【ひきわり納豆 VS 粒納豆】実は…カルシウムや鉄分に違いがある?栄養価の違いを管理栄養士が解説
日本の伝統的な発酵食品の一つである納豆。安価で栄養価が高く、日持ちもする、優秀な食品ですよね。そんな納豆ですが、豆の形がそのまま残った粒納豆と豆が砕かれている引き割り納豆では、作り方や栄養価が違うことをご存知でしょうか?
粒納豆とひきわり納豆の違い
粒納豆を細かく砕いたものがひきわり納豆と思っている方も多いのではないでしょうか?実はこの二つは作り方が異なります。
粒納豆
浸水させた大豆を蒸して、納豆菌をつけて発酵させたもの
ひきわり納豆
大豆を引き割り、皮を取り除いたものを浸水させ、蒸して、納豆菌をつけて発酵させたもの
粒納豆はそのまま蒸して発酵するのに比べて、ひきわり納豆は大豆を粉砕して皮を除いてから発酵させており、皮の有無や納豆菌がつく表面積、発酵時間などに違いが出てくるのです。
栄養価の違いは?
粒納豆とひきわり納豆の栄養価に違いはあるのでしょうか?
<1パック(50g)あたりの栄養価>
・エネルギー量(粒納豆 92kcal/引き割り納豆 93kcal)
・たんぱく質(粒納豆 8.3g/引き割り納豆 8.3g)
・食物繊維(粒納豆 4.8g/引き割り納豆 3.0g)
・ビタミンK(粒納豆 435μg/引き割り納豆 465μg)
・カルシウム(粒納豆 45.5mg/引き割り納豆 29.5mg)
・鉄(粒納豆 1.7mg/引き割り納豆 1.3mg)
エネルギー量やたんぱく質量はそれぞれほとんど変わりません。ただ引き割り納豆はビタミンKが多い一方、粒納豆は引き割り納豆に比べて食物繊維が1.6倍、カルシウムが1.5倍、鉄が1.3倍含まれています。
味の違いは?
粒納豆はふっくらとした大豆本来の食感や旨味を楽しめる一方、引き割り納豆は皮がない為、粒納豆よりもやわらかく、消化にやさしいとも言われています。またひきわり納豆は粉砕してから納豆菌をつけて発酵いるため、表面積が多く、発酵による旨味を感じやすいとも言われています。
栄養価の面で優れている粒納豆と旨味を感じやすく消化にやさしい引き割り納豆。それぞれメリットがあるので、身体の調子やお好みに合わせて選んでみてくださいね。
<参考元>
日本食品標準成分(八訂)
AUTHOR
和田 梓
管理栄養士。これまでヘルスケアIT企業にて、ダイエット・糖尿病・IBD・CKDなど、幅広い悩みに向けたレシピ開発を100件以上行う。その他、記事執筆、WEBページの企画・編集、保健指導などに従事。ハーブやスパイスを使った創作家庭料理が得意。
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