは低カロリーであり、食物繊維やミネラルなどを多く含んでいます。そのため、めかぶを食事に取り入れることは、生活習慣病の予防やダイエットに役立つといえるでしょう。
めかぶの食べすぎで起こりうるリスクとは?
通常の食べ方であれば、めかぶの食べすぎを心配しすぎる必要はありません。しかし、健康や美容を気にするあまり、めかぶばかりを極端に食べ続けることは避けましょう。
たとえば、めかぶの食べすぎは、栄養バランスの乱れにつながる可能性があります。めかぶばかりを大量に食べると、それだけでお腹がいっぱいになってしまい、ほかの食品から摂れるはずの栄養素を補いにくくなるためです。めかぶだけに限りませんが、特定の食品だけを食べる極端な食事制限は控えましょう。
また、めかぶを食べすぎると、ヨウ素を摂りすぎてしまうおそれもあります。ヨウ素とは、甲状腺ホルモンの材料となるミネラルです。ヨウ素を摂りすぎると甲状腺ホルモンが正常に作られなくなり、甲状腺の機能が低下したり、甲状腺が腫れて甲状腺腫になったりすることがあります。
一時的に摂りすぎた程度であれば、余分なヨウ素は尿として排泄されるため、過剰症の心配はないでしょう。しかし、長期間にわたって、たくさんのヨウ素を摂り続けた場合、甲状腺の機能が低下することも考えられます。
さらに、市販の味付けされためかぶの食べすぎにも注意が必要です。商品にもよりますが、食塩が多く使われているものもあるため、食べすぎは食塩の摂りすぎにつながるおそれがあります。
めかぶは1日1パックを目安にしよう
ヨウ素や食塩の摂りすぎや、栄養素のかたよりを防ぐためにも、めかぶは1日1パックほどを目安にするのがおすすめです。
めかぶは食べれば食べるほど健康によい、というわけではありません。しかし、上手に食事に取り入れれば、ダイエットや健康のサポートをしてくれる食品だといえるでしょう。これまであまり食べる機会がなかったという方は、ぜひ日頃の食事に取り入れてみてくださいね。
【参考文献】
・中村宜督,2022年「食品でひく機能性成分の事典」女子栄養大学出版部
・上西一弘,2022年「食品成分最新ガイド 栄養素の通になる 第5版」女子栄養大学出版部
・文部科学省,日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年
・厚生労働省,日本人の食事摂取基準(2020年版)
AUTHOR
藤倉詩織
管理栄養士。【予防医療】にかかわりたいという思いから、大学卒業後は健診センターに就職。メタボリックシンドロームや生活習慣病の方への栄養指導・特定保健指導を経験し、現在はフリーランスの管理栄養士・ライターとして活動中。
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