陰ヨガで腰痛+腎臓ケア。慢性的な腰のこわばりを深部からゆるめて血流を改善する陰ヨガポーズ
なかなか改善しない慢性的な腰の痛みや不調、気になっていませんか?もしかしたら内臓の状態が影響を与えているかもしれません。陰ヨガで内臓ケア。ゆっくりとした呼吸で横隔膜の緊張をほぐすことで身体の内側、外側から血流を改善し巡る身体に整えましょう。
慢性的な不調に効果的な陰ヨガ
陰ヨガは身体をくつろがせながら、一つのポーズを数分間ポーズに留まって過ごします。奥にある筋肉や関節まわりの組織のこわばりを、時間をかけてじっくりとゆるませる、疲れている時や身体の硬い方も無理なく行えるリラックス効果の高い静的なヨガです。
なかなか改善しない慢性的な腰の痛みや不調、気になっていませんか?なかなか改善されない腰の不調、もしかしたら内臓の状態が影響を与えているかもしれません。ここで注目したいのが腎臓という臓器。腰の不調に関わるということは、その臓器のある場所がポイントになってきます。腎臓は腰痛にとても関係の深い筋肉のとなり(内側)にあるので、お互いに影響を受け合っていると考えることができます。
まずは腎臓という臓器についてと、腰痛の原因につながる筋肉との関係性を紐解いていきましょう。
腎臓とは?
腎臓はそら豆のような形をしていて、大きさは握りこぶしくらい、左右一対で2つあります。背中側のおへそとみぞおちの高さ、横隔膜という呼吸と連動して動く膜の下に位置しています。ちょうど腰が疲れたなぁという時に、こぶしでとんとんと叩く場所のあたりです。
腎臓のはたらきとは?
腎臓は血液をろ過して、尿を作り、体の中に溜まった老廃物や水分、取り過ぎた塩分などを尿と一緒に体の外へ出してくれるはたらきがあります。また、からだの中の水分や血圧、体液のバランスなどを調節したり、生きていくために必要なホルモンなどをつくる大切な臓器。
単体ではたらくというよりは、他のいろいろな臓器からのメッセージを聞きながら体内の環境が正常に保たれるように、常にバランスをとってくれています。大家族のお母さんのようにとってもはたらきもので、生きていくために重要な要となる臓器です。内臓というと、なんとなく動かない、動きの少ないイメージがありますが、人間が呼吸をするとき、実は腎臓は動いています。自力ではありませんが呼吸をするたびに上下する横隔膜と連動して、”大腰筋”という筋肉の上を上下に動いているのです。
腰回りの深層には大腰筋と腰方形筋という腰の不調に関わりの深い筋肉があります。この二つの筋肉が骨盤の位置や傾きを調整し、自然な正しい姿勢をキープするために大きな役割を果たしています。
大腰筋はお腹の奥、腰の前側にあって、背骨と骨盤、太ももの骨をつないでいます。そして大腰筋の外側には肋骨と骨盤を繋いでいる腰方形筋というインナーマッスルがあるので、お腹の中から、腎臓、大腰筋、腰方形筋と繋がっています。腰の不調は、主にデスクワークや運動不足などの生活習慣などによって筋肉が凝り固まり、血流が滞っている状態が続くことによって引き起こされます。これらの筋肉が縮んで硬くなったり衰えたりすると、腰に負担がかかり、慢性的な腰痛の一因に。
また、姿勢不良やストレスなどで、呼吸が浅くなると、横隔膜の上下運動が小さくなって腎臓の自然な動きも制限されてしまいます。お腹の中の血流が滞ったり、何らかの内的な原因で腎臓が弱っていると、大腰筋の筋力が弱ってくることがあり、 腰回りの筋肉に負荷がかかって疲労が溜まりやすくなります。
身体は一生を共にする人生のパートナー。痛みや不調につながる前に普段からケアしてあげたいもの。全身に栄養を運んでいるのは血液ですが、腰回りは身体を支える為に頑丈にできているのでその分大きな負荷がかかりやすく、凝り固まることで血流も滞りやすい傾向があります。そこでおすすめなのが陰ヨガのメゾットです。
陰ヨガは筋肉をゆるめてリラックスした状態でポーズを保ち、じっくりと時間をかけることで腰まわりの深部にある組織の柔軟性を引き出すことができます。また、ゆっくりとした呼吸で横隔膜の緊張が抜けると動きがスムーズになることで呼吸が深まり、内臓へのマッサージ効果も。内側から血流が改善されるので、巡りのよい身体の土台を養うことにつながります。
身体をコントロールするのではなく、ゆるませながらポーズを保つので、元気なときなもちろん、疲れて元気がないときでも大丈夫。まぶたを閉じてリラックス。無意識のうちに身体の奥に溜まっている緊張やこわばりが、時間の経過と共にじんわりと伸びていく心地よさを、是非体感してみてください。
今回のコラムでご紹介するのはハーフバタフライのポーズ。同じポーズでも身体の位置を変えると効いてくる場所が変わるので、腰にアプローチしたい時には膝の下にサポートをいれて腰まわりに刺激を感じるように調整してくださいね。
ハーフバタフライポーズ
やり方
①脚を伸ばして座り、片足の膝を曲げて横に倒します。下半身が安定するポジションを探しましょう。
②伸ばしている脚の方に背骨を向けてゆっくりと上半身を前に倒して心地よい腰まわりの伸びを感じながら3分間ポーズにとどまります。※膝が浮いたり、曲げている方の腰の伸びを感じられない場合は膝の下にブロックやブランケットを入れて調整してください。
③ポーズから抜けて、数呼吸余韻を感じながら過ごします。
④反対側も同様に行います。
AUTHOR
高西由貴子
内臓ケアサロンMaitriesセラピスト 陰ヨガを通じて出会った中医学の学びを続けながら、都内を中心にサロンオーナー、ヨガインストラクター、セルフケア講座のセミナー講師と多岐に渡って活動。2020年、より一人一人の心と身体をサポートしたいという想いを元にボディケアサロンMaitriesをオープン。心と身体両面から、女性の美と健康のサポートをしている。
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