かいわれ大根は栄養が豊富?!意外と知らないかいわれ大根の栄養について管理栄養士が解説
かいわれ大根はピリッと清涼感のある味わいで、サラダなどのアクセントになります。栄養価が高い野菜といわれていますが、どんな栄養が含まれておりどんな効果が期待できるのかよく知らない方が多いのではないでしょうか。 そこで今回は意外と知られていないかいわれ大根の栄養について詳しく解説します。
かいわれ大根ってどんな食品?
かいわれ大根とは大根が発芽した直後のものであり、発芽野菜である「スプラウト」の一種です。
葉の形が二枚貝の開いた姿に似ていることから「かいわれ」と呼ばれるようになりました。
なお、スプラウトはブロッコリースプラウトやレッドキャベツなどさまざまな種類があり、栄養を豊富に含んでいると注目されている野菜です。
かいわれ大根に含まれる栄養素とは?
かいわれ大根にはどんな栄養素がどのくらい含まれているのか見てみましょう。
かいわれ大根に含まれる主な栄養素と100g当たりの含有量は以下の通りです。
栄養素 | 含有量 |
エネルギー | 21kcal |
たんぱく質 | 2.1g |
脂質 | 0.5g |
食物繊維 | 1.9g |
ビタミンA | 160μg |
ビタミンE | 2.1mg |
ビタミンK | 200μg |
葉酸 | 96μg |
ビタミンC | 47mg |
カリウム | 99mg |
カルシウム | 54mg |
これらのなかで、特に豊富に含まれている栄養素はビタミンE、ビタミンK、ビタミンC、葉酸です。
かいわれ大根に含まれる栄養素は抗酸化作用などさまざまなはたらきを持ち、私たちの健康に役立つ可能性を秘めています。
かいわれ大根を食べるとどんなメリットがある?
かいわれ大根にはさまざまな栄養素が含まれていることが分かりましたが、それらを摂取することでどのように役立つか気になる方もいらっしゃるでしょう。そこでかいわれ大根を食べることで得られるメリットと、その考えられる理由を解説します。
美肌作りに効果的?
かいわれ大根に豊富に含まれているビタミンCは肌のハリやつやを保つコラーゲンを作るのに欠かせません。
また、かいわれ大根に含まれているビタミンAも皮膚の健康維持に関わるビタミンで、肌の潤いを保つのにはたらくとされています。
つまり、かいわれ大根を摂ることで、美肌に欠かせないハリや潤いをキープするのに役立つ栄養素が補給できるのです。
アンチエイジングにつながる?
かいわれ大根に含まれるビタミンC、ビタミンE、ビタミンAは抗酸化作用を持つ抗酸化ビタミンです。
そもそも抗酸化作用とは活性酸素のはたらきを抑えたり活性酸素を取り除いたりする作用のことです。
活性酸素は体内の酸素が活性化されたもので、少量であれば免疫機能などとしてはたらきますが、
過剰に作られ過ぎてしまうと、細胞を傷つけて、老化やがんなどの病気の原因になります。
かいわれ大根を摂ることで、抗酸化ビタミンのはたらきにより老化を予防する可能性があると考えられるのです。
骨の健康を維持するのに役立つ?
かいわれ大根には骨の形成に関わるビタミンKが含まれています。
ビタミンKは骨に存在するたんぱく質である「オステオカルシン」を活性化することで、
カルシウムの骨への吸収を高めてカルシウムの流出を防ぐことにつながると知られています。
このはたらきがあるため、骨がもろくなって骨折しやすい状態になる骨粗しょう症の治療薬として使用されています。
一般的に骨の量は20歳ころに最大となり、その後、加齢とともに減少していきます。
日頃からビタミンKなどの栄養素を十分に摂り、骨の健康を維持していきたいですね。
このようにかいわれ大根を摂取することで肌や骨などの健康維持に役立つ可能性があります。
ただし、かいわれ大根の摂取に対する効果が検証されていないため、摂取したからといって必ずしも健康メリットを享受できるとは限りません。また、かいわれ大根は1度に食べる量は少ないため、かいわれ大根のみで必要な栄養素が十分に補給するのは難しいといえます。あくまでも健康に役立つ栄養素が補給できる食品として、上手に取り入れていきたいですね。
他の食品とバランスよく栄養素を摂取しよう
かいわれ大根には美肌や老化防止などに役立つと考えられる栄養素が含まれています。
ただし、かいわれ大根のみでは必要な栄養素が十分に補給できないため、かいわれ大根をはじめさまざまな食品をバランスよく取り入れてくださいね。
【参考文献】(2023年9月18日閲覧)
・文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
・厚生労働省、e-ヘルスネット「抗酸化ビタミン」
・厚生労働省、e-ヘルスネット「活性酸素と酸化ストレス」
AUTHOR
一ノ木菜摘
管理栄養士/ライター。短大卒業後、病院で栄養士として働きながら管理栄養士免許を取得。その後は病院の管理栄養士やコールセンターなどの経験を経てライターとして活動を始める。ダイエットや食品、メンタルなどのヘルスケアについて論文などの科学的根拠をもとにコラムを執筆している。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く