【生卵・半熟卵・ゆで卵】加熱の仕方で消化が変わる?管理栄養士が胃腸に負担をかけない食べ方を解説
体調がすぐれない時や胃腸の調子が悪い時、おかゆやうどんに卵を落として食べる方も多いのではないでしょうか?卵は消化がいいイメージがありますが、加熱の仕方で消化時間が変わるのをご存じでしょうか?
卵の栄養について
卵はビタミンCと食物繊維以外、ほとんどの栄養を含んでおり、完全栄養食と言われています。特にたんぱく質は人体で合成することができない必須アミノ酸9種類を含んでおり、たんぱく質の質を評価するアミノ酸バランスは100点満点。その他、日本人に不足しがちなビタミンD、ビタミンB2、カルシウム、鉄なども含んでいます。
卵の加熱による消化時間の違いとは?
風邪をひいて食欲がない時や胃腸の調子が悪い時、何を食べるか迷いますよね。胃や腸に負担がかからないように、おかゆやうどんなどを食べる方も多いのではないでしょうか。
ただおかゆやうどんなどの炭水化物はエネルギー源になるものの、身体を作る材料のたんぱく質は不足しがち。筋肉は常に分解と再生を繰り返しているので、毎回の食事でたんぱく質は取り入れたいところです。
卵はたんぱく質の中でも脂質や食物繊維が多くない為、消化にやさしいと言われています。また前述したように、完全栄養食と言われるくらい様々な栄養を含んでいるので、ぜひ取り入れたい食品です。ただし加熱の仕方によって消化の時間が異なります。
<消化にかかる時間>
半熟卵 1時間半
ゆで卵 2時間半
生卵 2時間45分
加熱をしていない生卵でも、加熱をしっかりしているゆで卵でもなく、実は半熟卵が一番消化しやすいのです。続いてゆで卵、生卵の順で消化に時間がかかります。これは、半熟卵のように少し加熱されることで卵のたんぱく質が変性し、消化酵素の影響を受けやすくなるから。ただゆで卵のように完全に加熱されてしまうと、たんぱく質が凝固してしまい、消化に時間がかかると言われています。
胃腸に負担をかけたくない時は、うどんやおかゆに落とす卵は完全に加熱せず、半熟の状態で食べると消化にやさしいですよ。
<参考>
関西鶏卵流通協議会 たまごの知識Q&A
名古屋学芸大学 タンパク質の変性と消化
日経ウーマノミクス カラダレッスン
AUTHOR
和田 梓
管理栄養士。これまでヘルスケアIT企業にて、ダイエット・糖尿病・IBD・CKDなど、幅広い悩みに向けたレシピ開発を100件以上行う。その他、記事執筆、WEBページの企画・編集、保健指導などに従事。ハーブやスパイスを使った創作家庭料理が得意。
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