中が赤いごぼうは食べても大丈夫?ごぼうが赤くなる原因と正しい保存法は|管理栄養士が徹底解説
ごぼうは栄養豊富で、炒めものや煮物などさまざまな料理にも活用できるので、重宝したい食材の1つです。しかし、ごぼうを切ったら中が赤やピンク色に変色していたことはありませんか?変色したごぼうは傷んでいるのか、食べても大丈夫なのか心配になりますよね。ここでは、赤く変色してしまった原因や変色したごぼうを食べても大丈夫なのかについて解説します。
赤くなってしまったごぼうは食べられる?
ごぼうに含まれる「ポリフェノール」が、ごぼう中の酸化酵素や空気中の酸素により酸化をすることで、赤やピンク色に変色してしまうことがあります。赤く変色しても傷んでいるわけではないので、食べても体には影響はありません。
しかし、赤くなっているということは酸化が始まっているということなので、劣化のサインでもあります。食べることはできますが、味が落ちてきている可能性もあるので、もし気になる場合は変色している部分を取り除いて使いましょう。
ポリフェノールは実は体にいい!
ごぼうが赤く変色する原因のポリフェノールは、ごぼうのアクの主成分でもあります。これだけだと悪いイメージがあるかもしれませんが、ポリフェノールは体にとっては嬉しい成分の1つです。ポリフェノールは抗酸化作用をもち、ガン細胞の発生や老化を抑制する効果が期待できます。
ポリフェノールはごぼうの皮に多く含まれているので、皮は剥かずにタワシでゴシゴシ洗う程度にしましょう。また、長時間水にさらすとポリフェノールが流出してしまうとともに、ごぼうの香りや風味も損なわれてしまうので、長時間水にさらすのは避けてください。
ごぼうの変色を防ぐには?
カットするとポリフェノールが酸素に触れて変色してしまいますが、酢水にさらすことで変色を防ぐことができます。酢水に付ける場合、酢はほんの少しの量を加えるだけで大丈夫なので、調理しても味や香り、食感などには影響ありません。酢水につけるのは5分ほどと短い時間にしておきましょう。
しかし、切ったときに中がすでに赤くなってしまったごぼうの場合は、残念ながら変色を防ぐことはできません。その場合は、ごぼうをなるべく早めに使い切るようにしましょう。
ごぼうを正しく保存して鮮度を保とう!
赤く変色したごぼうは食べることはできますが、劣化がはじまっているサイン。なるべくなら鮮度の保たれたおいしい状態で食べたいですよね。ここでは、ごぼうの正しい保存方法を紹介します。
鮮度を保ちたければ、土つきごぼうがおすすめ
土や泥のついたごぼうの場合は、袋から取り出し新聞紙にくるんでおけば、冷暗所で1ヶ月ほど常温保存ができます。スーパーでは洗いごぼうが目につきますが、土つきごぼうの方が鮮度を長く保つことができます。
使いやすい洗いごぼうは冷蔵庫保存
洗いごぼうを保存する場合は、乾燥を防ぐためにラップで包んで冷蔵庫で保存しましょう。この場合は、5日~1週間ほどで使いきるようにしてください。
使い切らないときは、カットして冷凍保存
少量余ってしまったときや使い切れない場合は、冷凍保存することも可能です。乱切りや斜め切り、ささがきなど使いやすい大きさにカットして冷凍すれば、1ヶ月ほど保存可能です。
赤く変色したごぼうは傷んでいるわけではなく、ポリフェノールの影響なので心配することはあまりありません。しかし、劣化し始めているサインでもあるので、なるべく早めに使い切ったり、変色する前に冷凍保存するといった工夫をしましょう。
【参考文献】
・パルシステムHP ヘルプ・問い合わせ「ごぼうの中がピンク色でした。」
・書籍「旬の野菜の栄養事典」 監修:吉田企世子
・書籍「もっとからだにおいしい野菜の便利帳」 監修:白鳥早奈英、板木利隆
・書籍「食材の選び方と保存法」 編著:株式会社造事務所
AUTHOR
山口ミホ
管理栄養士、腸活アドバイザー。病院の栄養士を経験後、安心しながら美味しく食べられるものを作りたいという思いから、食材の味や旬、無添加を大切にするジャム専門店にて店長として従事。レシピ開発や製造・加工、店舗運営を経験。現在は腸活アドバイザーを取得し、食で体もココロも美しくをテーマに、フリーランス管理栄養士として活動。
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