【研究から明らかに】1日のうちで「座っている時間が長い人」ほど、脳が衰える可能性!?
中年以降の成人を対象とした予備調査によると、座りすぎは脳に良くないかもしれない。
運動しているにもかかわらず、座っていると脳が衰える可能性
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究者らは、認知症のない45歳から75歳の成人35人のうち、1日のうちで座っている時間が長い人ほど、新しい記憶を作るのに重要な脳の領域である、内側側頭葉の菲薄化が顕著であることを発見した。運動量が多くても、その差は見られなかったと、著者らは科学雑誌PLUS ONEに発表した。
研究チームは、認知症の症状のない45~75歳の女性25人と男性10人を対象に、内側側頭葉の厚さ、運動量、座っている時間の関連を調べた。毎日の平均座位時間と身体活動レベルのデータは、男性と女性が記入した詳細なアンケートから収集し、側頭葉の内側の厚さは、脳のMRIスキャンにより測定が行われた。
データを分析したところ、身体活動レベルと内側側頭葉の厚さには「有意な相関は見られない」ことを発見した。しかし、座りがちな人ほど内側側頭葉の厚みが薄いことがわかった。長時間の座位が脳に悪影響を及ぼすメカニズムについては調査は行われていないが、著者らは「座りがちであることが、血糖コントロールに悪影響を及ぼす可能性がある」という示唆を述べている。その結果、血糖値の変動が大きくなり、脳の血流が低下し、脳の健康が損なわれるのではないかと推測している。
また、今回の研究結果は「予備的」なものであり、長時間の座位が実際に内側側頭葉を薄くすることを証明するものではないことも指摘している。
「アクティブなデスクワーク」が脳の健康を改善するかもしれない
ランニングマシーン、エアロバイク、ステッパー、スタンディングデスク等を活用した、言い換えれば「座る以外のことをするデスクワーク」だ。アメリカ合衆国ミネソタ州ロチェスター市に本部を置く総合病院メイヨークリニックの研究チームは、44人の参加者を4日間にわたって4つのオフィス環境に配置し、論理的思考、記憶、集中、タイピング速度などの神経認知機能を分析した。その結果、アクティブなデスクワークをしている間、脳の機能が改善、もしくは維持されることがわかった。論理的思考においても、立っている時、ステップを踏んでいる時、歩いている時の方が、座っている時に比べて、タイピング速度は減少しながらも、スコアは改善した。
「我々の発見は、これまで長時間座って行っていたオフィスワークに動きを取り入れることが適していることを示唆している。アクティブなデスクワークは、仕事中に体を動かすだけで、認知能力と健康全般を改善できる可能性があります。」と、メイヨークリニックの予防循環器専門医で、この研究の筆頭著者であるフランシスコ・ロペス・ジメネス医学博士は言う。
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HIDEMI
ヨガ講師 /ヨガ翻訳・通訳者 色、音、言葉が好き。同志社大学国文学科在学中は日本語学を学び、中学生の頃から独自に英語の学びを深める。サロンモデルをしながら、ジュエリーブランド、コスメブランド勤務を経て、2015年よりヨガの指導を始める。外国人講師のWSやTTの通訳、テキスト翻訳等、ヨガ関係の通訳/翻訳業も行う。
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