生きているだけで常に負担がかかっている腰【腰痛・腰の張りを緩和する】胸腰筋膜ストレッチ

 生きているだけで常に負担がかかっている腰【腰痛・腰の張りを緩和する】胸腰筋膜ストレッチ

運動不足の人だけでなく、日頃から体を動かしている人の中にもお悩みの多い「腰痛」や「腰の張り」。腰が気持ちよく伸びるストレッチをご紹介します。

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腰が張るのは人間の宿命!?

私たち人間は、進化の過程で四足歩行から二足直立歩行になりました。四足歩行だと4本の脚で頭部や胴体の重さを支えるに対して、二足歩行は上半身を背骨のみで支えることになります。

そうなると上半身全体の重さを受け止めるのは「腰」。当然腰の筋肉には負担がかかりやすくなります。つまり、私たち人間は、いくら正しい姿勢をキープしていたとしても、生きているだけで腰に負担がかかってしまう体の構造になっているのです。

人類の進化
イラストAC

筋力低下が腰の張りを助長する

私たちの二足直立歩行を可能にしているのが、背筋群・腹筋群・臀筋群の力。人間はこれらの筋肉を発達させることで、長時間上半身を起こして活動できるようになりました。では、これらの筋力が衰えるとどうなるでしょう。筋力が低下して腰の張りがより辛いものになってしまいます。日頃から意識的に体を動かして、筋力の低下を防ぎましょう。

姿勢維持に関わる「胸腰筋膜」

腰のまわりには大小さまざまな筋肉が存在します。それらの筋肉の中に、背中の筋肉と体幹の深層筋(インナーマッスル)を包んでいる胸腰筋膜といわれる線維性の筋膜があります。

胸腰筋膜
イラストAC

胸腰筋膜の働き

・腰椎の安定化、屈曲(上半身の前屈動作)の制限
・骨盤を中心として、上半身と下半身の動きを連動させる(左臀部から右背部、右臀部から左背部へとクロスして伝わる)

胸腰筋膜は、私たちの姿勢保持や運動動作を安定させるためには欠かせないものです。もし胸腰筋膜が固くなったりゆがみが強くなると、下半身の動きが不安定になります。上半身の動きも悪くなるため、腰回りの筋肉への負担が増します。

胸腰筋膜は、普段から負担がかかりやすく固くなりやすい部位なので、丁寧に時間をかけて緩めることが必要になります。

腰痛や腰の張りに効く【胸腰筋膜ストレッチ】

胸腰筋膜は伸ばしづらい部位ではありますが、フォームローラーなどの器具を使って刺激をすることは可能です。今回は道具がなくても行えるストレッチを紹介します。

(1) 脚を開いてしゃがみ込み、上半身を前に倒して肩の真下にひじがくるように床につける。

(2) 息を吐きながら背中を後ろに引く、尾骨を地面に下ろすように上半身を丸めながら腰を伸ばす。

(3) 呼吸は自然に繰り返しながら、この姿勢を15~30秒キープする。

胸腰筋膜ストレッチ
Photo by Sayaka Utsunomiya

長くキープするのがつらい場合は、一度体を起こして再度引っ張るように動いても構いません。しゃがみ込むのが難しい場合は、椅子に座った状態で、尾骨を座面に押し当てるようなイメージをしながら背中を丸めてみましょう。

ストレッチの詳細は以下動画からも確認いただけます

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AUTHOR

宇都宮明香

宇都宮明香

五感を潤すヨガ講師。大学時代に出会ったヨガを通じて「心と体の科学反応」の面白さにハマる。様々な分野の学びと実践を続けながら、目の前の方が日常にヨガを取り入れやすくするコツを提案している。現在は福岡を拠点にインストラクター育成講師として活動しながら、仲間と一緒にヨガスタジオ サントーシャを共同主宰中。 プライベートは釣り好きの歴女。愛する夫や娘、友人たちのお陰様で好きなものだらけの生活を満喫している。



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