人前で話すのが苦手な人に試して欲しい【7つの対処法】臨床心理士が解説

 人前で話すのが苦手な人に試して欲しい【7つの対処法】臨床心理士が解説
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石上友梨
石上友梨
2023-11-07

人前で話すことが苦手だと悩んでいませんか?会議やプレゼンテーションなど、職種によっては人前で話す機会が多い場合もありますし、学校でも様々な発表場面があります。人前で話すのが苦手な人にとって、そのような状況はストレスや強い不安を引き起こすことがあります。今回は、人前で話すのが苦手な人に向けて7つの対処法を紹介します。

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人前で話すのが苦手な人への対処法

不安や緊張は自然と湧き起こる私たちの大切な感情の一つです。そのため、人前で話す不安や緊張を完全になくすことはできませんが、工夫次第で減らすことができます。減らすための7つの工夫を紹介します。

1.準備をしっかりと行う

少しでも自信を持って話すためには準備が重要です。うまく伝えることではなく、どう分かりやすく伝えるかに重点をおき、まずはしっかりと準備をしましょう。原稿をよく考えて内容をしっかり考えておくことで本番変に焦らず、落ち着いて進められることもあります。プレゼンテーションやスピーチをする前に内容を精査し、スピーチの流れや重要なポイントを整理しておきましょう。また、質疑応答に備えて質問を予想し、それに対する回答を用意しておくことも重要です。

2.練習を積み重ねる

スキルは練習によって向上します。鏡の前で話したり、家族や友人の前で話す練習を行ったりすることで、自信をつけることができます。さらに、自分の声や話し方を録音して再生することで、改善点を見つけることができます。一人で練習をする際は、本番の様子をありありとイメージしながらイメージリハーサルをすることでより緊張や不安に慣れることができます。また、可能ならば本番と同様の会場で練習して「場所に慣れておくこと」も有効です。

3.リラックス法を取り入れる

スピーチやプレゼンテーションの前には、リラックスするための方法を取り入れることが重要です。深呼吸やマインドフルネス瞑想、ストレッチなどのリラックス法を行うことで、緊張を和らげることができます。また、「私はやればできる」「私は無事にプレゼンを終えられる」などのポジティブなアファメーションを使って自己暗示を行うことも効果的です。

4.聴衆者とのコミュニケーションを意識する

人前で話すときには、聴衆者とのコミュニケーションを意識することが大切です。目を見て話したり、笑顔を向けたりすることで、聴衆とのつながりを深め、話しやすい空気感にすることができます。そして、聴衆に質問をするなど巻き込むことで会場の雰囲気が解れやすく、自分が場をコントロールできるので進めやすくなります。また、発表することが苦手な人の中には、聴衆者の顔を見ずに下を向いてしまう人がいます。しかし、聴衆者の顔を見ないでいると、不安から「みんなつまらないと思っているんだろうな」「自分のこと笑っていないかな」などとネガティブな想像をしやすくなります。あえて聴取者の顔をしっかり見ること、反応が良い人に目を向けることで気持ちも落ち着き、話をしやすくなります。

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5.資料を用意する

資料を用意して掲示したり、配布したりすることも有効です。聴衆の視線がパワーポイントや配布資料に向き、発表者には向かないため緊張しづらくなります。また、説明をする上でも資料があった方が話しやすい人も多いと思います。発表内容を完全に暗記する必要がないため、不安要素を減っておすすめです。

6.身体反応に注目しない

心臓のドキドキ、手足の震え、呼吸の息苦しさ、手汗など、身体の反応には注目せず、原稿の内容、聴衆の様子など、自分の外側のものに意識を向けましょう。身体反応は注目すればするほど大きくなります。「心臓ドキドキしている…どうしよう」「手足震えてやばい」と考えている時は、意識的に注意を逸らしましょう。

7.自己効力感を高める

過去の失敗にとらわれず、自分の強みや良い面に焦点を当てることで自信を持つことができます。成功体験を積み重ねて自信がついてくると次の発表に対する不安が軽減します。そのため発表後は、うまくできなかった点だけではなく、うまくできたところにも注目し、次回に活かしていきましょう。

社交不安障害について

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社交不安障害とは、人前で話すなどの状況で強い不安や恐怖、緊張を感じてしまい、日常生活や社会生活に影響がある状態です。あまりに不安が強く生活に影響が出ている場合は、一人で抱え込まず、医療機関を受診し相談してみましょう。

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石上友梨

石上友梨

大学・大学院と心理学を学び、心理職公務員として経験を積む中で、身体にもアプローチする方法を取り入れたいと思い、ヨガや瞑想を学ぶため留学。帰国後は、医療機関、教育機関等で発達障害や愛着障害の方を中心に認知行動療法やスキーマ療法等のカウンセリングを行いながら、マインドフルネスやヨガクラスの主催、ライターとして活動している。著書に『仕事・人間関係がラクになる「生きづらさの根っこ」の癒し方: セルフ・コンパッション42のワーク』(大和出版)がある。



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