根元が黒い「とうもろこし」食べてOK?根元以外が黒い場合は?管理栄養士が解説
シャキシャキとした食感で甘みのあるとうもろこしはお子様から大人まで人気の野菜ですよね。ですが、とうもろこしを食べていたら「根元の部分が黒かった!食べても大丈夫だったのかな…?」と不安になったことはありませんか?この記事では、根元が黒いとうもろこしは食べても大丈夫なのか、さらにとうもろこしをよりおいしく食べるための保存方法をご紹介します。
根元が黒いとうもろこしは「食べられる」
結論からいうと、根元の部分が黒いとうもろこしは「食べることができます」。
とうもろこしの根元が黒くなるのは「ブラックレイヤー」と呼ばれる生理現象です。黒い色を見るとびっくりしてしまう方も多いかもしれませんが、実はとうもろこしが完熟した証拠なのです。
実は、完熟したとうもろこしは粒の根元の細胞が黒く変色してしまうという特徴があります。本来はブラックレイヤーができる直前が収獲の最適なタイミングなのですが、まれに時期を少し過ぎてしまい黒くなったものに出会うこともあるということなのです。腐っているわけではなく、おいしく食べることができるサインでもあるので安心してくださいね。
根元以外が黒い場合は要注意!
とうもろこしの根元部分が黒い場合は食べても大丈夫ですが、それ以外が黒くなる場合もあります。ひとつの例を除いて腐敗が進んでいるサインなので、すみやかに処分してくださいね。
カビ
とうもろこしの粒全体や皮の部分まで黒い斑点が見られる場合は、カビが生えている可能性が高いです。カビは見える部分だけを取り除いても中まで広がっている場合があるため、見つけたらすぐに廃棄してください。白いカビや赤いカビが生えることもあるので、食べる前にはよく観察しましょう。
病気
とうもろこしには「黒穂病」というカビによって黒く変色してしまう病気があります。実の部分に灰色〜黒色のコブ状のものができて少し不気味な見た目をしています。ただし、これは収穫時に処分されるため一般に流通することはありません。
もともと黒い粒の品種
ひとつの例を除くというのは、とうもろこしには「全体が黒い品種がある」ということです。その品種名は「黒もちとうもろこし」といいます。ほのかな甘みを持つやわらかい実で、モチモチとした食感が特徴です。
とうもろこしをおいしく食べるための保存方法は?
とうもろこしは傷みやすく、保存期間が伸びるごとに甘みも減るので、購入してから遅くても2〜3日以内に食べきることが大切です。ここからは、そのまま食べきれない場合におすすめの冷凍保存方法をご紹介します。
生のまま冷凍(約2か月)
皮がついたまま1本ずつラップに包み、冷凍保存が可能な保存袋に入れて冷凍します。食べる時はラップを巻いたまま電子レンジで加熱するか、ラップを外してお湯でゆでましょう。
ゆでて冷凍(約1か月)
少し固めにゆでて食べやすい大きさに切り、水気をふき取ってから冷凍保存が可能な保存袋に入れて冷凍します。粒を外して冷凍しておけばいろいろな料理にちょっとずつ使えて便利ですよ。
ペーストにして冷凍(約1か月)
外したとうもろこしの粒をブレンダーやフードプロセッサーなどでつぶし、ペースト状にしてから冷凍するのもおすすめです。冷凍庫の場所を取りませんし、スープやシチュー、パンケーキなどに使えばやさしい甘みが生かされた料理を簡単に作ることができます。
まとめ
根元が黒いとうもろこしは食べることができるのかについてご紹介しました。根元だけが黒い場合はブラックレイヤーと呼ばれる生理現象のため、問題なく食べることができます。ただし、カビなどで全体が黒い場合や変なにおい、ぬめりなどを感じる場合は腐敗している可能性が高いのですぐに処分してください。とうもろこしは鮮度や甘みが落ちやすいので、購入したらなるべく早く食べきりましょう。
AUTHOR
野口久美子
管理栄養士/調理師。大学卒業後、保育園栄養士と食品開発の仕事を経てフリーに転身。現在は子育てをしながらライターとしてレシピ紹介や栄養に関する分野でコラムを執筆している。
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