【知るだけで変わる】前屈が苦手な人は試してみて!股関節をスムーズに動かすための思い込み解消法
ケガをしたわけでもないのに体のどこかが慢性的に痛い、もっとスムーズに体を動かしたいのに思うように動かないといった、原因がはっきりしない体の「負」は、体や動作に関する何かしらの思い込みに関係していることが多いです。そこで、緊張と効率的な体の使い方の関係性を探究するアレクサンダーテクニークの実践者が、思い込みが体にどう影響するのかを解剖学的な視点を交えて考察。思考だけで体の使い方を変える、お得な方法を提案します。16回目のテーマは「前屈ができない」です。
前屈ができないのは股関節を線としてとらえているから
ヨガでは様々なアーサナにおいて前屈を頻繁に行ないます。その際に、背中をまっすぐにしたまま、股関節から前屈するように誘導されますよね。でも、股関節が硬くて誘導の通りには前屈ができず、腰や背中が丸くなってしまう人も多いと思います。
そんな前屈が苦手な人に質問です。股関節はどこにあると思っていますか?
このように質問されて、指先まで伸ばした手の側面を太ももの付け根に当てた人は、その考え方が前屈を深めるのを邪魔しているのかもしれません。股関節を太ももの付け根という線でとらえていたり、股関節の位置自体を曖昧なイメージとしてしか考えていなかったりすると、それがそのまま体に影響を及ぼすことがあります。
股関節の位置の思い違いが可動域を制限してしまう
股関節は体を支える下半身と脳や内臓などを守る上半身との中継地点であり、前屈はもとより、立つ・座る・歩くなどの日常的な動作でも重要な関節です。それ故に太ももやお尻の様々な筋肉に囲まれていて、一見するとどこが股関節なのかピンポイントではわかりづらいところではあります。
しかしながら、太ももの付け根という広い範囲で股関節をとらえてしまうと、前屈に必要な筋肉以外の筋肉にまで力が入り、太ももやお尻が無意識のうちに緊張して固まります。そして、股関節本来の可動域を使いきれないままに、腰と背中で補ってしまうのです。
股関節の位置をよりピンポイントに認識すればOK
次の画像で股関節の構造を確認しましょう。
股関節のお尻側の関節面は深いお皿のような形をしていて、そこに太ももの骨の先にあるボール状の部分がはまり込むことで関節を作っています。これを踏まえて、次のように思いながら前屈してみてください。
【方法1】体の前側で股関節を意識して前屈する
1. 股関節は恥骨よりも外側、少し上の方にあると思う
2. そこで「ボールの上でお皿が滑るように動く様子」をイメージする
【方法2】体の後ろ側から股関節を意識して前屈する
1. 股関節は坐骨よりも少し外側の奥の方にあると思う
2. そこが「後ろに向かってパカーンと開く様子」をイメージする
2通りの方法を紹介しましたが、両方を同時に行なえということではありません。好きな方を取り入れるのもいいですし、臨機応変に使い分けるのもありです。きついトレーニングいらずで思考するだけだから、簡単に試せますよ。
AUTHOR
ホタカミア
ライター、グラフィックデザイナーとして会社と自宅の往復に追われる中、ヨガと出会う。また、30代後半から膠原病であるシェーングレン症候群と咳喘息に悩まされ、病と共に生きる術を模索するようになる。現在は、効率的な身体の使い方を探求するアレクサンダーテクニークを学びながら、その考えに基づいたヨガや生き方についての情報を発信中。解剖学にはまり、解剖学学習帳「解動学ノート」の企画・制作も行う。
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