善玉コレステロールが減ると動脈硬化のリスクが…管理栄養士が教える善玉コレステロールを増やす食べ物

 善玉コレステロールが減ると動脈硬化のリスクが…管理栄養士が教える善玉コレステロールを増やす食べ物
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管理栄養士 山口ミホ
山口ミホ
2024-04-14

「コレステロール」と聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか?肥満や動脈硬化が起こるといった悪いイメージが強いかもしれませんが、「善玉コレステロール」は違います!むしろ善玉コレステロールの値が低いと、動脈硬化を起こしてしまう可能性も・・・。今回は善玉コレステロールのことや、善玉コレステロールを増やす食べものについて解説します。

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体にいい働きをする善玉コレステロールとは?

コレステロールは私たちの体に存在する脂質のひとつで、細胞膜やホルモン、胆汁酸をつくる材料になるため、体にとって必要なものです。コレステロールには「悪玉(LDL)コレステロール」と「善玉(HDL)コレステロール」があります。

悪玉コレステロールの働き

コレステロールと聞くと体に悪いイメージをもっている人が多いと思いますが、悪い働きをもたらしてしまうのは、この悪玉コレステロールになります。悪玉コレステロールは、肝臓でつくられたコレステロールを全身に運ぶ働きがあり、通常量では問題ないのですが、増えすぎると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞が引き起こされます。

善玉コレステロールの働き

一方で、善玉コレステロールは増えすぎたコレステロールを回収し、さらに血管壁にたまったコレステロールを取り除いて肝臓へ運ぶ働きをします。悪玉コレステロールが動脈硬化を促進するのとは反対に、善玉コレステロールは動脈硬化を抑制する働きがあります。

善玉コレステロールの基準値は40mg/dL以上となっており、善玉コレステロールが少ないと悪玉コレステロールが増加してしまいます。コレステロールは減らした方がいいのでは・・・と思っていたかもしれませんが、善玉コレステロールの場合は減らすのではなく" 増やす "ように日々の食事や生活を見直す必要があります。

食事で善玉コレステロールを増やそう

食事や生活習慣を変えることで、善玉コレステロールを増やすことができます。ここでは、善玉コレステロールが増えるおすすめの食べものを紹介するので、ぜひ日々の食生活に取り入れてみてください。

サバやイワシなどの青魚

脂質には主に肉類に含まれる脂質(飽和脂肪酸)と魚類に含まれる脂質(不飽和脂肪酸)の2種類があります。飽和脂肪酸の摂りすぎは悪玉コレステロールを増やしてしまいますが、逆に不飽和脂肪酸は悪玉コレステロールを減らして、善玉コレステロールを増やす働きがあります。

特に魚類の中でもサバやイワシ、サンマといった青魚にはDHAやEPAを多く含んでいるので、青魚を積極的に食べるようにしましょう。

オリーブ油

オリーブ油には、オレイン酸という不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。このオレイン酸は善玉コレステロールを下げることなく、悪玉コレステロールのみを減らすことができます。普段使っている油をオリーブ油にしたり、サラダにかけるのをドレッシングではなくオリーブ油と塩に変えてみるといった工夫をして、普段の食生活に取り入れてみてください。

大豆製品

大豆に含まれるたんぱく質には「畑の肉」とも言われるほど良質なたんぱく質を含んでおり、この大豆たんぱくには、コレステロールの吸収を抑える働きがあります。豆腐や納豆、豆乳など大豆製品を積極的に取り入れるように心がけましょう。

善玉コレステロールを増やすには食事を変えることも大切ですが、ほかにも生活習慣を見直すことでさらに効果を得られます。運動不足や喫煙が善玉コレステロールを下げてしまうので、積極的に運動を取り入れたり禁煙をするといった生活習慣の改善も取り入れましょう。

 

【参考文献】

・厚生労働省 e-ヘルスネット

「コレステロール」

「HDLコレステロール」

・日清オイリオHP 

「オリーブオイルの健康性」

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AUTHOR

管理栄養士 山口ミホ

山口ミホ

管理栄養士、腸活アドバイザー。病院の栄養士を経験後、安心しながら美味しく食べられるものを作りたいという思いから、食材の味や旬、無添加を大切にするジャム専門店にて店長として従事。レシピ開発や製造・加工、店舗運営を経験。現在は腸活アドバイザーを取得し、食で体もココロも美しくをテーマに、フリーランス管理栄養士として活動。



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