顔面にできるカサカサや赤み、白いブツブツの正体とは?医師が解説
顔面に黄色や白いブツブツを見つけたら、それは脂漏性皮膚炎や白ニキビなどが原因かもしれません。皮膚に関するトラブルについて医師が解説します。
顔にできるカサカサや赤みの正体とは?
顔面部にカサカサとした状態や赤みを認める際には、「脂漏性皮膚炎」である可能性があります。
脂漏性皮膚炎とは、頭皮、顔、腋窩などの皮脂分泌が盛んな部位に生じる湿疹です。
本疾患は、患部の赤みと鱗屑(皮が剥けてカサカサとした状態)を特徴とする皮膚の病気であり、脂漏性湿疹と呼ばれることもあります。
脂漏性皮膚炎では、患部の痛みはなく、患部の皮膚が赤くなり、黄色味を帯びた脂っぽく湿り気のあるフケあるいは乾燥したうろこ状のフケがボロボロと出てくるのが特徴的です。
患部のかゆみはないか、あっても軽度であることがほとんどであり、皮膚に常在するマラセチア菌と呼ばれる真菌が発症に関わっています。
脂漏性皮膚炎の治療は、洗顔や洗髪で患部を清潔に保つなど生活習慣改善と薬物療法があります。
精神的ストレスや身体的ストレスが脂漏性皮膚炎を悪化させる可能性が指摘されていることから、生活リズムを整えて十分な睡眠を取り、ストレスを減らすことも大切です。
特に、成人型の脂漏性皮膚炎は慢性化しやすく、生活習慣の改善に加えて病院で適切な治療を受ける必要があります。
外用剤による治療が中心で、炎症を抑えるステロイド外用剤や、マラセチア菌を抑える抗真菌剤の外用剤が用いられますので、適切なタイミングで皮膚科など専門医療機関を受診してください。
顔にできる白いブツブツの正体とは?
顔面部に白いブツブツを認める際には、「白ニキビ」である可能性があります。
ニキビは、主に「白ニキビ」「黒ニキビ」「赤ニキビ」の3種類に分類されています。
その中でも、白ニキビは、毛穴に皮脂が詰まった初期段階で認められるニキビのタイプであり、毛穴に詰まった皮脂などによってアクネ菌をはじめとする様々な皮膚常在菌が繁殖すると、患部に炎症が惹起されて赤ニキビに移行します。
日々のストレスや不規則な生活習慣から由来するホルモンバランスの乱れなどが原因となって、皮脂の分泌量が多くなると、スムーズに毛穴から排出されずに毛穴の中に皮脂がたまってしまって、白ニキビになります。
基本的に、顔面部周辺の皮膚は汗腺が少ないので、乾燥しやすい場所であり、その一方で皮脂腺が多く存在するため、皮膚の水分不足を補うために皮脂分泌が過剰になる傾向があり、毛穴などに皮脂が詰まり、白ニキビができやすくなります。
顔面周囲はニキビに炎症が起こって症状が悪化しやすいと考えられている部位でもあり、いったんニキビができると、治癒しづらい、もしくは再発しやすいと指摘されています。
万が一、顔面に白ニキビができた場合には、乾燥を改善するために保湿剤を塗布して、乾燥を改善しましょう。
乾燥しやすい顎のスキンケアでは保湿処置が重要です。
洗顔した後は化粧水などでしっかり肌にうるおいを与えることで肌の保護機能が整備されて、顔面部に白ニキビが形成されにくい体質となります。
万が一、顔面部の白ニキビが治りづらくて悪化するような際には、最寄りの皮膚科を受診してください。
まとめ
これまで、顔にできるカサカサや白いブツブツの正体などを中心に解説してきました。
皮膚に関するトラブルは、日常生活に支障をきたすこともあり、一刻も早く治したいですね。
顔面部のカサカサや赤み、白いブツブツを見た際には、脂漏性皮膚炎や白ニキビなどが原因として考えられます。
特に、思春期以降に見られる成人型の脂漏性皮膚炎の場合は、一度発症すると、よくなったり悪くなったりを繰り返し、多くは慢性的な経過をたどりますし、症状がひどくなると、自然治癒することはほぼないため、病院での適切な治療が必要です。
自分なりにスキンケアなど対策を実施しても、症状が良くならない場合には、皮膚科など専門医療機関を受診しましょう。
AUTHOR
甲斐沼 孟
大阪市立大学(現:大阪公立大学)医学部を卒業後、大阪急性期総合医療センターや大阪労災病院、国立病院機構大阪医療センターなどで消化器外科医・心臓血管外科医として修練を積み、その後国家公務員共済組合連合会大手前病院救急科医長として地域医療に尽力。2023年4月より上場企業 産業医として勤務。これまでに数々の医学論文執筆や医療記事監修など多角的な視点で医療活動を積極的に実践している。
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