【リカバリー味噌汁】飲みすぎた日の翌朝…味噌汁に入れたいおすすめの具は?管理栄養士が解説
年末年始には、お酒を飲む機会が増えますね。楽しくお酒を飲んでいたのに、翌日「なんだか調子が悪い…」と後悔することはないでしょうか?そこでお酒が大好きな管理栄養士が、お酒を飲みすぎた翌日の味噌汁におすすめの具材を紹介します。体をいたわる味噌汁を飲んで、つらい二日酔いから早く回復しましょう!
飲みすぎた翌日は味噌汁が◎
お酒の席が楽しくて、つい飲みすぎてしまった…そんな翌日には、つらい二日酔いが待っています。頭痛や吐き気などの症状から、少しでも早く回復したいですよね。
二日酔いになったときは、味噌汁がおすすめです。お酒に含まれるアルコールの利尿作用により、体からは水分やミネラルが失われています。味噌汁を飲んで、不足している水分とミネラルを補いましょう。
また味噌に含まれるたんぱく質も、二日酔いの緩和に役立つ栄養素です。たんぱく質には、肝臓におけるアルコールの分解をサポートする作用があります。二日酔いになる原因のひとつは、アルコールから生じる「アセトアルデヒド」が体内に蓄積されるため、と考えられています。アセトアルデヒドの分解がスムーズに進むように、味噌汁からたんぱく質を摂取しましょう。
しじみでアルコール分解をスムーズに
さらに味噌汁に加える具材を工夫すると、二日酔い解消効果がより高まります。「二日酔いにはしじみが効果的」という話はよく知られていますね。しじみに含まれる、二日酔いに効く成分はタウリンとオルニチンです。
アミノ酸の一種であるタウリンには、アルコールを分解する酵素の働きをサポートする作用があります。タウリン同様、オルニチンもアミノ酸の一種です。オルニチンは肝臓でおこなわれる毒素の分解に作用して、肝臓の働きを助けます。肝臓の機能が高まるため、アルコール分解もスムーズになるのです。
しじみの味噌汁を飲むときに、しじみの身を食べない人は少なくありません。しじみに含まれる成分の一部は味噌汁に溶け出しますが、大部分は身に残っています。二日酔いへの効果を十分に得るためにはしじみを身まで食べて、タウリンやオルニチンを無駄なく摂取しましょう。
豆腐でビタミンB1を補給
豆腐も、飲みすぎた翌日の味噌汁に入れてほしいおすすめの具材です。豆腐は肝臓の働きを助けるたんぱく質に加えて、ビタミンB1も含んでいます。ビタミンB1は、アルコールを分解する際に体内で大量に消費されることがわかっています。
またビタミンB1は、アルコールによる低血糖からの回復も促すでしょう。肝臓には、エネルギー不足に備えて糖質を蓄える機能があります。しかしお酒を飲むと、肝臓はアルコールの分解に労力をかけるようになります。そのため血糖値が低下しても肝臓に蓄えられている糖質が使われず、低血糖状態に陥りやすくなるのです。
お酒を飲んだあとに締めのラーメンやお茶漬けを食べたくなるのも、この低血糖が影響しているといわれています。
血糖値が低いままではエネルギーが不足して、体のだるさを感じやすくなります。そこで、豆腐入り味噌汁を飲みましょう。豆腐に含まれるビタミンB1は、糖質からエネルギーを作り出す働きに関わる栄養素です。ご飯やおかゆ、うどんなど、糖質を多く含むものを一緒に食べるとより効果的です。
糖質の多い野菜もおすすめ
しかし二日酔いになると、ご飯のような固形物を食べるのがつらいときもあります。そんなときは、糖質が多い野菜を味噌汁に加えてください。
さつまいも、かぼちゃ、じゃがいもは糖質を多く含む野菜です。これらの野菜をやわらかく煮込んだ味噌汁であれば、二日酔いでも食べやすいでしょう。
二日酔いになってしまったときは味噌汁を飲んで、少しでも早く回復できるように体をいたわってあげてくださいね。
【参考文献】
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
厚生労働省 e-ヘルスネット「二日酔いのメカニズム」
AUTHOR
いしもとめぐみ
管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く