ごぼうのダイエット効果は調理法で変わる?管理栄養士が教える【旬の野菜使い切りダイエット】

 ごぼうのダイエット効果は調理法で変わる?管理栄養士が教える【旬の野菜使い切りダイエット】
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石松佑梨
石松佑梨
2023-10-28

ダイエット中なら旬の野菜を使わない理由はありません。旬の野菜は安く手に入り、美味しく、栄養価も高い。人間がその時期に必要な栄養素を持っていることも多いため、旬のものさえ食べていれば自然とコンディションが整いやすいのも嬉しい点です。ここでは旬の野菜のダイエット効果とその使い切りレシピを紹介します。

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ごぼうのダイエット効果は調理法で変わる?

ダイエット
ごぼうで痩せる
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ごぼうの栄養的な特徴といえば、なんといっても豊富な食物繊維。水溶性食物繊維の一種イヌリンは、糖質の吸収を遅らせて、血糖値を急上昇させにくくします。インスリンの過剰分泌を防ぐことで、余分な体脂肪の蓄積を抑えることができるのです。また不溶性食物繊維のリグニンは、腸内の発がん性物質をからめとって、体外に排出します。高いデトックス効果は、代謝アップの効果も期待できるでしょう。

さらに、皮の黒色は抗酸化作用のあるクロロゲン酸という物質です。クロロゲン酸には、体脂肪の蓄積を抑える効果があることもわかっています。そのためダイエット効果を高めたいのであれば、ごぼうの皮は包丁の背で軽くこそぐ程度にし、白くなるまでむきすぎないようにしましょう。また長時間の浸水も避けましょう。

ごぼう食べ尽くしダイエット

このように、ごぼうはダイエット効果が期待できる野菜です。ここでは「ごぼう+α」で、さらなる効果アップを狙いましょう! 以下で、ごぼうを食べ尽くす「主菜」「副菜」「汁物」を紹介します。

【主菜】ハリ肌コラーゲン:牛肉とごぼうの柳川風煮込み

体タンパク質の3割を占めるコラーゲン。肌のハリや丈夫な骨、しなやかな血管を保つためには欠かせません。体内ではタンパク質と鉄、ビタミンCを材料にコラーゲンは合成されています。牛肉は、ごぼうに不足する良質なタンパク質を補います。ビタミンC豊富なネギを組み合わせることで、コラーゲンの合成を促しましょう。

また、ごぼうを煮るときは、やわらかくなり過ぎるまで煮込まず、ほどよい歯応えを残しましょう。しっかり咀嚼することで、満腹感が得られやすくなるでしょう。

柳川風
牛肉の柳川風
イラスト:石松佑梨

材料(1人分):ごぼう1/3本、牛薄切り肉60g、白ねぎ1/3本、出汁、薄口醤油、みりん、酒、卵1個
→ささがきごぼうと牛薄切り肉を出汁で煮、溶き卵でふんわりととじ、白ねぎを散らします。ごぼうと組み合わせる食材は牛薄切り肉のほか、旬のさんまや、もっと簡単に作りたいときはサバ缶も便利です。

【副菜】デトックス:ごぼうと突きこんにゃくのきんぴら

ごぼうのデトックス効果を高めるこんにゃく。水溶性食物繊維のグルコマンナンは、糖質やコレステロールを絡めとって体外に排出してくれます。また胃で水を吸うと何倍にも膨れるため、満腹感が得られやすいのも嬉しい点です。

きんぴら
きんぴら
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材料(作りやすい分量):ごぼう1本、にんじん1/2本、突きこんにゃく1パック、ちくわ2本、植物油、出汁、醤油、みりん
→たっぷりのごぼうを炒め煮にした定番のきんぴらごぼう。食物繊維が豊富なこんにゃくや魚由来のタンパク質が摂れるちくわで、ダイエット中でもかしこくボリュームアップしたいところです。さつま揚げ、厚揚げ、鶏こま肉、牛薄切り肉、豚ひき肉などを加えれば、主菜代わりにもなります。

【汁物】代謝アップ:ごぼうと豆腐のかみなり汁

低カロリー、低糖質、低脂質、高タンパク質でヘルシーな豆腐は、現代人が不足しがちなマグネシウムを多く含みます。マグネシウムはエネルギー生成をはじめ、さまざまな代謝に関わるミネラルです。不足すると、栄養素の合成や分解が上手く行えず、痩せにくい体質になってしまいます。

また、マグネシウムは下剤としても使われているミネラルです。便をやわらかくする働きがあるため、ごぼうとの相乗効果で、便秘解消の効果も期待できます。ごぼうに豊富な食物繊維は、ごま油とともに摂ることで便のすべりをよくします。水分もしっかり摂れる汁物ですので、水分不足の硬い便秘傾向の人には、ぜひお試しいただきたいです。

けんちん
かみなり汁
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材料(作りやすい分量):ごぼう1本、木綿豆腐1丁、ごま油、出汁、薄口醤油、塩、万能ねぎ2本
→木綿豆腐は水切りして、ごぼうはささがきに、ねぎは小口切りにしておきます。ごま油を熱した鍋に、木綿豆腐を加えて木べらで崩しながら炒め、全体に油が回ったら、ごぼうも加えて炒めます。出汁を加えて煮、薄口醤油、塩で味をととのえ、ねぎを散らして完成です。

旬のごぼうを食べ尽くしましょう!

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石松佑梨

石松佑梨

サッカー日本代表選手をはじめ、世界で活躍するトップアスリートたちの専属管理栄養士として従事。のべ2万人以上に提供してきた「頑張らない食トレ」を武器に、近年は企業の健康経営や地域創生も展開する。幼い頃から「おいしい」への執着心が人一倍強く、おいしく健康に食べるための「ずるい栄養学」で、誰もがおいしく食べて健康になれる社会を目指している。著書に『過去最高のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー』(かんき出版)がある。



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