暑さで眠れない夜の「安眠ヨガ」背骨をしなやかに動かし交感神経と副交感神経のバランスを改善
体は疲れているのにぐっすり眠れない……。寝苦しい夜が続いていますが、最近の酷暑は私たちの睡眠にどう関係しているのでしょうか。ヨガ講師の吉本憲太郎先生が夏の不眠の原因と、暑い夜もぐっすり眠れる「安眠ヨガ」を紹介します。
体温調整で自律神経を酷使。夏は睡眠不調が増加しがち
「夏に眠れなくなるのは、自律神経の乱れが関係しています。自律神経は気温の変化に応じて体温を一定に保つようコントロールする働きがありますが、夏は冷房のきいた室内と高温の屋外の温度差に体を適応させようとして自律神経が疲弊しがち。結果、交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズにできなくなり睡眠不調に陥ります。
深部体温が下がると人は自然に眠くなります。深部体温は上がった分だけ下がろうとするので、安眠するには就寝前に湯船に浸かり深部体温を一時的に上昇させるのが効果的。しかし、夏は夜も気温が高いので体温を上げすぎないように注意し、40度程度の湯に約10分浸かり体の表層部を温めるだけでOK。また朝起きて日光を浴びるとセロトニンという神経伝達物質が分泌され、14時間~16時間後にメラトニンという睡眠ホルモンに切り替わります。就寝時間から逆算して起床時間を決めるなど生活リズムを整えることも大切です」(吉本憲太郎先生)
背骨の柔軟性を高めて、自律神経のバランスを整える
「今回紹介する『キャット&カウ』は、自律神経が通る背骨を丸めたりしならせたりすることで、背骨まわりの緊張をゆるめて交感神経と副交感神経のバランスを整えます。就寝時に副交感神経が働くとスムーズに入眠できるはず。背骨を一つずつ動かすように意識し、体の動きと呼吸に集中して気持ちを静めながら行いましょう」(吉本憲太郎先生)
キャット&カウ
目的と効果:自律神経が通る背骨を丸める&しならせる動きを繰り返し、背骨まわりを和らげ自律神経のバランスを整える。動きに合わせて繰り返す呼吸によっても自律神経の乱れを調整。
やり方
1.四つん這いになり肩の下に手首、骨盤の下に膝をセットする。つま先を立て、手の指先を大きく広げて床を捉える。
2.息を吐きながら尾骨を床に向けて、両手で床を押し両脇の下を天井に向ける。腰の骨から一つずつ背骨を丸めて、最後は顔を下に向けて目線をおへそに向ける。
3.息を吸いながら尾骨を天井に向けて、腰の骨から一つずつ背骨をしならせる。最後は顔を上げて目線を斜め上に向けて胸を開く。首を長く保ち肩がすくまないようにする。3回繰り返す。
4.3回繰り返したら、息を吐きながら足の甲を床につけて正座になる。両手のひらを重ねて床につき、その上におでこをのせて落ち着くまで休憩する。
〈プロフィール〉
ヨガ指導者、「..with THE CLEAR YOGA」主宰。会社員を経て、自分が苦しんだ経験を含めヨガの魅力を伝えるべく、ヨガ指導者の道へ。熊本にオープンした自身のヨガスタジオでは、ビギナークラスからOMYOGA認定校として指導者養成講座(全米ヨガアライアンスRYT200)も開催。月に一度の屋外クラスでは、ドネーションを募り熊本の自然環境保護団体に寄付している。https://with-the-clear-yoga.jp/、Instagram:@kentarouyoshimoto
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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