【お悩み相談】「秋は憂鬱な気分になってしまう…どうにかしたい」#毒出し保健室
アーユルヴェーダの中で大切にされている考え方をシンプルに言うと、"体に毒を溜めない/毒を排出する"という『毒出し』。「大きな声ではちょっと言えない」「身近な存在の人には知られたくない」と言った悩み事を抱えていませんか? 体調や心の悩み、人間関係やら恋愛、夫婦やパートナー間のあれこれまで、皆さまの悩ませている毒を溜めずに排出するべく、アーユルヴェーダアドバイザー/ヨガ講師の桑子麻衣子がアーユルヴェーダとヨガの智慧をベースにお悩みに答えます!
「秋になると憂鬱に…」
今回「毒出し保健室」を訪れてくれたのは、秋になると憂鬱な気分になるというNさん(34歳)です。「秋は過ごしやすい季節ですが、何となく体が重いような…気分も憂鬱になります」と話します。生活習慣や食生活などをお伺いしながら、解決策を一緒に探っていきました。
桑子: こんにちは!今日はどういったお悩みでしょうか?
Nさん: 毎年、秋は苦手です。秋は過ごしやすい季節ですが、何となく体が重いような…気分も憂鬱になります。
桑子: それは辛いですね。身体的には、どのような症状があるか具体的に教えていただけますか?
Nさん: 体がずっと気だるい感じで、重くて。朝ベットから起き上がるのが結構辛いですね。
桑子: 睡眠の質はどうですか?
Nさん: あまりよくありません。寝付きが悪くて、夜中も何度か目が覚めます。疲れているのに…
桑子: 局所的な体の症状などはありますか?例えば、頭痛や肩こり、関節痛、あとは胃腸の調子が悪くなるなど。
Nさん: 便秘気味です。2-3日に1回出ればいい方です。
桑子: 便は、コロコロしているとか、粘り気があるとか、何か気付く特徴はありますか?
Nさん: コロコロしています。
桑子: 起床時間、就寝時間は何時でしょうか?
Nさん: 朝は、大体6時に起きます。週末は、8時くらいまで寝ていることもありますが…夜は、毎日バラバラですね。0時までには寝たいと思っているんですが、ベットに入ってもなかなか寝れないこともあるので、スマホをいじっていると1時間とか2時間、平気で時間が経っているので、驚きます。
桑子: 3食しっかり食べていますか?
Nさん: 朝はコーヒーだけで済ませたり、ぬかすこともあります。昼は、会社で同期と一緒に食べるので、しっかり食べますね。最近ハマっているのは、会社の近くにあるサラダランチセットです。夫婦ともにお酒が好きなので、夜はおつまみ系のものを中心に食べています。
桑子: 運動や入浴習慣はありますか?
Nさん: 運動はしてません。毎日駅まで10分程度歩くくらいですかね。お風呂はシャワーだけで済ませてしまっています。
アドバイス: 秋に憂鬱になる原因は自律神経の乱れが原因の可能性大。生活習慣を整えて!
ご相談ありがとうございます。夏の気だるい暑さから一転して、秋は気温も下がり、美味しい食材も豊富にあるので、楽しい季節。一方で、Nさんのように、秋には「何となく気分が冴えない」「悲しくなる」「寂しい」と、メンタルの不調を訴える方も多くいらっしゃいます。そういった方にお話を伺うと、多くの方がメンタルの不調に加えて、便秘や疲れやすさ、肩こり、頭痛などの身体的不調にも悩まされているケースが多くあります。
秋は、日没時間が早く、夜の時間が長くなります。また、植物が葉を落とすなど、私たちの身の回りの自然界に寂しさが漂いはじめますよね。また、空気も徐々に潤いを失っていきます。アーユルヴェーダは、人間も自然界の一部だと捉える考え方を強く持っている分野なので、こうした自然のルールに沿って、私たちのメンタルや身体にも枯渇感のようなものが生じて不調になるわけです。もう少し噛み砕いた言い方をすると、「季節の変化が影響して、自律神経が乱れてくる」というわけです。
自律神経には緊張状態、あるいは活動的にする「交感神経」とリラックスさせる「副交感神経」があります。日中活動的に生活する時には交感神経が優位にたっている、就寝前から就寝中は副交感神経が優位にたっていることが理想的。私たちが、健康的に快適に生活を送るためには、自律神経が正常に機能していることが重要。一方で、季節の急激な変化や、台風や低気圧の影響もあり、自律神経がうまく機能しなくなってしまい、憂鬱さや、その他の不調につながってしまうわけです。
自律神経を整える方法
秋の憂鬱さを吹き飛ばすためには、自律神経を整えることを意識するのが◎。「きちんと寝れない」「便秘でお腹がゴロゴロする」などが続くと、それだけでも心がどよーんと沈んでしまって、憂鬱になってしまいます。基本は、規則正しい生活を送ること。当たり前のことなのですが、当たり前のことが一番重要だったりします。
1.規則正しい生活
毎日一定の時間に寝起きする、朝・昼・夜の食事を食べるなど、規則正しい生活を送ることで自律神経を整えることができます。秋は冷えと乾燥のエネルギーが増す時期なので、アーユルヴェーダ的には、「適度な油分と温める食事」を意識するとGood。例えば、お粥などは簡単です。また、起床直後には、太陽の光を浴び、体内時計をリセットすることで、夜の睡眠の質もぐぐっと上がるはず。また、寝付きが悪い場合や眠りが浅い場合、寝る前にデジタルデバイスを使用を控えるのがおすすめ。
2.運動と入浴
適度な運動や入浴をすることも、自律神経を整えることにつながります。運動はヨガや、ウォーキングなど、軽く汗をかく程度のもので、「毎日」続けられるものを選んでください。入浴は湯船に浸かるのがベスト。ぬるめのお湯にゆっくり浸かることで副交感神経を優位にし、リラックス効果も右肩上がりに。不安感や寂しさも軽減して、睡眠の質も上がると思います。
3. 適度な水分補給とバランスのよい食事
最初の話に戻りますが、秋は「乾燥」や「冷たさ」のエネルギーが強くなります。それに伴って、私たちの心身も乾燥(心に空虚感を感じる / 肌や喉の乾燥 など)、冷たさ(お腹が冷えてべ便秘気味 / 冷え性↑)気味に。自然のルールを変えることはできませんが、それに抗うことはできます。アーユルヴェーダでは、その季節の特徴と反対のエネルギーを加えることで、バランスを取ることができるわけです。そのエネルギーが、「潤い」「温め」です。
適度な水分補給は、常温のお水や白湯などが理想的。カモミールやレモングラス、バジルなどのハーブティーも◎。胃腸の調子を整えるのに効果が期待できます。また、お食事には、質の良い油分をプラスすることを意識してみると良いことが期待できると思います。アーユルヴェーダ的には、ギーがおすすめ。また、秋に旬を迎える野菜などは、体を温める作用が期待できるので、積極的に摂りたい食材です。
いかがでしたか?
秋に自律神経のバランスをしっかり整えることは、これから来る長い冬に向けての心身のバランスを整えることにもつながっていきます。もちろん、全てこなそうとすると難しいかもしれませんので、ぜひできることからやってみてくださいね。
AUTHOR
桑子麻衣子
1986年横浜生まれの物書き。2013年よりシンガポール在住。日本、シンガポールで教育業界営業職、人材紹介コンサルタント、ヨガインストラクター、アーユルヴェーダアドバイザーをする傍、自主運営でwebマガジンを立ち上げたのち物書きとして独立。趣味は、森林浴。
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