メンタルヘルスに良い食品とは?管理栄養士が考える、取り入れたい食品とは|科学的根拠をもとに紹介
毎日の食事がメンタルヘルスに大きな影響を及ぼすことがわかっています。日々を健やかに過ごすためには、メンタルに良いとされる食品を取り入れたいですよね。今回の記事では、メンタルヘルスに良い影響を及ぼすとされる食品をご紹介します。
管理栄養士が考えるおすすめの食品
食品とメンタルヘルスとの関連を調べるために、国内外でさまざまな研究が行われています。そのなかでも、特にメンタルヘルスに役立つと考えられる食品を科学的根拠をもとにご紹介しましょう。
野菜・果物
野菜や果物はメンタルヘルスに良い影響をもたらすといわれています。
野菜・果物の摂取とメンタルヘルスとの関連を調べた研究をまとめたレビュー論文では、野菜や果物の摂取量が多いと、精神的な辛さを軽減しポジティブな考えや自己肯定感を高める可能性があると報告しています。また、野菜や果物のなかでも、特に緑黄色野菜や柑橘類の摂取量が多いことがうつ病のリスク低下と関連している可能性があるそうです[1]。
野菜や果物は食物繊維やビタミンなどの栄養素が含まれおりさまざまな病気の予防に役立つと知られていますが、メンタルヘルスにも良い影響をもたらす可能性がありますね。
国連食糧農業機関(FAO)や世界保健機関( WHO)では、1日当たり400gのじゃがいもなどでんぷんが多いものを除いた野菜や果物を摂取することを推奨しています。また、日本では1日当たり350g以上の野菜を摂取することを目標として掲げています。厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、日本人の野菜の平均摂取量は目標値に達していないのが現状です。そのため、普段よりも多く野菜を摂取することで、メンタルヘルスに良い影響をもたらすかもしれません[1,2]。
発酵乳製品
発酵乳製品の摂取とうつ病リスクとの関連を調査した研究をまとめたレビュー論文では、発酵乳製品の摂取はうつ病リスクの低下させる可能性があると示唆しています。特にヨーグルトやチーズの摂取はうつ病リスクの低下に影響したそうです。
発酵乳製品には健康に良いとされる微生物「プロバイオティクス」が含まれています。このプロバイオティクスが腸内細菌を改変させることで、脳機能に良い影響をもたらすと考えられています。ただし、摂りすぎるとうつ病リスクの低下と関連しないようです。ヨーグルトやチーズは食べすぎると、カロリーオーバーにつながる可能性があるため、摂りすぎには注意したいですね[3]。
メンタルに良くない食品の食べ過ぎに注意しよう
心の健康は、メンタルに良い食品だけではなく悪影響を及ぼす食品を控えたいものです。加工食品や肉などがメンタルに悪影響を及ぼす食品と考えられています。メンタルに良くない食品は「「心が疲れているかも…」そんなときに避けたいNG食品とは【食とメンタルヘルス】」の記事で紹介していますので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
今回はメンタルヘルスに役立つと考えられる食品をご紹介しました。ただし、今回紹介した食品のみでは体に必要な栄養素を十分に摂取できません。心身ともに健康に過ごすためには、バランスのとれた食事をとることが大切です。まずは、できるだけ主食・主菜・副菜を揃える・さまざまな食材を食べるといったことを意識したうえで、取り入れてみてくださいね。
【参考文献】(2024年5月16日閲覧)
AUTHOR
一ノ木菜摘
管理栄養士/ライター。短大卒業後、病院で栄養士として働きながら管理栄養士免許を取得。その後は病院の管理栄養士やコールセンターなどの経験を経てライターとして活動を始める。ダイエットや食品、メンタルなどのヘルスケアについて論文などの科学的根拠をもとにコラムを執筆している。
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