【お悩み相談】「食欲の秋」のはずが…胃もたれが辛い。どうすれば? #毒出し保健室

 【お悩み相談】「食欲の秋」のはずが…胃もたれが辛い。どうすれば? #毒出し保健室
Photo by Priscilla Du Preez on Unsplash

アーユルヴェーダの中で大切にされている考え方をシンプルに言うと、"体に毒を溜めない/毒を排出する"という『毒出し』。「大きな声ではちょっと言えない」「身近な存在の人には知られたくない」と言った悩み事を抱えていませんか? 体調や心の悩み、人間関係やら恋愛、夫婦やパートナー間のあれこれまで、皆さまの悩ませている毒を溜めずに排出するべく、アーユルヴェーダアドバイザー/ヨガ講師の桑子麻衣子がアーユルヴェーダとヨガの智慧をベースにお悩みに答えます!

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今回「毒出し保健室」を訪れてくれたのは、秋の「胃もたれ」にお悩みのNさん(41歳)です。秋の食生活についてお伺いしていきながら、食欲の秋を楽しむためのヒントをお伝えしました。

「胃もたれ…なんとかしたい!」

桑子: こんにちは!今日はどういったお悩みでしょうか?

Nさん: ここ数年、秋は胃もたれに悩まされていて…。今年こそは、なんとかしたいです!

桑子:それは辛いですね。秋はよく食べてしまう、ということはありますか?

Nさん: そうですね。夏はバテて食欲もないことが多いので、その反動なのかもしれません。うだるような暑さがおさまる頃から、徐々に食欲が回復し、自分でも食べすぎてしまっているな、という感じはあります。

桑子: どんなものを食べすぎていますか?

Nさん: 夏の延長で、さっぱりしたものが多いですね。暑さがおさまってきた、とは言っても、日中は気温が上がることが多いじゃないですか。だから、冷たいものを飲み食いすることが多いです。しばらくして食欲が完全復活したら、こってり系の食事とかも食べちゃいます。ラーメンとか大好きなので…

桑子: なるほど。胃もたれ意外に、秋になると気になる症状はありますか?例えば、便秘気味だったり、睡眠不足喉や肌の乾燥や、憂鬱になる、という方が結構多いのですが…

Nさん: 憂鬱になることはありますね。具体的に嫌なことがあったり、寂しくなるようなことが起こったわけではないのに。あとは、お腹の調子が悪いです。スッキリしないことが多いですね。

秋の胃もたれの原因と対処法

秋の胃もたれの原因

秋の胃もたれの原因として代表的なものは

① 冷たいものを食べている・飲んでいるため
②こってりした食べ物に走ってしまうため
③寒暖差で自律神経が乱れているため

というものがあります。

まず、①冷たいものを食べている・飲んでいる、について説明させて下さい。多くの方がそうだと思うのですが、夏の間は、水分を多く摂ったり、冷たい飲み物や食べ物を口にしていたと思います。言うまでもないことですが、夏は水分を多くとることはとても大切です。一方で、秋になっても水分を多くとりすぎていると、胃液が薄くなって胃腸機能の低下が起こりやすくなると考えられています。また、秋になって少しずつ過ごしやすい日が増えてくる中で、夏のような食生活を続けていくと、内臓を冷やしてしまい、胃腸機能の低下を招く要因となってしまいます。また、アーユルヴェーダでは、私たちのカラダの中は37度程度であると考えられています。私たちも普通に生活している中で、頭から冷水を浴びせられたらどうなりますか?びっくりしますし、中には体温調節のためにくしゃみを3連発する人もいるかもしれません。それと同じで、私たちの内臓も、冷たい食べ物やキンキンに冷えた飲み物をカラダの中に流し込まれると、結構なダメージを与えられてしまうわけです。

②こってりした食べ物に走ってしまうのは、秋のあるあるの一つではないでしょうか。夏の間、食欲がなかった反動で「たくさん食べたい!」と思う方も多いはず。しかし、これも要注意。揚げ物だったり、ラーメンだったりは、(おいしいですが)その分消化にも負担がかかります。

そして最後の③寒暖差で自律神経が乱れている、についてですが、9月に入ると、日中に比べて朝晩は涼しいと感じる日が多くなってきます。こうした寒暖差に自律神経が対応できなくなってしまうと胃酸が過剰に分泌され、胃痛を起こす原因となってしまうと言われています。また、台風や天候不良の影響で気圧の変化が激しい時期ですが、そういったことも自律神経に大きく影響していきます。「便秘気味」、「睡眠不足」、「喉や肌の乾燥」「憂鬱」といった症状は、自律神経の乱れの兆候であることが多いため、カラダからのサインを見逃さずに、対処していきましょう。

対処法

□冷たい飲み物や食べ物を控える

胃腸機能を正常に働かせるためにも、冷たい食べ物・飲み物は控えるのがベター。

また、アーユルヴェーダでは、起き抜けに一杯の白湯を飲むことで内臓が温まり、胃腸の動きを活発にさせるスイッチが入ると言われています。参考にしてみて下さい。

お食事は、せっかく秋ですので、秋の味覚を味わってみて下さい。秋に旬を迎える、さんま、きのこ類、かぼちゃ、さつまいもからは、自律神経を整えることが期待されるビタミンB1を摂取することもできます。また、旬の食材には、その時期に必要な栄養がたくさんつまった自然からの贈り物です。そして、何よりも美味しい!

□食事は腹八分目

お腹いっぱい食べるのは気持ちいいですが、消化するためのパワー(アーユルヴェーダでは「消化力」と呼びます)を消耗してしまい、胃の疲れをさらに促してしまいます。

よく噛んでゆっくりと食べると、唾液がよく出て消化促進にもつながります。また、食べ物が細かくなることで胃腸への負担が軽減されるなど嬉しい作用も。

□消化力をアップするスパイスを活用する

胃の消化吸収を整える作用のあるスパイスと活用するのもおすすめです。お料理に使うのはハードルが高いという場合、消化不良に効くとされる「クミンティー」でほっと一息ついてみてはいかがでしょうか。軽く炒った小さじ2のクミンシードを、沸騰させたお湯400mlに入れるだけで完成。

□軽い運動をする

じんわり汗を書く程度の程度の軽い運動で、自律神経の調子を整えることが期待できます。

たとえば寝起きあるいは、寝る前にストレッチをする、階段を利用する、一駅歩く、など日常生活のついでにできるような軽い運動でも充分です。

アーユルヴェーダでは、食後に軽い散歩に出かけるとリラックスもでき消化を促進すると考えられているので、お時間のある際はぜひ。

 

いかがでしたか?

まだまだ厳しい夏の疲れが残る時期ですが、これからはじまる冬に向けて備えるためにも秋は重要な季節。美味しい秋の味覚を程よく堪能しながら、カラダを冷ますことから温めることにシフトし、錦秋の装いを楽しめたらいいですね!

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AUTHOR

桑子麻衣子

桑子麻衣子

1986年横浜生まれの物書き。2013年よりシンガポール在住。日本、シンガポールで教育業界営業職、人材紹介コンサルタント、ヨガインストラクター、アーユルヴェーダアドバイザーをする傍、自主運営でwebマガジンを立ち上げたのち物書きとして独立。趣味は、森林浴。



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