「心が疲れているかも…」そんなときに避けたいNG食品とは【食とメンタルヘルス】管理栄養士が解説
なんとなくやる気が出ない、気分が落ちてしまう…普通に生活をしているつもりでもメンタル不調になることがあります。そのようなときに、何気なく食べたものがさらにメンタルを悪化させるかもしれません。今回は管理栄養士が考えるメンタル不調時に避けたい食品を紹介します。
メンタル不調を放置していませんか?
メンタル不調はストレスによって引き起こされるといわれています。現代はストレス社会ともいわれ、知らず知らずにストレスをためてしまいがちです。そのため、気づかないうちにメンタル不調になってしまうこともあるでしょう。メンタル不調を放置しているとうつ病となり、日常生活を過ごすのが難しくなってしまう恐れがあります。
メンタル不調は食事にも大きく影響を及ぼします。食欲低下すると栄養不足となり、さまざまな不調を来す可能性があります。また、食品によってはメンタルに悪影響を及ぼす場合もあるのです。では、メンタル不調時はどのような食品を避けると良いのでしょうか。
メンタル不調時にNGな食品とは?
メンタルと食品との関連はさまざまな研究で検証されています。メンタル不調時に避けたい主な食品は、肉・加工食品・甘い飲み物が挙げられます。それぞれの食品について、国内外の研究をもとに詳しく見ていきましょう。その1:肉
メンタル不調時に避けたい食品の1つ目は、肉です。肉には炎症を促進させる飽和脂肪酸が含まれているため、食べすぎるとメンタルに悪影響を及ぼすのではないかと考えられているそうです。
赤身肉や加工肉の摂取とうつ病のリスクとの関連を調査した研究をまとめたレビュー論文によると、赤身肉や加工肉の摂取はうつ病リスクの上昇に関わると報告しています。このようにうつ病のリスクが高まるのは、赤身肉や加工肉のように脂肪が多い食品や加工した食品がメンタルヘルスに関わる脳の視床下部・下垂体・副腎皮質系に影響を与えたり、炎症を促進させ心血管系に影響を及ぼしたりすることでうつ病のリスクを高めるからだと考えられているのです。赤身肉や加工肉を食べるとどのくらいの影響があるかははっきり分かっていませんが、メンタルが不調の場合は肉中心の食事は控えた方が良いでしょう。
その2:菓子パン・カップラーメン・スナック菓子などの加工食品
加工食品もメンタル不調時に控えたい食品です。現代ではさまざまな加工食品が販売されていますが、そのなかでも気をつけたい食品は「超加工食品」と呼ばれるものです。超加工食品とは添加物を多く使用し工業的に製造されたもので、菓子パン・カップラーメン・スナック菓子・冷凍食品などが挙げられます。
超加工食品とメンタルヘルスとの関連を調査した研究をまとめたレビュー論文では、超加工食品の摂取が増加するとうつ病や不安症状のリスクが高くなる可能性を示唆しています。超加工食品に含まれる添加物がメンタルヘルスに影響していること、超加工食品にはビタミンやミネラルなど体に必要な栄養素が不足していることから、うつ病のリスクを高めていると考えられるそうです。メンタル不調になると、食事の準備が億劫になり手軽に食べられる加工食品に頼りたくなりますが、摂りすぎないように注意したいものですね。
その3:甘い飲み物
砂糖を含んだ炭酸水・フルーツジュース・スポーツドリンクなど甘い飲み物も、メンタルヘルスに影響を及ぼす食品と考えられています。
砂糖入り飲料とうつ病・脳卒中・がんなどの関連を調べた研究をまとめたレビュー論文では、砂糖入り飲料の摂取が多いほどうつ病のリスクが高くなる傾向にあると報告しています。砂糖入り飲料がうつ病のリスクと関連するのは、飲料に含まれる砂糖が炎症を促進すること、飲料での糖分の多量摂取が低血糖を引き起こすことで、気分に影響するのではないかと考えられているそうです。日頃の楽しみに甘い飲み物を飲む方もいらっしゃるかもしれませんが、精神的に疲れたときなどはできるだけ控えた方が良いでしょう。
何気なく食べている食品がメンタルヘルスに影響を及ぼす可能性があります。食品とメンタルヘルスとの関連はより詳しい研究が必要とされていますが、落ち込みやすかったり不安を感じやすかったりする場合は、普段食べているものを見直す良い機会になるかもしれません。ぜひ参考にしてくださいね。
【参考文献】(2024年5月10日閲覧)
AUTHOR
一ノ木菜摘
管理栄養士/ライター。短大卒業後、病院で栄養士として働きながら管理栄養士免許を取得。その後は病院の管理栄養士やコールセンターなどの経験を経てライターとして活動を始める。ダイエットや食品、メンタルなどのヘルスケアについて論文などの科学的根拠をもとにコラムを執筆している。
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