【大豆】「実は食べ過ぎると体に悪い?」美容や健康に良いとされる1日の適量は?管理栄養士が解説
女性にとって年齢を重ねると気になるワードの1つイソフラボン。イソフラボンと言えば大豆製品に多く含まれており積極的に食べている方も多いのではないでしょうか。いくら足りないからと言っても食べすぎが怖い。今のところ日本で報告はありませんが、海外ではイソフラボンのサプリメントに対して問題があるとも言われています。多くても少なくても良くないからこそ適量をお伝えします。
イソフラボンがどうしていいのか?
女性ホルモンが減ってしまうと更年期を早めたり、イライラや髪のパサつきなど女性の体は年齢共に変化します。更年期や閉経、また思春期もホルモンの影響で痩せたり太ったりしやすいです。イソフラボンは、体内で女性ホルモンが不足しているときには、女性ホルモン様に働き、過剰の場合は抗ホルモン様に働くという調整役ができるのです。
イソフラボンには型がある
イソフラボンには実は、アグリコン型とグリコシド型と2つあります。重要なのは、吸収率が良いアグリコン型です。イソフラボンの上限量もこのアグリコン換算値として定められています。
イソフラボンが断トツ多いものは…
大豆製品 その中でも100g中に最も多いのは、きなこ。きなこ100gで1日のイソフラボンの上限を超えてしまいます。きなこ100gというと大さじ13杯と食べる量としては難しい量です。では実際、食べられる量で比較してみましょう。
100g中 | 大豆イソフラボン含有量(mg) | 大豆イソフラボンアグリコン換算値(mg) | |
木綿豆腐 | 1P(150g)3つ重なっている1つ分 | 40 | 27-48(34.5) |
絹豆腐 | 1P(150g) | 38 | 22.5-52.5(31.5) |
豆乳 | 1本(200ml) | 42 | 15.2-118.8(49.6) |
厚揚げ | 100g | 37 | 23.1 |
納豆 | 1P(45g) | 36 | 29.5-36.6(33.1) |
きな粉 | 大さじ1(7.5g) | 7 | 11.2 |
味噌 | 味噌汁1杯(18g) | 5.4 | 2.3-14.7(4.5) |
*()は平均値、平均値がないものは、アグリコン換算係数0.625をかけて算出
適量はどのくらい?
1日の大豆イソフラボンアグリコン換算値の上限量が70-75mgと設定されています。上記の表からいくと、豆乳1本と納豆1Pで上限量を超える量になります。その中で30mgまでがサプリメントの上限と言われています。サプリメントを習慣的に飲む方は、食事からの摂取量を減らす必要があります。
上限を超えてしまったら?
上限を1日上回ったからといってすぐに病気になるわけではありません。食事から摂取される量では問題がないとされていますが、上限量を超えた日があれば、次の日はその分減らすなど調整が必要です。上限を超えて何日も摂り続け、サプリメントの活用で上回ることが習慣化すると、健康に影響を及ぼす可能性があります。イソフラボンはエストロゲン様作用の調整役ですが、同時にエストロゲン作用としても働くため、過剰量には注意してください。
ガンの分野でも…
現在、女性特有の乳ガン患者がイソフラボンを積極的に摂取すると、ガンになりにくいと言われる一方で、他のガンの死亡率が高くなるという報告があります。ガンとイソフラボンとの関係は、まだ明らかになっていません。だからこそ、体に良くても決められた上限量を守る必要があります。
女性ホルモン様に働くイソフラボンは、ホルモン調整や美肌やツヤ髪といった健康や美容の強い味方。まだまだ研究途中とはいえ病気にもなりうる成分です。適正量を意識して、健康に過ごしていきたいですね。
【参考文献】
立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクト
大豆製品・イソフラボン摂取量と前立腺がんとの関連について
発酵大豆食品摂取と乳がん罹患との関連について
大豆・イソフラボン摂取と乳がん発生率との関係について
国立がん研究センター中央病院
農林水産省
ライター/美容栄養士 Keiko
管理栄養士×美容食インストラクター/ワンストーリーアワードジャパン2023講師 15年以上の栄養士・管理栄養士歴を経て、美容食で女性の美容と健康を守る!ただ食べるだけでなく、摂る栄養素や組み合わせをとことん“美”にこだわりインナーケアする美容食で、体の中の細胞を目覚めさせ、整え、キレイにしていきます。『輝き自信あふれる明日を美容食で!』をモットーに、明日からできる美容食の知識をお伝えしたいです。Instagram:@beauty.diet_keiko
AUTHOR
NS Labo(栄養サポート研究所)
全国の栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康やダイエット、美容関連の 商品開発や監修、講演やコラム執筆、メディア出演などウェルネス分野を中心に幅広く事 業を行っている。 また、2020年に「ウェルネスライフコーチ協会」を立ち上げコミュニティを通して健康貢 献活動を行っている。
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