意外な落とし穴も?糖尿病専門医が教える〈プリン体が多い食べ物・少ない食べ物〉
テレビやCMなどでも話題に上るプリン体。なんとなく体に悪そうということはイメージできますが、実際のところ何がどう悪いのか理解している人はあまり多くないかもしれません。今回は、糖尿病内科、腎臓内科のある病院「医療法人信亮会 戸塚西口さとう内科」で栄養指導を行う管理栄養士・畑島さんにプリン体について教えてもらいました。
プリン体とは
プリン体とは私達の身体の細胞にある成分の1つです。あらゆる生物の細胞内に存在するため、意外かもしれませんが、実はほとんどの食品に含まれています。食品から摂取するだけでなく、体内でも日々産生されています。 プリン体が体内で過剰に増えることにより尿酸値が上がり、結果として痛風などの症状が表れます。
1日あたりのプリン体の目安摂取量は
高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン(₍第3版)によると、プリン体の1日の目安量は400mgと言われています。
プリン体は大きく2つにわけることができ、ひとつは白子・レバー等と言った食物を摂取することによって増えるもの(外因性)、もうひとつはエネルギー代謝により体内で作られるもの(内因性)です。このことからも、プリン体を多く含む食材を摂りすぎないようにすることはもちろん、カロリーの過剰摂取にも気を付けなければならないことがわかります。
食品のプリン体含有量を比較してみると
プリン体が比較的多く含まれている食品と少ない食品をいくつかピックアップしました。100gあたりの含有量の比較です。
極めて多いもの(300mg以上)
鶏レバー、マイワシ干物、イサキ白子、あんこう肝 酒蒸し、干し椎茸
多いもの(200-300mg)
豚レバー、牛レバー、カツオ、マイワシ、大正えび、マアジ干物、サンマ干物
少ないもの(50-100mg)
ウナギ、ワカサギ、豚ロース、牛肩ロース、ボンレスハム、ベーコン、ほうれん草、カリフラワー
極めて少ないもの(50mg以下)
コンビーフ、魚肉ソーセージ、かまぼこ、焼きちくわ、豆腐、牛乳、バター、うどん、にんじん、大根、白菜、海藻類
上のリストに、皆さんがよく食べているものはありましたか?
日常的に食べられているような豆腐やうどん、牛乳、バター、また、ソーセージやかまぼこといった練り製品も、100gあたりのプリン体の量としては極めて少ないことがわかります。ですが、単純にプリン体の量だけを見て判断するのではなく、カロリーなども加味して、日々口にするものを選びたいですね。
食べることは生活の基本。自分の体にとって良い食べ物を賢く選んでいきたいですね!
教えてくれたのは…佐藤孔信医師
糖尿病内科、腎臓内科のある病院「医療法人信亮会 戸塚西口さとう内科」院長。日本内科学会認定内科医、日本透析学会 透析専門医、臨床腎移植学会 臨床腎移植認定医、日本糖尿病協会登録医。クリニックでは、治療や栄養指導だけにとどまらず、病院ホームページやYouTubeチャンネルで、簡単に作れて栄養価の高いおうちごはんレシピを発信している。
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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